現在「旅日記」カテゴリーの記事数が多数に及んで来たため、
地方ごと、あるいは季節ごとでの細分化を進めております。
当ブログが皆さまにとってより見やすく、より分かりやすい
物となるよう努力して参りますので、今後とも
拝見のほど、宜しくお願い致します!
さて、今回は先月27日、とある鉄道車両最後の姿を
フィルムに留めるべく、松本市街へと下って参りました。
去り行く老兵の記録とその後私を襲った緊急事態、
さらにそれを逆手にとった楽しき一時をお伝えします。

松本市街へと下り、まずは昨年見当を付けておいた撮影場所へ。
今回のターゲットが来るのはお昼過ぎ。
まずはそれまでの無聊の慰め、といったところでしょうか。
先日一部車両の
E353系への置き換えと、
首都圏~伊豆半島の特急列車への
リニューアル及び転用が発表された
E257系。
いずれは地域色を押し出したこの塗装、そしてこの車両を中央本線で日常的に
目にすることも出来なくなるのでしょうか・・・
午後2時過ぎに、入場券を使って
松本駅へ。

14時29分。揺らめく陽炎の向こうから、この日の主役が
近づいて参りました。

鉄道ファンの視線を一身に集めながらやって来たのは、
国鉄型特急車・
189系登場は昭和50(1975)年。小松市の「土居原ボンネット広場」に保存されていた
489系(4月25日の記事参照)同様、
急勾配によって車両の増結が制限されていた信越本線横川~軽井沢間
(通称・横軽区間、1997年廃止)に於ける輸送力の向上と、
専用電気機関車との協調運転を目的として設計・製造されました。
ベースとなったのは直流専用特急電車・
183系そのため同型式も直流区間限定での運用とされています。
営業運転開始後は東京~長野等を「横軽区間」を経由して結ぶ
特急あさまや
中央本線の
特急あずさで使用され、
首都圏~信州間の特急列車網の充実に貢献。
JR化後の平成2(1990)年からは、車内外に渡る大幅な
リニューアルを実施。
塗装の変更や座席の交換の他、
グリーン車の3列化と指定席と合わせた
座席の前後幅(シートピッチ)の拡大、座席部分の床面かさ上げ、側面窓の拡大などが
盛り込まれ、サービス向上が図られました。
その後は
北陸新幹線(長野新幹線)東京~長野間の開通、
老朽化に伴う
E351系やE257系といったJR世代車の投入によって
数を減らし、長野市の
長野総合車両センターに1編成、
東京都日野市の
豊田車両センターに3編成が
臨時用として
残存していました。
ところが今年に入って以降、
豊田車両センター所属車の引退・
廃車が進行。
最後に残ったこの
M51編成も、この日の運転を以て
引退の運びとなりました。

この日は
さよなら189系M51編成ラストランと称し、
豊田駅から
長野駅まで団体列車としての片道切符。
この「国鉄フェイス」も本当に少なくなりました。

先頭部側面。運転台直下には「JNR(日本国有鉄道)」のマークも再現されています。
豊田方に設けられた開口部は、発電機へ冷却用の風を送り込む
取り入れ口。

先頭車、ならびに車体側面の行先表示は「団体」となっていました。
あずさや
あさまの表示を予想(あるいは期待)していただけに、
ちょっと残念
ひねりの無い行先表示の代わり(?)に、客室内には手書きの案内板が。
若干バランスが整っていないところに、却って車両への愛着や
暖かみを感じます。

メッセージボードには、
M51編成の雄姿を捉えた写真たち。
共に写るM50編成(
あずさ色)とM52編成(グレードアップあずさ色)は、
一足先に現役を退くこととなりました。

14時35分、松本駅発車。
惜別の汽笛が構内に鳴り響く中、
M51編成はもう帰ることの無い鉄路へと踏み出して行きました。
ラストランに付き物の騒ぎも無く、見送る人々は静かにその姿をファインダー、
あるいは目に焼き付けておりました。
全国的に「国鉄型車両」がその数を減らしつつある中で、かつては日本中で見られた
優等列車にのみ施された
クリーム色と
赤の
組み合わせ、いわゆる
国鉄特急色は、実はこの
M51編成の引退に伴い、
消滅半世紀以上に渡って「特急列車」の象徴となっていたカラーリングも、これが見納め。
松本駅2番線へと入線する
E353系スーパーあずさ現在の中央東線に於ける主役であり、将来的な車種統一へ向けて
精力的な増備が行われています。

夕刻も迫り、
上高地へ。
しかし松本電鉄の終点・新島々駅(しんしましまえき)まで戻ったところで、
重大な事態に気付く。
16時45分新島々発のバスが運転されるのは、この翌日・28日から。
つまり
自力で上高地へ戻る手段が無い部署のリーダー経由でどうにか社員さんのマイカーに同乗させて頂く運びとなり、
それまでの時間は
松本へ戻ることに

という訳で、Uターン。
滞在時間も伸びた事ですし、折角なので夜の松本を満喫しちゃいましょう!

約10日ぶりの
中町営業を終えてシャッターを下ろしてしまっている店も多いですが、
昼間とはまた違った風情が有ります。

晩御飯を摂りに立ち寄ったのは、
薬膳火鍋yang yang(ヤンヤン)
平成26(2014)年9月オープン。15種類を超える漢方薬や香辛料を混ぜ合わせた
薬膳火鍋を看板メニューに、
美肌と疲労回復に効能有りのコラーゲンメニューを含む「コラーゲンコース」、
火鍋スープをアレンジしたラーメン、その他サイドメニューや
日本酒を取り揃えた、昼も夜も楽しめるお店。

辛い物を苦手とする私、主力メニューの一つである「担々麺」はパス。
チョイスしたのは
白湯蒙古とん塩ラーメン火鍋白湯(パイタン)スープをラーメンのスープとしてアレンジ。
こちらも薬膳が豊富に含まれた、口にも身体にも優しい一品。
ああ、
身体が喜んでおる
続いてやって来たのは、先日発見し優しい間接照明と
壁面に取り付けられた鳥を型取ったオブジェが印象的だった
蔵久小路まるで隠れ家のような雰囲気をまとう、中町から入った細い路地の
奥には・・・

土蔵を生かした手芸品のお店やカフェが入居しています。

そんな蔵久小路の一角、こちらも土蔵造りの町家をきれいにリノベーションした
居酒屋、
酒肴 車改装前そのままの欄間や床の間を残しつつ、和のテイストを
加えた、落ち着いた佇まいのお店。

こちら、長野県内や新潟県糸魚川市の地酒を飲み比べることが出来る、
利き酒三点セットメニューに記載された銘柄の中から、好みの物を3つまで選択可能。
今回は左から松本市・大信州酒造の
大信州 辛口特別純米酒
川中島・酒千蔵野の
川中島 特別純米酒塩尻市・美寿々酒造の
美寿々(みすず)
純米吟醸酒の3つをチョイス。

山菜や蒸し鶏、オリーブオイルに漬け込まれたマグロ等が盛られた
「お通し」と共に、頂きます!
目的を果たし、さあ帰ろう!とした矢先、私の凡ミスによって
発生した緊急事態。
しかし結果としてより深く松本をエンジョイし、無事帰り着くことが出来ました。
災い転じて福となすただでは転びませんよ~!
次回は松本地方を取り巻く温泉地の一つ・浅間温泉へ!
「松本の奥座敷」と呼ばれた名湯で、たっぷり湯治を
味わいます。それでは!