私が今現在、長野県は上高地に身を置いている事は
既出の通りですが、真っすぐ現地へ行くのは当然おもしろく・・・(以下略)
今回はそんな「赴任旅」の第一歩、九州から
関西へと至る船旅の模様をお伝えします!

まずは電車で地元の駅を出て、北九州市のターミナル駅・
小倉駅(こくらえき)へ。
山陽新幹線の全列車が停車する他、
福岡都市圏との間を結ぶ列車が多数発着し、
東九州へも至便な同駅ですが、今回は
ソニックにも
新幹線にも
乗りません!
新幹線口側のバス停から西鉄の大型バスに乗って
やって来たのは・・・

北九州と関西圏を結ぶ船会社・
阪九フェリーの
新門司港(しんもじこう)
フェリーターミナル奈良・平城京の大極殿を模した第一ターミナルビルが特徴的な
同港からは、神戸港行きと大阪・泉大津港行きの
二つの行路が就航。
今回は泉大津行きの便に乗船します。
私を泉北の港町まで運んでくれるのは、
ひびき平成27(2015)年4月に就役した、阪九フェリーの新鋭船。
総トン数
15,897t、全長
195m、
全幅
29.6m、旅客定員
643名という、
大層大きな船。内部は7階建てとなっており、客室は5~7階。
レストランや売店、ゲームコーナーにカラオケルーム、露天風呂付きの
大浴場まで備える、充実した設備が魅力!

乗船してまず目に入るのは、5階のロビーから続く
吹き抜け船内とは思えぬ、まるで高級ホテルのような造りに驚かされます。
中央部には各階へと至るエレベーターと、2本の階段が設けられています。

こちらが一夜の寝床となる、
スタンダード洋室清掃の行き届いた船室に、上下2段のベッドが整然と
並んでいます。
お値段税込み7610円(繁忙期除く)。
今回は下段がマイスペース!
1人部屋では無いため当然周囲に他のお客さんも
居るのですが、備え付けのカーテンを閉めれば、
小さいながらも快適なプライベート空間の出来上がり!

船首付近には、
展望ルームが設けられています。
縦に広く開けられた窓からは、出港準備の様子や航行中の
前方視界が楽しめます!
利用時間は乗船時間-22:00と、5:00-入港までの間。
夜間は
締め切られてしまうので、要注意。
あと景色を見やすくするためか、
とても暗い
17時30分、出港時間となりました。
車両搬入口を兼ねた船首が下ろされ・・・

いざ出航!

微速後進で岸壁を離れた船は港内で向きを変え、
響灘へと進みます。
大阪・泉大津まで12時間30分の船旅のスタート!

各フロアーに備え付けられたモニターには、船の現在位置が
表示されています。
平成18(2006)年開港の海上空港・
北九州空港付近を航行中。

7階からは、屋外デッキへ出ることが出来ます。
風に当たりながら大海原を眺め、阪九フェリーの社章を戴く
煙突の周囲に配されたテーブル席で寛ぐ。
急ぐことの無い、ゆったりとした旅。

船舶行き交う
響灘を進行中。

雲の隙間から現れた太陽が、水平線を照らします。

夕食は6階のレストランで。
棚から好みの料理を選び、レジでお会計というスタイル。

こちらがマイチョイス。
ご飯・味噌汁・白和え・玉子豆腐という組み合わせ。
いずれもお店を出せそうなクオリティですが、
特に感嘆させられたのは、メインに選んだ宮崎県産
黒瀬ブリたっぷり詰まった脂と甘味に、舌がとろけそう!

食後はお風呂へ。
男女別の大浴場は7階。
ここの売りは何といっても
露天風呂!あいにく夜闇の降りた陸地を遠望することは叶わなかったものの、
吹き付ける海風に、ここが海の上、そして船の上という
特別な場所であることを実感。

23時30分過ぎ、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ
西瀬戸自動車道の(愛称:瀬戸内しまなみ海道」)一端を担う
来島海峡大橋(くるしまかいきょうおおはし)を通過。
平成11(1999)年に供用を開始した自動車専用橋で、
全長4.1km。
周囲の島々や付近を航行する船舶の安全性、自動車の走行性等を
考慮し、両端に打ち込まれたアンカーでケーブルを支え、3つの吊り橋を直線的に繋ぐ
三連吊橋という方式が
世界初採用されました。
夜の暗闇の中では全体像を見ることは叶わなかったものの、
間近で、そして真下から仰ぎ見る巨大構造物の威容と
迫力は、
一見の価値あり!
一夜が明けつつある朝5時過ぎ、空の彼方が赤く染まり始めました。
眠気と闘いつつ起床と下船の準備を進めます。
目的地はもう間もなく!

6時頃に大阪・泉大津港に接岸!
送迎バスで
JR和泉府中駅(いずみふちゅうえき)へ
出て、
大阪駅へと向かいます。
新幹線や鉄道といった高速の物では無い移動手段。
新鋭船は揺れやエンジン音も目立たず、多様かつ
清潔な設備も相まって、より良い船旅が
可能となっています。
時にはのんびり大海原に揺られるのも、悪く無い。
さて、次回は北陸、石川県は小松市へ!
大阪からの鉄旅をご紹介します。
それでは!



「ひびき」甲板、変幻自在!