北陸地方から信州(長野県)を目指す鉄旅。
後半戦は新潟県・
糸魚川(いといがわ)から長野県の
松本まで、
県境と鉄道会社の垣根を越えて結ぶ、大糸線(おおいとせん)の旅!

短編成向け、切り欠き状となった4番ホームから
大糸線の
旅が始まります。
乗り込むのは
キハ120形気動車平成4(1992)年登場、
西日本エリアの非電化路線で
運用される国鉄型気動車の置き換え、ならびにサービス向上を目的として
製造されました。
運用線区に合わせてローカル色の濃い設計がなされており、
鉄道車両としては短めの15m車体、1両単位での運転や増結を企図した
両運転台構造、ワンマン運転仕様として予想し得る需要に対応しています。
現在では
JR西日本管轄の非電化路線に於ける
主力車両として
中国地方を中心とする各地で運用され、路線ごとのカラーリングは
バリエーション豊富です。

キハ120形車内。
車両前方に4人掛けのボックスシートが設置され、それ以外はロングシート。
トイレも設けられ、長時間の乗車にも対応しています。

沿線はまさに山岳路線。トンネルや勾配、カーブが次々と現れます。

わずかに
桜の残る場所もありました。

車窓を彩る急流が、深い山々を削ります。
糸魚川から1時間ほどで乗り継ぎ駅・
南小谷駅(みなみおたりえき)に到着!

ここで
大糸線の運転系統は二分され、
糸魚川までの山越え路線を
JR西日本が、
白馬村や大町市、安曇野市を経由して
松本駅へと至る高原路線を
JR東日本が受け持っています。
ここからは直流電化へと変わり、車両も気動車から電車へと変わります。
この先
松本までお世話になるのは
特急あずさ運転開始は昭和41(1966)年、ボンネット型の先頭車が特徴的な、
181系特急型電車が投入されました。
当初はわずか2往復での運転でしたが、時代が下るとともに
増発が繰り返され、急行列車を淘汰。
中央東線を代表する
看板列車となりました。
JR化後は使用車両の大幅なリニューアルとイメージアップが図られ、
平成5(1993)年には振り子式車両・
E351系(今年3月に引退)が登場。
同型式で運転される速達列車は「
スーパーあずさ」として区別されました。
平成13(2001)年には非振り子式のE257系が登場。国鉄特急車は臨時用と
なりました。
現在では東京・新宿~松本間で30分~1時間に1本間隔で運転されている他、
千葉駅始発の下り列車と
新宿駅行きの上り列車、
各1本ずつが大糸線へと乗り入れています。

「
あずさ」の使用車両は
E257系0番台平成13(2001)年、中央東線特急列車で運用されていた国鉄車両の
置き換えを目的として製造・投入されました。
車体構造は製造年代の近い交直両用車・
E653系や交流用車・
E751系をベースとし、9両の基本編成と
2両の付属編成によって、需要に応じた増結・解結を可能としました。
E351系や後継の
E353系と異なり振り子装置は
搭載されていませんが、
車両技術の進歩および車体の低重心化、
そして最高速度の向上により、旧型車からのスピードアップを実現しています。
ちなみにこの形式には貫通型と非貫通型、2通りの顔があるのですが、
その理由は後ほど。

乗降デッキは車体同様の白系でまとめられ、清潔感のある装い。
運転台真後ろのデッキからは、限定的ながらも運転室越しに
前面展望が楽しめます。
あずさ車内。
こちらも白やグレー系の色が多用され、荷棚付近の
ピンクや
座席のカラーリングがアクセントとなっています。

E257系座席。
暗色系のカラーリングに戦国大名・
武田氏の家紋・
武田菱を
モチーフとしたカラフルなマークが散りばめられ、ややビビットな装い。
90年代後半~2000年代前半の
JR東日本所有の
特急車両では標準装備、腰を落ち着ける座面を座席横のレバーで好きな位置へと
動かせる、
座面スライド機構も搭載されています。
これが良いんだな~

南小谷駅発車後しばらくは、
姫川の渓流と並走。

白馬村付近では、車窓右手に
白馬連峰が!
美しく冠雪した姿は、
驚きの白さ!じっくりと眺めたいところなのですが、付近は案外建物が多く、
あんまり良く見えない
白馬盆地や周辺の山々は、スキー場の宝庫。
走り抜ける列車からも、山を切り開いて伸びるゲレンデの様子が
分かります。

大町市へ抜ける峠道を進む間に、
お菓子タ~イム!取り出しましたるは、金沢銘菓・福うさぎに金箔を散りばめた、
金の福うさぎ金沢駅での待ち時間に購入。

中身はうさぎを型取ったお饅頭(なんだか食べづらいビジュアル)。
金箔を贅沢に散らした生地の中には、さつまいもや
金時芋を練り込んだあんが詰まっています。
ふんわり、しっとりとした口当たり。

おやつを楽しむ間に、次の見所がやって参りました。
大町市近郊、3つの湖が隣り合うようにして連なる、通称
仁科三湖と
呼ばれる湖群。
周囲はスキー場やキャンプ場、宿泊施設等が点在するリゾート地となっており、
ぐるりと取り囲む山々と織り成す景観が見事!
その中で白馬方面からの途上で最初に現れるのが、
青木湖仁科三湖でも
最大の湖で、周囲は6,650m、水深58m。
高い透明度を誇り、天気の良い日には
白馬連峰が映り込む事も
あるそう。
が、撮影ポイントを逃した事で、
残念な一枚に(汗)

続いては一番小さな、
中綱湖周囲2,200m、水深13m。大糸線車内から
一番撮りづらい湖。

最後に松本方にて水をたたえる
木崎湖周囲6,500m、水深764m。
近年はウィンドサーフィン、小型ヨット、カヌー、ボートといったウォータースポーツの
拠点として、あるいはアニメの舞台として注目を集めています。

ここ
木崎湖では線路は湖面ぎりぎりに敷設され、まるで水の上を進んでいるかのような
情景を味わえます。

大町市内からは、再び山並みを遠望。
ここから松本まではほぼ平坦な道のりとなります。
田植えの季節には、水田に
北アルプスの山々が鏡の様に映り、
とってもフォトジェニック!
梓橋駅付近で列車名の由来である
梓川を横断。
中流域で
犀川(さいかわ)と名を変える水流は
川中島で
千曲川(ちくまがわ)と合流し、日本最大の大河・
信濃川となって日本海へと至ります。
松本駅では、松本始発の短い増結編成が待機中。
ちなみに車両センター⇔
松本駅構内の入れ換えに特化した、
雑な造り(失礼)の簡易運転台が本線上で露出することは無く、
この顔が見られるのは
ここだけとなっています。
低速で進行と停止を繰り返しながらゆっくりと近づいた基本編成は、
増結編成の後部へと
連結それまで先頭に立っていた貫通型の顔は、扉の開放や運転台の閉鎖、
幌の接続の後、編成の一部となって埋もれてしまいます。

先頭車が変わり11両編成となった列車は、一路東京都内・
新宿を目指します。

約半年ぶりとなる、
松本駅しばらくはここが遠方への旅の出発点。
ようやく「赴任旅」の終着点が見えて参りました。
もうすぐ1ヶ月だよ・・・(汗)
ともかくも、後のネタも控えているので、早めに書き上げ・・・たい(笑)
次回はいよいよ「赴任旅行」も締めくくりの最終回!こちらも久しぶりとなる、
松本市内の散策。
馴染みのお店を巡る他、春を彩るイベントに遭遇!
その模様をお伝えいたします。
それでは!