溜まり行く「疲労」に蝕まれる皆の顔を見る度に、
休息という「ヒーロー」の登場を願う、西のノリです。
さて、去る19日日曜日、伸びて来た髪を整えんと
松本市街、通称「下界」へと下りた私。
理髪店を出てゆるりと歩いていると、何やら
賑やかな祭りの気配。
惹かれるままに近づいてみると、そこで行われていたのは
吹奏楽隊のパレード!折しもこの日は1月近くに渡って夏の松本を賑わせる、
世界的指揮者・
小澤征爾(おざわ せいじ)氏の名を冠した
音楽祭、
セイジ・オザワ 松本フェスティバルの
一イベント。
小学生から大学生までの学生団体と市民によるマーチングバンド等
55団体2700人が参加し、市内中心部から松本城へと至る1kmの
通りを封鎖しての
吹奏楽パレードと、
松本城本丸の広場で行われる参加団体による
野外演奏会の
真っ最中。
車両の通行を止めての音楽の行進を追い掛け、
楽し気な音色に誘われるままに、私も松本城へと向かいます。
(パレードの様子はあまり撮れなかったので、本文では掲載いたしません。
悪しからず)

野外演奏会の会場、町のシンボルにして観光の目玉である
松本城は、観光客とフェスティバルの観覧者が入り混じり、大層な人出。
人の流れを掻き分けながら、あるいは乗っかりながら、城の中心部へと
潜り込みます。

国宝・松本城天守と信濃の山並みは、今日も美しい!

本丸御殿跡の広場に出てみると、野外演奏のトリ、伊那市から
はるばるやって来た中学生たちによる演奏の真っ最中!

ディズニーの曲に合わせて変わるフォーメーションや、
暑さと闘いつつも懸命に音色を奏でる学生たちの姿に、拍手!
いや~、
若いっていいね

プログラムの最後は、参加団体のうちのべ
1700人が参加しての
合同演奏!
指揮台には国外から招かれた指揮者の方(名前は分からず・・・)が登壇し、
スタンバイ。

1曲目は
アメリカ海兵隊で音楽隊隊長を務めていたジョン・フィリップ・スーザ作曲の
行進曲、
星条旗よ永遠なれ超多人数により奏でられる勇壮なる音色が、松本の空に
轟きます。

視界を埋め尽くさんばかりの楽隊。観覧者の人垣もあって、
全てを見通すのは不可能
2曲目は長野県の県歌・
信濃の国信州の風土・情景・名所を唄い込んだ、時に重厚、時に軽やかな
旋律は、他県から来た私の胸にも何やら訴えかける物を
感じます。
近くに居たスタッフの方の綺麗な歌声にも、うっとり♪

演奏後は指揮者の先生を囲み、演奏者全員が寄り集まっての
記念撮影。
素敵な音楽時間を届けて下さった皆様、晴天の暑さの中、
お疲れさまでした!
楽の音色を聴き届けた後は、お昼ごはん。
やって来たのはスポーツ用品メーカー直営の野球用品専門店・
ミズノスクエアただし私の目当ては野球道具ではなく・・・

キッチン雑貨・食器等、キッチン用品を広く扱うお店・
THE DAY kitchen studioの一角に
先月23日にオープンしたばかりの
LOCAL食堂あなたの町の〝ごはん泥棒”な食堂カフェを
コンセプトに、定食には3種の小鉢が付き、ごはん・味噌汁無料、
11時~19時までの
どの時間でも定食メニューが食べられる、といった
サービスを展開。
提供される食器には、隣接する「THE DAY」にラインナップされている物が
使用されています。
おいしい食事を食べ、気に入った器があればそのまま隣で
購入!なんてことも可能。

清潔感あふれる白を基調とした店内。限られた空間にバランス良くテーブル席が、
店舗の奥にカウンター席が配置され、グループから(私のような)一人客まで
対応。
窓辺に設けられた棚には小物が並べられ、「オシャレ感」を演出。
画像左手の容器は麦茶で満たされ、
セルフサービスで
喉を潤すことが出来ます。

私が注文したのはタイ料理の
ガパオライスご飯には豚肉とともに目玉焼きとスパイシーなソースが乗っかり、
ピリ辛な味わい。
これにナス、イモ&コンニャク、キャベツがそれぞれ盛られた3つの小鉢、
味噌汁が付き、なかなかな充実ぶり!
デザインと実用性の高い食器たちにも、注目!

新発見の店舗その2。中町の駐車場に面した細い通りに店を構える
コーヒー&チョコレート専門店、
&S(アンドエス)
今年2月オープン、シンプルにしてスタイリッシュな店内には
立食スタイルでカウンターが置かれ、
オリジナルブレンドや世界各国の豆を用いたコーヒー、店舗2階に併設された工房で
造られたチョコレートをふんだんに用いたドリンクを
味わうことが出来ます。
標榜するスタイルはカカオ豆の仕入れから焙煎・粉砕、
加工までの全ての作業を単一の工房内で行う
Bean to Bar
通りに面したカウンターで、こちらの2品を頂く。
左の
自家焙煎コーヒーは、「お茶か!?」と思うほどに
あっさり&さっぱりとした口当たりで、非コーヒー派でも
抵抗なく飲めそうなテイスト。
一方の
チョコレートアイスはコーヒーとは対照的な、
濃厚かつビターな、「大人のスイーツ」。

さらに続けて初訪問となるスポットへ。
中町通り沿い、「蔵シック館」の近くに所在する
端唄 芸遊館(げいゆうかん)
三味線の先生が自宅の一部を
改装して板の間とした
趣味的空間では、日曜・祝日限定(予約すれば平日も可)、13時30分~と15時~の
1日2回、30分間江戸の空気を味わえる
三味線と唄の演奏を
実施中。
お値段はお茶菓子付きで
¥700テレビ・新聞の取材を受けた他、フランスの旅行雑誌・
ミシュラングリーンガイドブックに掲載され外国人観光客も訪れる等、隠れた
注目スポット!
こちらが入口。受付で入館料を支払い、中へ。
残念ながら内部、および演奏の模様は
撮影禁止のため、
ここからは文章でのご紹介。
演目は小休憩を挟んでの二部制。
三味線の演目には唄や各種楽器との分業によって長い曲をこなす
長唄と、短い曲で三味線の演奏と唄を同時に行う
端唄(はうた)の二種が有りますが、ここで披露されるのは
後者先生自ら撥(ばち)を手に三味線を掻き鳴らし、細くも朗々たる歌声を
響かせます。
前半は商家を取り仕切る大旦那(おおだんな)が上の空、心そぞろに
遊郭へと遊びに出掛ける様子を描いた
深川あれよこれよと欲しがる男の浮気性を捉えた
梅は咲いたか
柳立ち並ぶ川辺の光景に、人ならざる物の影を感じさせる
青柳松本市の象徴、空に聳える松本城天守の守護神・
二十六夜神(にじゅうろくやしん)に
まつわる逸話を唄い上げた芸游館オリジナル曲・
松本城伝説等の
曲目を、一曲ごとの解説付きで聴くことが出来ます。
小休憩にお茶と松本市内の菓子舗で造られた酒饅頭を味わってから、後半へ。
こちらは前半とはテイストが変わり、遊郭でのお座敷遊びで唄われた
軽妙なる
奴さん・
かっぽれといった曲を
時に手拍子付きで楽しみ、現代曲(美空ひばりさんの曲、という私には馴染みの無い
ものでしたが)の後は先生によるお手本をなぞりつつ、
一番と二番で通いつ通われつの男女の心理を描いた
ストトン節を、
まさかの
独唱(先生がうまく伴奏でリードして下さるので、
ご安心を)。
最後は芸游館そのものを唄ったオリジナル曲・由緒の
どんどん節を
聴いて〆。
軽やかにして繊細な三味線の音色と、それに合わせた唄の数々を存分に
楽しむことが出来ました。
思わぬ遭遇から生まれた、音に浸った一日。
新発見のお店にも立ち寄ることが出来、大満足の休日となりました!
音を楽しむ、と書いて「音楽」と申しますが、演奏者と観客が共に楽しむ
一体感こそ、真に音の世界へと踏み入る極意でございましょう。
次回は・・・同じ職場の異なる部署で働く友人のドライブで、
長野県北部・飯山市近辺へと向かう予定。
乞うご期待!

パレードの周りを、虹色のシャボン玉が音と共に、フワフワ、ゆらゆら。