瀑布を目指して
- 2018/11/07
- 17:59


今月2日、お休みを頂いて霜白き上高地を抜け出して
向かったのは・・・

上高地から、バスで県境と険しい山塊を貫く二つのトンネルを抜けた先。
福地温泉(ふくじおんせん)、新平湯温泉、栃尾温泉(とちおおんせん)、
新穂高温泉と共に奥飛騨温泉郷の一角を成す、
平湯温泉(ひらゆおんせん)
長野県松本から岐阜県高山へと抜ける交通路に面し、
飛騨山脈周辺に点在する観光地へのアクセスも良好な、
交通の要所でもあります。
活火山である乗鞍岳や焼岳(やけだけ)に端を発する源泉からの
湧出量は毎分8,600ℓ、一日1200万ℓ
これは一般家庭で使用する湯量の約130年分に当たるそう。
この豊富な湯量、そして多彩にして効能あらたかな良泉を求め、
中世の昔から現在に至るまで多くの人々が湯治に訪れており、
玄関口となるバスターミナルを起点に、土産物屋や
飲食店、20軒を超す温泉宿が情緒有る温泉街を形成しています。
面白いのが開湯に関わる伝説。
「その昔飛騨侵攻を試みた武田軍が付近の峠を踏み越えんと
した折、疲労と硫黄の毒霧によって倒れる者が相次いだ。
這う這うの体で平湯まで辿り着いたところ、一匹の老いた白猿が現れ、
軍団を温泉にまで導いた。
皆でその湯に浸かったところ、みるみるうちに身体が回復した。
その話が方々に広がり、多くの人が訪れるようになった」そうな。
こういった説話は各地の温泉地で見られるものですが、
どこか超自然的なあらましからは、自然の恵みへの人々の
感謝と敬意が感じられます。

湯治の前に、ちょっと散策。
土産物店や入浴施設を併設するバスターミナル内の複合施設、
アルプス街道 平湯からスタートし、
温泉街の外へと向かいます。

歩道の途上から振り返れば、温泉街越しに銀雪戴く
飛騨山脈の山並み。

バスターミナルから徒歩10分ほど。交差点の向こう、
車両行き交う道路の端に、目的地へと続く散策路への入口が現れました。
ここから多少トレッキング感覚で、木立の向こうを目指します。

散策路に入ってスグ、傾斜地を利用して設けられたウインタースポーツの拠点、
平湯温泉スキー場が広がります。
青々とした芝生が続くゲレンデは、現在オフシーズン
冬季の営業に備え、山腹へとスキー客を運ぶリフトのメンテナンスが
行われておりました。ここが賑わうのも、もう少し先のこと。

この先の目的地に端を発し、すこし下ったところで平湯川となる
滝谷を横目に進行。
傾斜がきつく、水流激しい滝谷には土砂や岩石の
流出を防ぐ砂防えん堤が設けられ、
流域の災害防止に一役買っています。

滝谷をまたぎ、他の遊歩道との分岐点となるかもしか橋

橋からの眺めは、こんな感じ。
平湯温泉周辺の紅葉の見ごろは、10月中
もう少し早く訪れていれば、燃え立つような渓谷の
色彩美を堪能出来たでしょうか。

落葉積み上がる道を、のんびり歩きます。

駐車場跡から少し進んだところから、目当てのものが見えて参りました!

さらに狭まり行く道を抜け、もっと近づいてみましょう。

平湯温泉街から徒歩30分ほど。目指す平湯大滝に到着!

日本の滝百選にも選ばれた名瀑は、
高さ約64m、幅約6m
この付近の地質は、約3億年前の古生代に海底に堆積した
砂や泥が固まって出来た堆積岩によって形成されており、
その上に約1~2万年前の火山活動によって噴出した安山岩
(あんざんがん、溶岩の一種)が載っています。
その安山岩の先端がちょうどこの場所に当たり、その隙間からこうして
水が噴き出している、そうな。

撮影中、滝の上部から差し込んだ光が断崖とそこに生えた
植物を照らす、幻想的な光景に遭遇。
轟然たる音と水しぶきを上げる滝と合わさると、何だか
神々しい雰囲気。

滝鑑賞を終え、散策路の入口へと戻って参りました。
温泉街を取り巻く山々には、まだ赤がちらほら。
周囲を山に囲まれた温泉街は、その外にも見所がいっぱい!
自然の風景に癒され、残る期間を乗り切る活力を充填出来ました!
次回は温泉街へ。
その途上にある「飛騨グルメ」を楽しめるお店と、広くて
種類豊富なお湯に満たされる温泉施設で和みの時を過ごします。
それでは!

温泉街へと戻る途中、平湯温泉スキー場のゲレンデに、
何やらうごめく一団を発見。

遭遇しましたるは、放牧されてのんびりと草を食む羊の群れ!

人が近くにいてもお構いなしで・・・

夢中で草を食べています。ああ・・・和む
ちなみにこの羊たち、スキーシーズンになると
隣接する飲食店で提供される運命にあるとか。悲しい