今回は三朝温泉パートⅢ!
身体に優しい良質の温泉をより楽しむため、温泉宿で一泊!
という訳でやって来たのは・・・

三朝橋の近く、観光案内所や公衆浴場を有する温泉広場や
バス停に隣接した好立地に門を構える、
後楽昭和29(1954)年の開業以来、半世紀を超える時を刻む
観光旅館館内は土産物コーナーを併設したロビーに始まり
松風館、有隣館、竹林館の3棟の客室棟に中庭まで
備え、とっても広々!
露天風呂付き大浴場は、もちろん
天然ラジウム泉!敷地の入り口、そしてシンボルとなっている
長屋門は、
鳥取県因幡地方の旧家から移築されたもの。
総けやき造りの建物は旅館の入り口として
アレンジされ、ここ「後楽」の自慢の一つとなっています。
チェックイン手続きの後、そのままお部屋へご案内。
この日泊まるのは、スタンダードな客室構成の
竹林館宿泊プラン次第ですが、リーズナブルなお値段で
快適なステイと三朝の天然温泉が楽しめます!

扉横のガラス細工が素敵な玄関からお邪魔して・・・

じゃじゃん!こちらが
竹林館客室広さ
8帖、隅々まで清掃の行き届いたお部屋には、
中庭を望む縁側と、バス・トイレ・洗面所を個別に
完備!必要な備品も一通り揃っており、快適な滞在が約束されています。
ちなみに「後楽」の客室は、上のグレードにある「松風館」、「有隣館」含め
全室和室となっています。

床の間。テレビにポット、茶器、電話機、ティッシュと、備品が分かりやすく、
かつコンパクトにまとめられています。冷蔵庫やグラス類は縁側に設置。

窓からの眺め。この中庭を囲むように各施設が配置されています。
さて、落ち着いたところで、改めて館内探検!

まずは竹林館入口。
ロビーから左へ進んだ先に、客室棟への入口が有ります。
その横には大きな竹のオブジェ。
そして廊下にも名前通りに竹が並べられています。

通路から中庭を眺める。
落ち葉を戴く東屋と、目に鮮やかな
赤橋がシンボル。

ロビー。丸みを帯びたシャンデリアの下に、ぶ厚い革張りのソファが並びます。
落ち着いた佇まいの中にしっかりした造りの柱や
張り巡らされた梁が並びますが、これは鳥取平野に居住していた
豪農より
譲り受けたもの。
これを長屋門ともども旅館の建物として再設計したのが
大正から昭和に掛けて活躍した建築家、
堀口捨己(ほりぐち すてみ)氏。
建築史や茶室・数奇屋造りといった日本古来の建築技法の研究、
また短歌に至るまで幅広い活動を成した
建築界の大家東京帝国大学(現・東京大学)卒業後にヨーロッパ美術界に於ける
運動に触発されて
分離派建築会を立ち上げ、
旧来の建築技法と建築に対する工学的・科学的アプローチからの分離を図り、
モダニズムを志向。
戦中、数奇屋造りや茶室の研究に没頭する中で
それらが持つ合理性や特質を理解。
戦後は日本の伝統建築と近代建築の融合を目指し
多くの作品を手掛けました。
そんな堀口氏は昭和26(1951)年に
「後楽」の創業者より設計の依頼を受け、開業翌年の昭和30(1955)年、
5年の歳月を掛けて初期の建物を完成させました。
戦後から間もなく、伝統建築の中に西洋、そして近代のエッセンスも取り込んだ
作品は、今も変わることなく宿泊客を迎え入れています。
(後楽公式サイト、およびコトバンク参照)

ロビーの一角には、鳥取県の名産品やお菓子等が並ぶ
お土産コーナーも完備!

さて、夜散歩の後は
温泉だ!
大浴場入口。
内部は洗い場の他内湯一つ、露天風呂二つの構成。
内湯と片側の露天風呂は
温めで、長湯にピッタリ。
もう一方の露天風呂は昼間に体感したような、
熱めの湯温。
そちらが温度調節も特に無い、本来のお湯なのでしょうか。
あつあつのお湯にどっぷり浸かると、三朝の湯独特の
指先から温泉成分が沁み込む感覚。
ああ~
身体が溶けてしまいそうだ微量の放射線を含む三朝のラジウム泉に免疫力と自然治癒力を
高める効果が有ることは既出の通りですが、他にも
三朝温泉のお湯には高血圧、アトピー、湿疹、リウマチ・神経病に
効能有り、とのこと。

お風呂上りは、
お酒タ~イム!昼間藤井酒造で購入し、冷蔵庫で冷やしておいた
三朝正宗上撰原酒店頭にも並んでいた、電球型の酒瓶です。
商品名に入っている呼称ですが、
上撰とは
かつて酒税徴収のために設けられた級別制度の名残で、
特級・一級・二級のうち
一級相当の呼び名、
そして
原酒はお酒を絞ったまま、
アルコール度数や香り、風味を調整するための
加水を一切
行っていない品種。(KURAND SAKE MARKET参照)
口に付けてみると、なるほど濃厚な口当たりとあっという間に
アルコール(度数20%)とお酒の風味が広まる感覚がありながら、辛すぎず、
甘くも無いという程よい塩梅でありました。
つまみにコンビにで買った温泉卵と共に、完飲!

一夜明け、朝食はロビー右手の有隣館にて。
卓上には地産品を始めバランスの良い食材がずらり!
ニシンにアカモク(海藻)、ウニで和えた甘エビ、
ご飯のお供にピッタリなカツオのふりかけ・・・等々。

お料理の横に並べられているのは、三朝町
神倉集落(かんのくらしゅうらく)にて
育った大豆、
三朝神倉大豆と
三朝の天然水を
用いて作られた豆乳、
神のしずく神倉集落では古くから大豆作りが行われて来たそうですが、
近年神倉産の大豆にたんぱく質、糖類、イソフラボンが
多量に含まれていることが判明、
平成23(2011)年に品種登録を受けました。

席に着いて間もなく、宿の方がご飯と味噌汁を運んで来て
くれました。
ご飯には
三朝産コシヒカリを使用し、
地域色をアピール。

しばらく経ってからお鍋を開けてみると、中から
湯豆腐登場!あっさり出汁に浸かっているのは
神倉大豆で作った豆腐、
一緒に入っているのは、湖畔の温泉地で知られる
東郷湖で採れた
しじみチェックインから滞在、温泉、そして朝食と心行くまで堪能した
「後楽」滞在。
チェックアウト後は前日予約しておいた
送迎サービスにて
従業員さんドライブの元、
倉吉駅まで
送って頂きました。
深々と、そしてたっぷり時間を使った従業員さんのお辞儀に、
「ここに泊まってよかった」と、心から思った私でした。
(次に泊まる機会あらば、女将さん?おススメの
晩ごはんも頂きたい!)
次回からは倉吉・三朝地域を離れ、海辺の町・琴浦町へ!
漁師町の名残りを留める町並みと巨大にして大迫力の
彫刻が見事な神社、波に洗われた石が「コロコロ」と
音を立てる不思議な浜辺を歩きます。
それでは!