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和洋の香りを感じて

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山陰入り7日目。ついに・・・
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最終日の夜が明けました。
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この日は昼過ぎに松江を発つこととなりますが、
それまでの名残を惜しみつつ、町中散策。
赴いたのは昨夜ご飯を食べに出掛けた「京店商店街」の近く、
レトロな洋館や趣有る専門店が軒を連ねる京橋川(きょうばしがわ)沿い。
「水都・松江」を感じさせる一帯を、巡って参ります。
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まずやって来たのは、京橋川を正面に望み、水流や遊覧船、
周囲の建築物と美しい調和を見せる、カラコロ工房
平成12(2000)年に開館した匠の館では
お土産や住まいを飾るのにピッタリのアクセサリー、小物、アートの他、
お茶処・松江らしいお菓子作り等、
体験メニューが充実。
もちろん自らの手で製作した物だけでなく、「匠たち」が生み出した
作品の鑑賞・購入も可能です。

名前の由来は明治時代、小泉八雲お気に入りであった、近傍に架かる
松江大橋(当時は木橋であった)から聴こえる
「カラコロ」と響く下駄の音から。
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まるで西洋の神殿建築のような列柱が立ち並ぶ外観。
建物は昭和13(1938)年、2代目日本銀行松江支店として
建築家・長野宇平治(ながの うへいじ)氏設計の下で
設計・建築が行われました。
以来松江の町にて「銀行の銀行」として地域の発展・安定に寄与していましたが、
昭和56(1981)年に移転の上3代目となる支店が開業。
この建物はその使命を終えることとなりました。

閉店後、県の管理下となっていた旧日銀松江支店ですが、
昭和63(1988)年に島根県が発表した「県庁周辺整備基本構想」の下、
旧日銀庁舎を解体・撤去し、島根県庁の分庁舎を建てる
という計画が持ち上がります。

このまま歴史と情緒ある建物を取り壊してしまうのは忍びない・・・
そんな思いを抱いた市民有志により同年12月に
旧日本銀行松江支店ビルを語る会が結成され、
保存運動がスタート。翌年には県に保存の要望書が提出されました。

その後の運動の甲斐あって、平成8(1996)年には建物の所有権が
県から松江市へと移管され、改修・再利用計画がスタート。
平成12(2000)年4月に「カラコロ工房」として再出発の日を迎え、
こうして周囲の景観に溶け込んだ洋風建築は、今も広く
来館者を迎え入れています。(カラコロ工房公式サイトより)
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内部は2階分を用いた、開放的な吹き抜け構造。
1階ロビーには各種施設のための仕切りが在りますが、
柱や照明、天井、自然光を採り入れる格子窓に、
往時の面影を窺うことが出来ます。
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かつてここが「銀行」として使われていたことを雄弁に物語る、窓口
カウンターに嵌め込まれた頑丈な鉄柵は、古い銀行建築特有のもの。
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2階部分には、工芸品の購入や製作体験が楽しめるお店が、
かつての部屋や区画を再利用する形で設けられています。
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細かな装飾がきらめく灯火類も、建築当時のままだとか。
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地下一階にはこちらも銀行の名残を色濃く残す、金庫室
分厚く大きな鉄扉は厚さ60cm、重さは扉部分だけでも
約3t~5tに及びます。
顧客にとっての財産を預かる最も重要な場所。
この扉が閉め切られていたであろう当時は、ここがまさに
安易に人を寄せ付けない要塞であったことでしょう。
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広いスペースが確保された金庫室は、今は個展やイベントを開催する
ギャラリーとして再利用されています。
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「鉄の要塞」の入り口横に、なんと札束・・・いや札山を発見!
無論これは本物では無くレプリカ
その総量、現金1億円分
おもさ約10kgにも達するこの札山を持ち上げることで、
1億円分の重みを体感してもらおう、という仕掛け。
実際持ってみると・・・やはり重い
ずっしりと両腕に圧し掛かる重みに、「貨幣の重さ」を再認識する心地。

ちなみに1億円で買える身近な物は・・・
・うまい棒 1000万本
・ショートケーキ 約33万3333個
・松江城天守に登れる回数 約17万8500回
・東京ディズ○ーランド1デイパス 約1万3500日分
・任○堂3DS 約5000台
・東京ヘリコプター観光フライト 約2380周
・ディズ○ーロイヤルドリームウェディング 約13回
だそうです。こんなに要らん
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「カラコロ工房」の楽しみは、屋外にも。
松江の風が吹き抜けるテントの下に広がる、ガーデンテラス
ウッディな休憩スペースを囲む様にパワーストーン販売店や
雑貨屋、カフェが設けられており、ここで思い々々の時間を
過ごす事が出来ます。
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ここ「ガーデンテラス」には、注目ポイントが他にも。
まずはこちら、願いの泉
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泉の中には、色とりどりの石が沈められています。
石にはそれぞれ
恋愛の石(紅水晶)
学問の石(ソーダライト)
・健康の石(めのう)
金運の石(タイガーアイ)
万能の石(水晶)
といった意味とそれに応じた石が館内インフォメーションセンターに
用意されています。
1つは願いを込めて泉に沈め、もう1つを手元に置いておけば、
願いが叶う・・・かも?
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もうひとつの「ハッピーアイテム」がこちら、ピンクの幸運のポスト
平成22(2010)年に先日取り上げた松江城内の興雲閣(こううんかく)より
引っ越して来たというこのポスト、
一緒に写真を撮ると幸せになるらしい、とか
このポストから大切な人へ手紙を送ると、送った相手にも
幸運が運ばれるという話があるそうな。

男一人で記念撮影しても面白みが無いので
しばし観察しておりますと、
ポストを隣に記念撮影する女性の姿がちらほら。
近隣の縁結びの神社に在った(12月11日記事参照)にも似た情景。
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「カラコロ工房」を出ると、路地を挟んだお隣にこれまた味の有る洋風建築を発見。
ここはごうぎんカラコロ美術館
大正15(1926)年築、山陰合同銀行北支店として
利用されていた建物で、
平成21(2009)年に移転新築に伴い閉鎖となった
価値有る建築物を、整備の後平成24(2012)年に美術館としてオープン。

大正モダンを感じられる銀行建築の名残を留めつつ、市民や観光客の憩いの場として、
気軽に美術鑑賞を楽しめる場所として再生されました。

館内は残念ながら撮影禁止(入り口で警備員さんが目を光らせています)
となっていますので、
ここから先は文章でざっと概要を説明して参ります。
入館してスグの1階部分は、山陰合同銀行で所蔵されていた
日本人画家の作品群を壁面に沿って展示。

中でも「傑作」と言い得るのは美術館会館の折に
洋画家・絹谷幸二(きぬたに こうじ)氏より寄贈された
日月双龍飛翔
1階ホール奥に掲げられた一際目を引く作品には、
身をくねらせながら対峙する一対の
その後背には眩く輝く「太陽」と密やかに煌く「月」が描かれ、
周囲には神話の一場面が描かれています。

迫力満点の双龍と対極的な日月、そして出雲を形作った
神々を構図の中に取り込んだ、まさに大作
1階では「カラコロ工房」同様、かつての銀行建築ならでは、
がっちりしつつもより開放的なカウンター。
壁面や天井、休憩スペースとなっている床にもかつての
名残がそのまま保たれており、作品と併せて必見

2階には版画家・平塚運一(ひらつか うんいち)氏の
作品や、彼と関わり有る芸術家たちの作が展示されています。
「戸倉・上山田温泉」で取り上げた(7月記事参照)、
竹久夢二(たけひさ ゆめじ)による美人画も発見!
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レトロな石造りの橋・京橋を渡って、対岸へ。
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橋の袂には、城のお堀や周辺の河川をぐるっと周る堀川遊覧船の、
カラコロ広場乗船場が設けられています。
ここから舟に揺られ、水の上から松江の街を眺めてみるのも一興。
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川沿いの通りには、喫茶店や菓子舗、お酒の販売店等、
多様なお店が並んでいます。
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創業明治23(1890)年、120年を越える歴史を持つ老舗菓子舗・
風流堂京橋支店
江戸時代には回船業、明治になって各地より菓子職人を集めて
創業したお店で、目玉となるのは日本三大銘菓とも
称されれる「不昧好み」の白の落雁・山川と、
2代目によって開発された、皮むき餡と自然薯を薄皮で包んだ饅頭・
朝汐(あさしお)

今回は前回記事でもご紹介した「不昧公」好みの銘菓・若草をお土産に、
そしてこの店オリジナル銘菓・「堀川めぐり」を車中のおやつに購入。
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風流堂のお隣、いたもと酒店
県内各地で醸された銘酒の他、県外から取り寄せた銘柄も
取り揃えた酒屋さん。
ここで帰宅後に飲むお酒を見繕う。

お店の横には好みの銘柄を立ち飲みで楽しめる、タチキュウ
併設されています。
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お昼を食べに立ち寄ったのは、甘味屋さんの横に遠慮気味に
店を構える地産料理 あお山
店名通り地元産の野菜や山陰沖で獲れた鮮魚にこだわり、
地元の方には「地元の食材を堪能」してもらい、観光客には
「山陰の食材や味を堪能」して頂くことを目指す、
プロフェッショナルなお店。
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メインの前に、まずは一品。
紅葉形の飾りが添えられ、盛り付けも美しい一品は、
山陰を代表する海産物・白イカ

その正体は本州中部以南から南洋に掛けて生息する、ケンサキイカ
初夏から晩秋に掛けて漁火(いさりび)の下一本釣りにて釣り上げられた
一品は、程よい食べ応えを感じる弾力と、身から染み出す
甘みが心地よい、評判通りの味でした。う~ん、満足
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こちらがメインとして注文した鶏せいろうどん
写真右下に見えるおつゆに各種野菜とともに漬かっているのは、
またまた登場となる大山鶏。もうどハマリしております。

このつゆにほどほどの喉ごしの麺を潜らせて頂く。
私お気に入りの大山鶏の身は、鉄板焼きとは異なり
あっさり風味。
出汁の効いた茶碗蒸しも、さすがの味わい。
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食後にはコーヒーとデザートも付いて来ました。
一品料理とメインと合わせ、大満足

さて、一週間の旅路を一月以上に渡って(汗)まとめて参った
山陰紀行も、ついに次で最終回!
引退へのカウントダウンが始まった、「最後の」国鉄スタイルを残す
特急車両で、山陽地方・岡山までの鉄路を辿ります。
それでは!
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多種多様な色合いのパワーストーンが、なまこ壁の通りを彩る。

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プロフィール

詞-Nori-

Author:詞-Nori-
旅行系ブロガー。
趣味は旅行、町歩き、食べ歩き、
鉄道等々。

目下地元・福岡県に戻り、
次なる行動に向けて準備中。