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冬山、福巡り。

鶴見岳散策パート2!
今回は標高1,375mの頂上を目指しつつ、途中に控える
見どころも巡ってまいります。
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山頂を目指す前に、まずは山の神様にごあいさつ。
別府ロープウェイ・鶴見山上駅のすぐ近く、
雪の中で鳥居のがより一層映える、
鶴見山上権現一宮

おそらくは山岳信仰の流れでここ鶴見山上にお社が構えられたの
でしょうが、由緒書も解説も見当たらず
ひとまず道中(といっても少し登るだけですが)の安全を
祈っておく。
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小さな祠の隣、カエルの形をしたわくど石
わくどとは、九州地方の方言でカエルのこと。
某ハンバーガーチェーンとは無関係

で、なぜこの山上に「わくど」を象った石が祀られているのか。
その逸話は以下の通り。
「昔、鶴見岳山上に大きな「わくど」が棲んでいた。この「わくど」は
時折麓の村に下りては、山や森、田畑を荒らすので、
村人は大層困っていた。
そこである日村人たちは集まって、鶴見岳の神である
権現様にお願いをした。
これを聞き届けた権現様はわくどを呼び、「悪さをやめ、三日三晩のうちに
麓の石百個を鶴見山上に持ち運び、山上一帯を御神域と成せば
私の眷属(神に仕え、使役される動物)にしてやろう。」と仰せになった。
これを聞いたわくどは喜び、約束通り石を山上へと持ち上げ、
御神域を作り上げた。」というもの。(「わくど石」由緒書より)

こうして「わくど」が運んだものが、山上一帯に散在する巨石群だと
されています。

ちなみに眷属としての役目を権現様に問われた「わくど」は、
「知恵と力を用いて石を運び上げたので、脳(知恵)と命(健康・長寿・活力)の
お使いをしたい」と願い出た。

以来鶴見岳脳の権現、あるいは命の神として、
別府の地を見守り、人々の崇敬を集めています。
この石は、神の使いとなった「わくど」の、いわば現身(うつしみ)
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鶴見岳山上には、「鶴見山上権現一宮」を「一番」として、
山頂まで12番の札所(ふだしょ)が設けられています。
岩の上に厳然とした佇まいを現すのは、札所4番・身代わり不動
厄除のご利益を持つ、お不動さま。

山頂までこれらの札所を巡るのもまた良いものではありましょうが、
全て回っていると時間が足りなさそうなので、今回はパス
その代わり、今回は遊歩道沿いに置かれたとある
神々の像を拝みながら進むこととします。
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それがこちら!七福神
福の神々として民間信仰でお馴染み、7柱の神を象った
石像が、山頂に掛けて方々に配されています。
という訳で、登るついでに福巡りと参りましょう。

まず七福神第一番、左手に宝珠を、右手に巻物を巻き付けた杖を携え、
髭を蓄えた老人・福禄寿(ふくろくじゅ)
幸福・財産・長命の神様であり、その齢じつにに及ぶとか。
南極の星の化身という、ロマンチックな出自の持ち主。
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福禄寿像の近くには、別府方面展望台が設けられています。
階段を上がった先、円形の見晴らし台からは、別府市街はもちろん、
大分市や日出町(ひじまち)、佐賀関、海の向こうには四国や
遠く本州までも見渡せる絶景ポイント!らしいのですが・・・
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にわかに湧き出た雲により、ご覧の有様
肝心の下界の眺めが全く見えません。残念。
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しかしながら、悪いことばかりでも無いようで。
後方へ目を転じてみれば、鶴見山上駅や山の稜線が、
まるで雲の上に浮かんでいるかの様な光景を目にすることが出来ました。
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展望台の周りは、雪の中。
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七福神第二番、右手に打ち出の小槌、左手には大きな袋を携え、
足で米俵を踏みつけて呵呵大笑、といった風情の大黒天(だいこくてん)

その由来はヒンドゥー教の神・シヴァ神(調べてみると、
全然違う風貌と出で立ちに、ビックリ!)
仏教に取り込まれて崇拝の対象となった異教の神は、神仏習合によって
大国主命(オオクニヌシノミコト、出雲大社の主神)と
一体とされたそう。
ご利益は商売繫盛・良縁
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七福神三番、右手に扇、背中に掛けて大きな袋を背負い、
眩しい笑顔と大きなお腹が目を引く、布袋尊(ほていそん)
弥勒菩薩の化身とされ、常に笑顔を絶やさず、
信心篤き人々に袋の中の宝物を分け与えたという、まさに福徳の神。

見た目の通りの柔和さと、円満を司る神様。
神前にお供え(?)された雪だるまも、ニッコリ!
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雪に覆われた坂道を、手すりを頼りに進みます。
厄介なのは人に踏み固められた場所で、厚みの無い
足場の上は、ツルツル。
滑ったりコケたりしながら(笑)、汗を掻きつつ登ります。
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七福神第四番、右手に巻物を巻いた杖、左手には団扇を持って、
どことなく福禄寿にも似た立ち姿の寿老人(じゅろうじん)

それもそのはず、この寿老人もまた星の化身であるそう。
福徳・長命の神。
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雪を被った木々。
ここ鶴見岳では氷点下まで過冷却された霧が
樹木等に吹き付けられ、氷となる現象・霧氷(むひょう)が
見られるそう。

標高の高いこの山ならでは、九州でも珍しい景観だそうで、
3月下旬まで雪中に咲く花の様な美しい光景が楽しめる、とのこと。
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七福神第五番、両手で大きな鯛を抱えた恵比寿天(えびすてん)
七福神中唯一、日本古来の神様

「国生みの神」、イザナギ・イザナミの第3子として生まれたものの
3歳となっても歩くことが出来ず、そのため船に載せられて流され、
漂着した浜の住人に助けられて祀られたという、
実は悲しき出自の持ち主。

との関わりから、漁業・商売繫盛にご利益があり、
漁を生業とする人々からの崇敬篤い神様。
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恵比寿天の辺り、ベンチが置かれている場所からは、九重方面を
見通すことが出来る・・・はずなのですが、相も変わらず広がる分厚い雲
晴天にしてこの様相。山は気まぐれ。
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七福神第六番、琵琶を奏でる七福神の紅一点、弁財天(べんざいてん)
元はヒンドゥー教の水の神・サラヴァスティー
日本に於いてはこちらもヒンドゥー教由来の仏教の守護神・吉祥天(きっしょうてん)等の
要素も取り込んでいます。

学問・技芸(芸能)・金運の神として各地に社が建つ、
一芸を持つ人の味方。
文を成す者として、懇ろにお参り。

七福神最後の一柱にお参りする道中、思わず息を呑む光景が現れました。
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草木の狭間、開けた視界に飛び込んだ、
雪を戴く由布岳(ゆふだけ、標高1,583m)の姿!
豊後富士(ぶんごふじ)の異名を取る由布市のシンボルであり、
別府市街からも鶴見岳越しに美麗な姿を見せる名峰。
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頂部が二つに分かれているのが特徴の山ですが、この角度からだと頂が一体となって
見えています。なんかこの見え方のほうがいいかも♪
山麓は由布院温泉を擁する由布市となっており、
そちらからの眺めも見事!の一言。
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神々しい由布岳を拝み、七福神巡りも最後の第七番へ。
荒々しい憤怒の相で左手に宝玉、右手に三叉戟(さんさげき、
先端が3つに分かれた槍)を携えた、毘沙門天(びしゃもんてん)

七福神唯一の武神で、
又の名を仏法の守護者である四天王の一柱・多聞天(たもんてん)
そのルーツとなるのはインド神話に於ける北方の守護神・ヴァイシュラヴァナ
足下に「仏敵」となる鬼を踏みつけている筈なのですが、
草と雪でよく見えない

健康と破邪のご利益の他、子供の守り神でもあるそう。

無事七福神巡りを終え、ついに到達しました・・・
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標高1,375m、鶴見岳山頂!
はるばる麓から登って来たわけではありませんが、それでも雪道を苦心して
踏破した喜びは、ひとしお。
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登り切ったご褒美!
遠方は雲に遮られてしまっていますが、眼下に別府市街と別府湾
見渡せる、絶好のロケーション!

左手には荒涼たる火山帯の山肌が広がり、
地球の息吹、そのスケールの大きさが窺えます。
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雪道と格闘し、やって来た甲斐が有るというもの!
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山頂からは、角度を変えた由布岳の姿も見えています。

無事頂上に辿り着き、ほっと一息。
景色を楽しみ、また地獄の雪道へと踏み出します(汗)
次回は山を下り、別府の街へ。
やはり欠かせぬ温泉、そして新鮮な海の幸が、私を待つ!
それでは!
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3人仲良し、雪だるま。

コメント

No title

こんばんは!

山頂前に鳥居や銅像があると縁起がいいというか無事に帰ってこれそうな感じがして、いいですね(^J^)

お賽銭箱があるのもリアルですね(笑)

山から見渡す景色は良いですね、達成感も伝わってきます(*^^*)

最後の雪だるまに癒されました(*´ω`*)

No title

こんばんは!
このような山の中に宗教色の有る施設が
存在しているのは、古来よりの山岳信仰に
加えて、登山からの無事な帰着を祈った部分も
有るかも知れませんね。

由布岳に九重の眺め、別府市街や別府湾を
取り巻く風景。すばらしい眺めでございました
(^-^)
誰が作ったか、こんな大小いろんな雪だるまが
いました(笑)

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プロフィール

詞-Nori-

Author:詞-Nori-
旅行系ブロガー。
趣味は旅行、町歩き、食べ歩き、
鉄道等々。

目下地元・福岡県に戻り、
次なる行動に向けて準備中。