門司港ナイトウォーク
- 2019/03/24
- 15:01
30年に亘って続いた「平成」の世も、まもなくピリオド。
「新元号狂騒曲」が世間をざわつかせるこの頃ですが、
次なる「時代」がどのような名を頂戴するのか
事の成り行きを見守りつつ、変わらず日々の記録を
綴ります。
美しい街並みと港町の情緒が魅力的な門司港レトロ。
昼は建物や人の営みが奏でる色合いが美しい訳ですが、
夜になればまた違った顔を見せてくれます。
今回はそんな夜の門司港を散策!光に浮かぶレトロな海辺を歩きます。

すっかり陽も落ちて街が静けさに包まれる頃、
ファインダーに「光のレトロ」を捉えるべく、再出撃。

「グランドオープン」から一夜、駅前広場には
もはや仮設ステージや出店の姿はありませんが、
一時の喧騒から離れた門司港駅舎は、
ハレの日にも増した堂々たる佇まい。

昼間訪れた「旧門司三井倶楽部」。
社交場を囲む木々は電飾に彩られ、まるで光の庭に
浮かんでいるかのよう。


「エムズカフェ」の横を抜け、西海岸へと出て来ました。

レトロ地区の広告塔・ブルーウイングもじは、
名前通りの青いスポットライトでおめかし。
後ろの関門橋と合わせての、ツーショット。


橋の上を歩くと、なんだか「光の廊下」を渡っているような気分♪

ブルーウイングもじの辺りからは、こちらもライトアップされた
関門橋はもちろん・・・

対岸・下関市の街明かりも見えています。

イタリアの巨匠、アルド・ロッシが手掛けたデザインホテル、
プレミアホテル門司港
「門司港の鮫」をイメージし、どこか船をも想起させる特徴的な
姿は、今ではレトロ地区に欠かせぬ情景の一つ。

昼間とはまた違った印象を与える「大連友好記念館」。
実はこの裏手で、今しか見られない「あるモノ」を
目にすることが出来ます。

それがこちら!再現建築物の真裏、
赤レンガの壁に投影された影絵
今月30日まで催行される門司港駅グランドオープン記念イベント
その一環として毎夜18時~22時に掛けて、
門司港駅舎をイメージしたロマンチックな演出が行われています。
「門司港駅グランドオープン記念事業実行委員会」では
ここを含めSNSへの投稿を呼びかけるキャンペーンを実施していた
(すでに終了)他、
光を使った「遊び」も可能な様子。
皆さんも二人組、もしくは仲間と門司港レトロを訪れる機会あれば、
この影絵で「思い出の一枚」(もしくはインスタ映え)を狙ってみては?

「旧門司税関」。かつての官庁舎らしいどっしりとした佇まいの所為か、
照らす明りもなんだか控えめ?

船溜まりに面し、土産物店や飲食店が集まる「海峡プラザ」。

昼間はお土産品や食事を求める人々で賑わう一角も、
夜になればこの静けさ。

「レトロな時代」を代表する灯火具が、ガスを燃焼させることで
近代日本の路地を照らしたガス灯
古い建物が点在するレトロ地区の象徴として、
毎夜0時まで淡い光を放っています。

「旧大阪商船」まで撮ったところで、不意に雨が落ちて参りました。
文字通り「水を差された」状態で、急いで屋根のある「栄町銀天街」に
逃げ込みます。

時刻は夜の9時。いい加減お腹も空いてきたので、
そのまま「栄町銀天街」で晩ごはん。
のんびり歩くうちに見つけたのは、馳走や 和楽
職人気質ながら優し気なご主人と奥さんが営む、
カウンター席のみの小さなお店。
昼は11:30~14:00、夜は17:30~22:30(ラストオーダー22:00)までの
営業で、定休日は毎週日曜(祝前日の場合は振替営業)

やっとこさ腰を落ち着け、まずは一杯。
頂くのは地元門司で醸されたお酒・猿喰(さるはみ)
その名前には、門司の地に残されたある逸話が。
「江戸時代の宝暦年間、飢餓に苦しむ民を見かねた
大里村(だいりむら、現北九州市門司区の一部)の庄屋・
石原宗裕(いしはら そうゆう)は、
庄屋を辞め弟とともに猿喰湾(さるはみわん)という入江の
干拓事業に着手。
宗裕自身現在の貨幣価値で約17億円にも上る私財を投じ、
難工事の末に猿喰湾の干拓に成功しました。
さらに宗裕は溜め池と「汐抜き穴」という、干拓地に入り込んだ塩水を
潮の満ち引きを利用して排出する設備を造り、
着工から16年を経て猿喰新田(さるはみしんでん)を完成させました。
以来門司では飢饉で死者を出さなかった」というお話。
この先人が成した業績を讃え、労苦と努力の末に開かれた
「猿喰新田」の継承と発展を願い、その水田から摘まれた
酒造米で醸されたのがこの「猿喰」だそう。
土地の人々の想いが詰まったお酒。
口にしてみると、私財を投げ出してまで救民と
田地開発にその身を捧げた宗裕翁のような、
優しくも味わい深い一杯でありました。
さて、お料理が続々とやって来ます。

先陣を切ってやって来た、冷奴(ひややっこ)。
口にすると濃厚・肉厚(?)なお豆腐で、
とろけるような舌触りと爽やかな薬味の絡み合う絶品!

メインに頼んだのは、春のお魚というイメージのある鰆(さわら)
12月~2月の冬季に掛けては「寒鰆」という
産卵前の脂が乗った頃とされていますが、
こちらの塩焼きは「脂っこさ」を感じさせない、あっさりとした味わい。
仄かに効いた塩気も、ほかほかご飯にピッタリ!
この後お店のご夫婦とえらく会話が盛り上がり、閉店時間を過ぎた
23時ころ(すみません・・・)にお店を後にしました。
「門司港旅」から10日あまりが過ぎましたが、
「お客さんの笑顔や「おいしい」という一言が嬉しい」と
語るご主人の姿が、印象深く刻まれています。
素敵なお店に出会えて、幸せだ~!
次回は「門司港旅」、ついに最終日に突入!
繁栄を極めた門司港のもう一つの姿、
山手に聳える大料亭の跡に潜入!
贅を凝らした造りを、思う存分味わいます。
それでは!

ライトアップ門司港
「新元号狂騒曲」が世間をざわつかせるこの頃ですが、
次なる「時代」がどのような名を頂戴するのか
事の成り行きを見守りつつ、変わらず日々の記録を
綴ります。
美しい街並みと港町の情緒が魅力的な門司港レトロ。
昼は建物や人の営みが奏でる色合いが美しい訳ですが、
夜になればまた違った顔を見せてくれます。
今回はそんな夜の門司港を散策!光に浮かぶレトロな海辺を歩きます。

すっかり陽も落ちて街が静けさに包まれる頃、
ファインダーに「光のレトロ」を捉えるべく、再出撃。

「グランドオープン」から一夜、駅前広場には
もはや仮設ステージや出店の姿はありませんが、
一時の喧騒から離れた門司港駅舎は、
ハレの日にも増した堂々たる佇まい。

昼間訪れた「旧門司三井倶楽部」。
社交場を囲む木々は電飾に彩られ、まるで光の庭に
浮かんでいるかのよう。


「エムズカフェ」の横を抜け、西海岸へと出て来ました。

レトロ地区の広告塔・ブルーウイングもじは、
名前通りの青いスポットライトでおめかし。
後ろの関門橋と合わせての、ツーショット。


橋の上を歩くと、なんだか「光の廊下」を渡っているような気分♪

ブルーウイングもじの辺りからは、こちらもライトアップされた
関門橋はもちろん・・・

対岸・下関市の街明かりも見えています。

イタリアの巨匠、アルド・ロッシが手掛けたデザインホテル、
プレミアホテル門司港
「門司港の鮫」をイメージし、どこか船をも想起させる特徴的な
姿は、今ではレトロ地区に欠かせぬ情景の一つ。

昼間とはまた違った印象を与える「大連友好記念館」。
実はこの裏手で、今しか見られない「あるモノ」を
目にすることが出来ます。

それがこちら!再現建築物の真裏、
赤レンガの壁に投影された影絵
今月30日まで催行される門司港駅グランドオープン記念イベント
その一環として毎夜18時~22時に掛けて、
門司港駅舎をイメージしたロマンチックな演出が行われています。
「門司港駅グランドオープン記念事業実行委員会」では
ここを含めSNSへの投稿を呼びかけるキャンペーンを実施していた
(すでに終了)他、
光を使った「遊び」も可能な様子。
皆さんも二人組、もしくは仲間と門司港レトロを訪れる機会あれば、
この影絵で「思い出の一枚」(もしくはインスタ映え)を狙ってみては?

「旧門司税関」。かつての官庁舎らしいどっしりとした佇まいの所為か、
照らす明りもなんだか控えめ?

船溜まりに面し、土産物店や飲食店が集まる「海峡プラザ」。

昼間はお土産品や食事を求める人々で賑わう一角も、
夜になればこの静けさ。

「レトロな時代」を代表する灯火具が、ガスを燃焼させることで
近代日本の路地を照らしたガス灯
古い建物が点在するレトロ地区の象徴として、
毎夜0時まで淡い光を放っています。

「旧大阪商船」まで撮ったところで、不意に雨が落ちて参りました。
文字通り「水を差された」状態で、急いで屋根のある「栄町銀天街」に
逃げ込みます。

時刻は夜の9時。いい加減お腹も空いてきたので、
そのまま「栄町銀天街」で晩ごはん。
のんびり歩くうちに見つけたのは、馳走や 和楽
職人気質ながら優し気なご主人と奥さんが営む、
カウンター席のみの小さなお店。
昼は11:30~14:00、夜は17:30~22:30(ラストオーダー22:00)までの
営業で、定休日は毎週日曜(祝前日の場合は振替営業)

やっとこさ腰を落ち着け、まずは一杯。
頂くのは地元門司で醸されたお酒・猿喰(さるはみ)
その名前には、門司の地に残されたある逸話が。
「江戸時代の宝暦年間、飢餓に苦しむ民を見かねた
大里村(だいりむら、現北九州市門司区の一部)の庄屋・
石原宗裕(いしはら そうゆう)は、
庄屋を辞め弟とともに猿喰湾(さるはみわん)という入江の
干拓事業に着手。
宗裕自身現在の貨幣価値で約17億円にも上る私財を投じ、
難工事の末に猿喰湾の干拓に成功しました。
さらに宗裕は溜め池と「汐抜き穴」という、干拓地に入り込んだ塩水を
潮の満ち引きを利用して排出する設備を造り、
着工から16年を経て猿喰新田(さるはみしんでん)を完成させました。
以来門司では飢饉で死者を出さなかった」というお話。
この先人が成した業績を讃え、労苦と努力の末に開かれた
「猿喰新田」の継承と発展を願い、その水田から摘まれた
酒造米で醸されたのがこの「猿喰」だそう。
土地の人々の想いが詰まったお酒。
口にしてみると、私財を投げ出してまで救民と
田地開発にその身を捧げた宗裕翁のような、
優しくも味わい深い一杯でありました。
さて、お料理が続々とやって来ます。

先陣を切ってやって来た、冷奴(ひややっこ)。
口にすると濃厚・肉厚(?)なお豆腐で、
とろけるような舌触りと爽やかな薬味の絡み合う絶品!

メインに頼んだのは、春のお魚というイメージのある鰆(さわら)
12月~2月の冬季に掛けては「寒鰆」という
産卵前の脂が乗った頃とされていますが、
こちらの塩焼きは「脂っこさ」を感じさせない、あっさりとした味わい。
仄かに効いた塩気も、ほかほかご飯にピッタリ!
この後お店のご夫婦とえらく会話が盛り上がり、閉店時間を過ぎた
23時ころ(すみません・・・)にお店を後にしました。
「門司港旅」から10日あまりが過ぎましたが、
「お客さんの笑顔や「おいしい」という一言が嬉しい」と
語るご主人の姿が、印象深く刻まれています。
素敵なお店に出会えて、幸せだ~!
次回は「門司港旅」、ついに最終日に突入!
繁栄を極めた門司港のもう一つの姿、
山手に聳える大料亭の跡に潜入!
贅を凝らした造りを、思う存分味わいます。
それでは!

ライトアップ門司港