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赤レンガ庁舎1~道史の証人を訪ねて~

いよいよ30年あまり続いた「平成」の世も、今日一日を残すのみ
良い思い出、そうでない思い出、胸に去来する想いは様々でありましょうが、
これから迎える時代が皆さんに取り、そしてこの国に取りより良いものであるように
願って止みません。

さて、ついに念願の北海道上陸を果たした私。
まず道都・札幌を訪れ「場外市場」でグルメとお買い物に興じた訳ですが、
今回は市街地中心部へ戻り、「北海道」の歴史を物語る建造物を訪ねます。
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二十四軒駅から札幌市営地下鉄東西線で約10分。
再び大通公園近辺に戻って参りました。
ここから北西へ少し歩いて行くと・・・
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立派な門が出現!
その向こうは緑地が広がる公園といった趣ですが、その中心に佇むのが・・・
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こちらの建物!
これは北海道庁旧本庁舎、通称「赤レンガ庁舎」。
明治21(1888)年、平井晴二郎(ひらい せいじろう)を始めとする道庁の技師たちの
設計の下で建設されました。

建築技法はアメリカに範を取ったネオ・バロック様式で、
建築資材の多くに道産品を使用。
間口61m、奥行36m、塔の頂部までの33mという高さは現在の10階建てに相当し、
当時は国内有数の大建造物でした。
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2代目に当たる現庁舎への移転まで、80年に亘り道政の中枢として
機能していた建物。
外壁には現在の札幌市白石と豊平から産出された約250万個もの
赤レンガを使用。
長短の異なるレンガを交互に積み上げる「フランス積み」という技法は、
国内では比較的珍しい積み方だとか。
屋根は門司港駅舎でも目にした天然スレート(粘板岩)葺き。

建物上方に聳える八角塔は、当時アメリカで流行していた、
独立と進取の精神を表す建築様式から。
この八角塔は道庁の前身となる開拓使札幌本庁舎(明治12 1879年焼失)にも
取り付けられており、初代北海道長官・岩村通俊(いわむら みちとし)が
庁舎建設に当たって開拓使庁舎を偲んで設けた、とも言われています。

一時は八角塔を失い異なる形態の建物となっていましたが、
昭和43(1968)年、「北海道百年」を記念し、創建当時の姿に復元の上
保存されることとなりました。
翌昭和44(1969)年には、国の重要文化財に指定されています。

営業情報
開館時間・・・8:45~18:00
休館日・・・12月29日~1月3日
入館料・・・無料
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玄関部分。
皆さん、屋根上に設けられた採光窓に描かれた星印にお気付きでしょうか?
これは五光星という北辰(ほくしん=北極星)に見立てたマークで、
開拓使の象徴として庁舎、艦船、製造品等に用いられました。

このマークは後に開拓使長官・黒田清隆(くろだ きよたか、2代総理大臣も務めた人物)によって
民間に払い下げられた組織にも継承されており、
あのサッポ〇ビールの星印は、その名残りだったりする。

では早速、内部へ潜入!
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入ってスグの所は、重厚な造りの階段を戴く正面ホール
3連アーチを設けた装飾的な造りは、いかにも洋風建築といった風情。
アーチを支える鉄柱、アーチ部分中央に彫られた塑像にもご注目!
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入口横の電話ボックスも、時代を感じさせる古風な造り。
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ホールから翼のように広がる廊下も、手の込んだ造りの天井や
床に敷かれた絨毯と相まって、高級感漂う。
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ここからは、館内施設もご紹介。
1階左奥の部屋は、北海道立文書館
北海道の歴史に関する文書や記録を収集、展示したスペース。
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内部では古文書や古写真、絵画、物品等が展示されており、
それらを通して明治以後の開拓・発展の歴史を知ることが出来ます。
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こちらは鉄道建設の様子や経緯を映した写真や文書。
道内の開発・発展の過程で、物資を早く、確実に輸送出来る鉄道網も
重要な役割を果たしました。
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「文書館」の中央、スポットライトに当てられているのは明治6(1873)年、
草創期の札幌の街

広大なる北海道の開発を託された開拓使は、明治2(1869)年の発足と同時に
この地を北海道全島の首府と定め、都市の建設に取り掛かりました。
それから4年後に当たるこの頃には、札幌の人口は、1、949人、
市街地には開拓使札幌本庁舎を始めとする洋風建築が建ち並び、
後志通(今の大通)を境に北を本陣・脇本陣等の官用地
南を町家や屋敷の並ぶ民用地と定め、
町や通りには道内各地の群名が付けられていました。
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現在の北海道旧本庁舎付近。まだ「赤レンガ庁舎」の姿は無く、
隣接地にて開拓使の本拠たる「札幌本庁舎」が建設中
今の体裁が整うまで、さらに15年の歳月を必要とします。
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お次はこの階段を通って2階へ向かいます。
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廊下の各所に配された、物々しい防火扉
北海道庁の前身たる「開拓使札幌本庁舎」が火災により失われたことは
既述の通りですが、実はここ「赤レンガ庁舎」も明治42(1909)年に
同様の被害に遭い、室内及び屋根部分が焼失

しかしレンガ造りの壁面は幸運にも無傷で残ったため、
すぐさま修復工事に着手。
明治45(1912)年に工事は完了し、以来今日までその姿を止めています。
この頑丈なる防火設備は、その教訓を生かした備えなのでしょう。
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2階上がって左奥、向かい合うように公開されている部屋の一つが、
北海道博物館 赤レンガサテライト

札幌市・江別市・北広島市にまたがる道立自然公園・野幌森林公園内に在る
北海道博物館のサテライト施設。
室内では北海道博物館の紹介と一部の展示品の紹介・解説の他、
道内各地の博物館の情報がパネルにて紹介されています。
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中へ入ってまず見付けたのが・・・みんな大好き(?)アンモナイト!
夕張市で発見された8,000万~9,000万年前の化石で、
恐竜が生きていた白亜紀後期のもの!
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こちらはナウマンゾウ(左)とマンモス(右)の歯の化石。
「北海道」としての歴史は明治に開拓が開始されてから150年ほどですが、
大地に刻まれた記憶はそのずっとず~っと昔からのもの。
こういった出土品からは、太古の時代から積み上げられて来た
文明や生命の息吹が感じられます。
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土中に残された痕跡は、動物だけでは有りません。
こちらに並べられた土器は、北海道で独自に発生・発達したオホーツク文化
擦文文化(土器に刷毛で擦るように文様を付けたことから、そう呼ばれる)のもの。
日本本土に於ける古墳時代前後~平安時代に掛けて起こったこれらの文化は、
近代まで続くアイヌ文化へと吸収・継承されることとなりました。

北海道の開発と発展の歩みを見守って来た「赤レンガ庁舎」。
役目を退いた今は歴史ロマンの語り部として、来訪者を
外観、内部展示の両面から楽しませてくれます♪
次回は「赤レンガ庁舎」パート2。
大国・ロシと海を挟んで向かい合う「国境地帯」でもある北海道。
その隣国との間に起こった悲劇の物語と、「領土」を巡る現状を見つめます。
それでは。
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運命の(?)出会い。

参照:「赤レンガ庁舎」パンフレット
    敷地内・建物内説明書き
    「オホーツク文化古代浪漫」

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プロフィール

詞-Nori-

Author:詞-Nori-
旅行系ブロガー。
趣味は旅行、町歩き、食べ歩き、
鉄道等々。

目下地元・福岡県に戻り、
次なる行動に向けて準備中。