弟子屈町(てしかがちょう)・摩周散策。
今回は
摩周駅前に戻り、有名レストランでお昼ごはん!
それから再び
釧網本線(せんもうほんせん)に揺られて
釧路駅へ。
さらに駅前からバスに乗って、澄んだ水面と穏やかな山々、
ノスタルジックな異文化に触れられる場所・
阿寒湖を目指します。

10時30分過ぎ、30分あまりの滞在時間で、「道の駅 摩周温泉」を離れる。
(もっと居たかった~!)
そこから木立に囲まれた道を通り・・・

摩周温泉街を抜け・・・
摩周駅前へと戻って参りました。
時間は11時ちょうど。まだ「お昼時」と呼ぶには少し早い時間帯ですが、
12時過ぎに列車に乗ることを考え、ここでお昼ごはん。

立ち寄るのは、駅前スグ(本当に真ん前!)のところで営業中の、
食堂と喫茶 poppotei(ぽっぽ亭)
30年ほど前、弟子屈町内にて「貴久屋食堂(きくやしょくどう)として開店。
平成15(2003)年に現在地へと移転の上、店名を「poppotei」と改めました。
弟子屈産大豆を擂り潰した呉汁(ごじる、大豆を水に浸し、すり潰したペースト=呉を、
味噌汁に入れた郷土料理)をベースとした
雪見ラーメン、
地場産野菜をたっぷり使用し、「
牛のおっぱいミルク」を
隠し味とした、塩スープの
摩周の恵みラーメンといった
オリジナルラーメン、定食料理やブレンドコーヒー等が自慢のお店。
その豊富なラインナップの中でも一番人気を誇るのが、
摩周の豚丼厳選した道産の豚ロースを醤油ベースの特製ダレに絡め、
丁寧に網焼きにしたものをドドン!とごはんに乗っける、という料理。
この「摩周の豚丼」、
摩周駅の名物駅弁ともなっており、
毎年1月、京王百貨店新宿店にて2週間にわたって開催される
駅弁の祭典、
元祖有名駅弁と全国うまいもの大会第40回大会(2005、平成17年開催)に於いて、
第2位にランクインした実績を誇ります。

店内の様子。
店舗は昨年(2018年)7月に
リニューアル新店舗同然の清潔感を保っています。
ここは当然、名物・「摩周の豚丼」を頼むべき!
なのでしょうが・・・
「期間限定」の文句に惹かれて、こちらの
紅葉おろし豚天丼を注文!
弟子屈町では
紅葉シーズンを迎える10月限定で、
てしかがご当地グルメキャンペーンと称して
町内各飲食店、宿泊施設や「牛のおっぱいミルク」を生産する渡辺体験牧場等で、
期間限定オリジナルメニューを提供!
この町ぐるみのキャンペーンに「poppotei」も参加しており、丼の一角には
しっかりと
秋の色が載っています。
(既にキャンペーンは終了しています。悪しからず)

ごはんを覆いつくさんばかりの勢いで盛り付けられているのは、
地元産「摩周ポーク」もも肉を使用して揚げられた、
豚天その周囲では味のアクセントとなる、
糸唐辛子と
紅葉おろしが踊ります。
この丼の完成度を高めているのが、甘味と旨味をたっぷり内包した、
醤油ベースの
特製ソースジューシーな豚天と極上の相性を見せるソースが、
豚天本体、さらに丼の底にまで注入され、
二重の幸福を与えてくれます♪
名物料理は味わえなかったものの、それにも劣らぬであろう「口福感」を
頂くことが出来ました。
お店の方、並びに摩周の皆さん、
ごちそうさまでした!
12時13分、摩周の山々を背景に、釧路行き快速・
しれとこ摩周号が
入線して来ました。
網走~釧路間で一日一往復運行される、
釧網本線唯一の速達列車。
源流となったのは、昭和32(1957)年に川湯(現・川湯温泉)-釧路間で
運行開始された、準急「摩周」。
昭和36(1961)年には急行へ格上げの上で、「しれとこ」の愛称を頂戴。
この「急行しれとこ」は昭和61(1986)年に一旦
廃止されてしまいますが、
平成元(1989)年に快速列車として、同じ列車愛称で
復活昨年の現名称への変更を経ながら、地域輸送と観光輸送に活躍しています。
車両は朝の普通列車と同じキハ
54形500番台こちらは純粋な
釧網本線仕様が投入されており、
座席や車内設備の一部が、
根室本線(花咲線)仕様とは異なります。
この「しれとこ摩周号」では専用の
ヘッドマークが用意されており、
道東地域に通年生息している
オジロワシ、
尖嶺を連ねた
知床連山、
流氷寄せる
オホーツク海が
沿線風景として描かれています。

クロスシートも、
花咲線仕様とは異なる趣。
この車両では国鉄型特急車・
キハ183系からの流用品が
搭載されています。
(リニューアルの際に排出されたものでしょうか?)
座席の構造は、肘置きに取り付けられたボタンを操作することで
リクライニングが可能な、
簡易リクライニングシート進行方向に合わせた座席の転換は出来ないものの、
特急列車譲りの座り心地は健在。
花咲線仕様同様、「贅沢なローカル鉄旅」が楽しめます♪

12時16分、「しれとこ摩周号」は
摩周駅を発車。
山越えを既に終えた列車は、ひたすら平地を前進。
線路の両側には、吹き曝しとなる鉄路を護るための
防風林が続く。

時折途切れる木立の間から、広々とした大地。
茅沼駅(かやぬまえき)から先、車窓左手には
シラルトロ湖、
塘路湖(とうろこ)、
達古武湖(たっこぶこ)の、3つの湖沼が現れます。
これらは
釧路湿原三湖と呼ばれ「釧路湿原国立公園」の範囲内とされている他、
いずれも豊かな自然と動植物に溢れ、湖畔には「自然浴」が楽しめる
キャンプ場が設定されています。
写真は「
釧路湿原三湖」で一番北に位置する
シラルトロ湖で、
面積1.8k㎡、周囲9.8km、最大深度は3m。
道東地域の多くの湖沼同様周辺は
湿地帯となっており、
多くの水鳥が羽を休める、
水鳥の楽園
シラルトロ湖、
塘路湖の反対側には、
日本最大の湿原・
釧路湿原が広がります!
釧路市、標茶町(しべちゃちょう)、鶴居村(つるいむら)、釧路町の
4つの自治体にまたがって広がっており、最大幅は東西約25km、
南北約36km、全体の面積は1万8290ha。
これは
山手線がすっぽり入り、
大阪市にも匹敵する大きさだそう。
ヨシ・スゲや
ミズゴケが生い茂り、
ハンノキ林に覆われた湿地帯には、
約1300種もの野生動物が生息。
そのうち特に著名なのが、天然記念物・
タンチョウ一時は絶滅の危機に瀕した「湿原の主」ですが、懸命な保護活動の甲斐あって、
現在は
数千羽まで回復。
冬期は餌を求めて給餌場(きゅうじば)の在る人里に姿を現し、
北の雪景と合わせ、美しい情感をもたらしてくれるそう。
これらの豊富な植生と貴重な生態系から、
ラムサール条約登録地、
並びに「
釧路湿原国立公園」として
国立公園指定を受けています。

湿原を蛇行しながら流れる、
釧路川豊富な水を携えて
屈斜路湖から釧路市街、
太平洋へと至る
道東屈指の流路は、大地に命の水をもたらし、「天然の遊水地」として
洪水の脅威から周辺地域を護ります。

湿原東端を縫うように走る、
釧網本線。
その途上に現れる山小屋風の建物は、
釧路湿原駅昭和63(1988)年、臨時駅として開業。
平成8(1996)年に
常設駅へと格上げされました。
近くには
釧路湿原展望スポットの一つ、
細岡展望台が在り、
この駅が最寄り駅。(徒歩3分ほど)
無人駅でありながら、春~秋に掛けて観光列車・「
くしろ湿原ノロッコ号」も停車する、
沿線有数の
名物駅
開けた景色が望めるのかと思いきや、多くの区間で
このような
ハンノキ林が続きます。

自然の風景の中に、突如として現れる人工物。
これは
岩保木水門(いわぼっきすいもん)という治水施設。
大正9(1920)年に釧路地域を襲った
釧路川洪水をきっかけとして、
治水事業の一部として昭和6(1931)年に完成しました。
当初の建設目的には、
釧路川を利用した木材輸送路の確保も
含まれていたのですが、
釧網本線の開通と鉄道輸送の発達により、
存在理由が
消滅以来一度も開かれたことが無いと言われています。
現在車窓から見えるのは、施設の老朽化から
平成2(1990)年に建造された
新水門姿形こそ現代的なものへと変わりましたが、保存されている「旧水門」とともに
釧路の街を水の脅威から護っています。
遠矢駅(とおやえき)付近で列車は
釧路湿原を抜け、釧路市街へ。
大きく川幅を広げた
釧路川を渡れば、終点・
釧路駅はスグそこ!
摩周駅から1時間20分。終点・
釧路駅に到着!
道東最大の都市・釧路市の「鉄の玄関口」。
釧網本線を始め
根室本線、
花咲線(はなさきせん、
根室本線釧路―根室間の路線愛称)の
各路線が発着する他、振り子式の特急「
スーパーおおぞら」によって、
直接札幌都市圏と結ばれています。
駅舎は道東のターミナルらしく堂々とした佇まいですが、どこか
昭和チック駅舎内の飲食店街も、ひと昔前に立ち返ったかのような風情を漂わせています。

交通拠点らしく、駅前にはバスターミナルも展開。
このバスターミナルから、「タンチョウ」が描かれた
阿寒バスに
2時間ほど揺られ・・・

やって参りました、
阿寒湖!「
阿寒摩周国立公園」の一部として厳格に守られた水質の美しい湖ですが、
到着した時には既に夕暮れ後。
残念ながらその全体像は望めなかったものの、可愛らしい動物や天然記念物・マリモ、
天然温泉、アイヌの人々が住まう「コタン」など、魅力たっぷりな水辺のリゾート地!
ここで2泊3日を過ごし、大自然と「異文化」の名残りに触れて参ります!

湖畔には、リゾートホテルが軒を連ねます。
当初は快速「しれとこ摩周号」での網走→釧路直行を企図していた、今回の旅計画。
しかし折悪く集中的な線路補修のために10月下旬~11月1日の
一部の日、一部の時間で
列車が運休となり、
しかもそれが
乗車予定日に被ることから、
急遽旅程を変更したという経緯がありました。
ですがその結果、摩周の町を巡り、素敵なグルメと出会うという
体験が出来、大変有意義な「寄り道」になったと思います。
想定外も、旅の内その時々の状況に合わせ、なおかつそれさえも楽しむことで、
より旅は面白くなる!100%じゃつまらない!
次回からは国立公園内に現出した「湖畔リゾート」・
阿寒湖めぐり!
風吹き抜ける遊覧船で、湖上をぐるっと一回り!
後半には、素敵な出会いが待っています♪
それでは!

個性的なお店が並ぶ、阿寒湖の町。
そこを歩けば・・・



色んな「発見」が待っています!
参照:食堂と喫茶 poppotei
標茶町 ホームページ
北海道観光情報 たびらい
ウェブサイト 駅弁資料館
北海道弟子屈町 弟子屈なび
ライブジャパン パーフェクトガイド
ドライブ‐Drive- 釧路町観光ミュージアム
Wikipedia