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スーパーおおぞら1~北の大地を「FURICO」が征く~

皆さん、あけましておめでとうございます!
2020年、令和2年の幕が上がりました!
「令和」最初の年越し、そしてお正月。
皆さまおせち料理に初詣、正月特番と、家族団らんとともに
穏やかなひと時をお過ごしのことと存じます。

片や私はサービス業。
早速の正月出勤を決めまして、年初よりキッチリ
出勤簿を刻ませていただきました。
これも旅路や、胸に抱きし志のため。
自律・忍従・一所懸命の心積もりで励んで参ります!

さて、ここまで2月近くに亘って書き続けて来ました「道東旅」も、
残すところ今回を含めて5回!
ようやく終わりが見えて参りました。
今記事からはとうとう道東を離れ、札幌・苫小牧の両都市を経由し、
関東を目指しての船旅へと繋げる鉄路へ。

「引退」の2文字もちらつき始めた高性能気動車で、
道都・札幌を目指します!

11.3 Sunday
スーパーおおぞら 0.5
道東旅7日目、ついに愛すべき地を離れる時がやって来ました。
レンガ色の昭和駅舎とお色直しをしたSLの動輪が眩しい
釧路駅から、この旅最後の長距離鉄旅がスタートします。
スーパーおおぞら 1
釧路駅から乗車するのは、スーパーおおぞら

1961(昭和36)年、国鉄型気動車・キハ80系運転による
特急「おおぞら」として、函館~札幌~旭川間にてデビュー。
その翌年には釧路延伸の要望に応え、「上野発」の寝台特急と青函連絡船を介し、
東京と道東地域が直結されることとなりました。

現在に通じる運転体系が確立されたのは、国鉄分割民営化を
間近に控えた1980年代。
昭和56(1981)年に道央地域と十勝・道東地域を繋ぐ短絡線として、
石勝線(せきしょうせん)が開通。

従来の札幌~滝川~釧路の経路から大幅な時間短縮を実現するとともに、
全列車が札幌発着へと統一されました。

平成9(1997)年には振り子式特急車両・キハ283系が登場。
カーブで速度を落とさない「振り子装置」、最高130km/hの高速性能を生かし、
さらなるスピードアップを実現しました。

以後石勝線特急列車脱線火災事故を始めとする
JR北海道管内での事故や不祥事を受け、
最高速度の引き下げ(130km→110km/h)による所要時間の延長などの逆風にも負けず
走り続けた「スーパーおおぞら」。

今年3月のダイヤ改正を見据えた昨年12月、JR北海道
道内を走る特急列車の中で、「スーパー」を冠した列車の
列車名を変更すること、
石勝線根室本線系統の列車に新製車両を投入することを発表。
これによって札幌~釧路間の列車は旧名のおおぞらへと復すとともに、
新たな時代を迎えることとなりました。
スーパーおおぞら 1.5
(こちらの写真は、札幌駅にて撮影)

車両は先述の通りキハ283系
平成7(1995)年に石勝線根室本線系統の高速化に合わせて試作車が登場、
翌年の量産車の製造に合わせて「スーパーおおぞら」に投入され、
平成10(1998)年には函館本線系統の「スーパー北斗」、
平成13(2001)年には札幌~帯広間の「スーパーとかち」と、
運用の幅を広げて行きました。

技術面やデザインのベースとなったのは、
スーパー北斗(3月改正を以て「北斗」へ改称)」用の特急型気動車・キハ281系
「先輩」譲りの高運転台構造と卵型の車体形状に、
各車2台ずつ355馬力・2,100回転のエンジンを搭載。
ライト形状や窓周り、アクセントカラーを変えることで
キハ281系との差別化を図っています。
スーパーおおぞら 2
キハ281系に続いて、同系列の高速走行を支える
制御付き自然振り子装置
その制御機構には従来のコロ式に代わって低重心と円滑な動作、
シンプルな構造を実現するベアリングガイド式を採用。
振り子角度を6度(キハ281系は5度)へ強化することで、
曲線の連続する運用線区に対応しています。

現在では平成23(2011)年の事故などの影響により、
運用を「スーパーおおぞら」に集約。
さらに最高速度も110km/hに引き下げられ、
自慢の快足は封じられてしまいました。

さらに今年3月のダイヤ改正で、列車名の変更とともに
おおぞら」12往復のうち半数がキハ261系1000番台に置き換え
られることが発表され、運用を外れた車両から廃車が進められることとなります。
近い将来の全廃も迫るキハ283系。
その「FURICO」な走りを楽しめるのも、あと少し!

(鉄道ファンの間では「振り子装置が停止されている」という噂も出ているようですが、
安全上の理由で使用が取りやめとなっているのは、キハ261系搭載の
「空気ばね式車体傾斜装置」。振り子は健在です!
スーパーおおぞら 3
キハ283系の先頭部に取り付けられた、LED式の愛称表示器。
今や鉄道車両では当たり前・・・どころか、このタイプ(3色LED)は
時代遅れとさえ呼べる代物ですが、
製造当時まだ懐に余裕のあったJR北海道は、ある仕掛けを施しました。
それが・・・
スーパーおおぞら 4
釧路地域のシンボル・タンチョウ求愛ダンスを踊るアニメーション!
「日本語表記」→「ローマ字表記」の変化に合わせて、
タンチョウのつがいが愛情を確かめ合う様子が表現されています。

このような遊び心溢れる表示も、
いずれは消えて行ってしまうのでしょうか・・・
スーパーおおぞら 7
ここからは車内紹介。
まずは列車に乗り込んで最初に目にする乗降デッキ
後発のキハ261系と比べると、白とでまとめられたシンプルなデザイン。
上下に傾斜が付いた壁面が、車体構造に制約を受ける振り子車両らしい。

写真左手、二分割された窓とミニカウンターが取り付けられたスペースは、
元・喫煙室という出自を持つフリースペース、ミニラウンジ
編成中2号車と5号車の2カ所に設定されています。
身体がなまった時の息抜きには、丁度良い空間♪
スーパーおおぞら 8
普通車(指定席)車内。
座席配置は在来線特急の普通車としては標準的な2+2席。
白を基調とした空間に並ぶ、赤系の座席が目を引きます。

振り子車特有の横方向の「狭さ」に対するJR北海道なりの回答か、
上下に広くスペースが取られているのが特徴的。
その「縦の広さ」を生かし、荷物棚はキャリーバッグも詰め込める余裕のサイズ!
スーパーおおぞら 9
普通車座席。
スーパーおおぞら」では平成18(2006)年に室内設備をリニューアル
その際に自由席との差別化を図るべく、指定席車に快適性と
一人当たりの専有面積を増やした、
通称グレードアップ指定席を導入しました。

この試みに際して新規設計された座席では、普通車でありながら
左右に動く可動式枕を採用。
座席の前後・左右の幅、背面のサイズ拡大、座席下から機器類を廃したことによる
余裕のある足下と、大幅に快適性を高めることに成功しました。

スーパーおおぞら」に合わせてタンチョウ色を採用した
ワンランク上の座席は、道内各地の特急車両にも波及。
現在ではキハ261系を除くキハ281系キハ183系
各系列に導入されています。
(自由席は製造当時のものがそのまま使用されています)スーパーおおぞら 10
座席背面には背面テーブル、シートポケット、コート掛けを配置。
車内移動に欠かせないグリップは、タンチョウ色
スーパーおおぞら 11
8時20分、札幌行き「スーパーおおぞら4号」は、釧路駅1番ホームから発車。
所要4時間6分、348.5kmの、この旅実質最後となる鉄旅が始まりました。

列車によって停車駅が異なるスーパーおおぞら
私が乗車したスーパーおおぞら4号の停車駅は
池田

帯広

新得(しんとく)

トマム

南千歳(みなみちとせ)

新札幌

終点・札幌
この停車パターンは同列車では最小となっており、
1時間以上走りっぱなしの区間が2カ所存在しています。
(ただし「最速」ではない模様)
朝に出発して昼に終点に着くという乗車時間の長さが、とっても北海道!
スーパーおおぞら 12
出発後すぐ、釧路川を横断。
列車が力強く加速をかけると、あっという間に市街地は遠ざかって行きました。
さらば、釧路!
スーパーおおぞら 13
しばらく走ると、遮るものない原野へ。
スーパーおおぞら 14
古瀬~音別(おんべつ)間では、車窓左手に馬主来沼(ぱしくるぬま)が現れます。

パシクル川河口付近、小高く盛り上がった浜辺を挟んで
太平洋に面した沼で、面積は20㎢。
かつては太平洋の一部となっていた海跡湖で、
水底からは約6000年前(縄文時代)に「天然のタイムカプセル」に閉じ込められた、
カキの貝殻の化石が多数出土しています。

沼周辺は自然散策を楽しめる馬主来自然公園となっており、
干潮時にはシジミ獲り、水面が凍結する冬期にはワカサギ釣りが
名物となっています。
スーパーおおぞら 15
この沼一番の特徴が、水位によって太平洋繋がったり離れたり
繰り返していること。
北の大地が雪解けを迎える、上流から流れ込んだ水が沼を満たし、
浜で止められなくなると、自然と水が海へと流れ出します。
このような形態の沼は大変珍しいそう。
スーパーおおぞら 16
馬主来沼を過ぎると、地球一の大海・太平洋がすぐ傍に!
スーパーおおぞら 17
背の低い防波堤越しに、あるいは並走する車道の向こうに、
大海原が広がります♪
澄んだが印象的だったオホーツク海とはまた異なる、雄大なる海景色。
スーパーおおぞら 18
厚内駅(あつないえき)の先で海と別れ、山林の中へ。
スーパーおおぞら 19
山越えを終えると、列車は道内有数の「恵みの大地」・十勝平野(とかちへいや)へ!
スーパーおおぞら 20
十勝岳付近を源流とし、平野を潤しながら太平洋へと注ぐ十勝川

十勝総合振興局管内の実に9割を占める9,010㎢の流域面積は、
全国6位、道内2位の規模。
スーパーおおぞら 21
十勝川を越えた列車は、十勝平野の中心・帯広市へ!
車窓をビルや住宅が埋めるようになると、
十勝地方のターミナル・帯広駅に到着します。
スーパーおおぞら 22
帯広市街を抜けてから再び十勝平野をひた走り、
新得町(しんとくちょう)の中心駅・新得駅へ。

駅が所在する新得町は、昨年4月~9月に掛けて放送された
N〇Kの連続テレビ小説・なつぞら(広瀬すずさん主演)の舞台。
駅ホームには、ドラマ所縁の地をアピールするボードが設置されています!
(ドラマの放送期間に合わせ、沿線を走る特急スーパーとかちの全列車に、
「なつぞら」ラッピングが施されました。)

海辺を駆け、十勝平野を走ったスーパーおおぞらは、
新得駅から十勝地方と石狩地方を隔てる天険・
狩勝峠(かりかちとうげ)への峠越えに挑みます!

次回も「スーパーおおぞら」車中より、沿線風景をお届け!
十勝平野一望の眺めが魅力の狩勝峠越えや夕張地域の風景、
道都・札幌へ至る車窓の変化をお届けします。
それでは!
スーパーおおぞら 23
陽光照り返す太平洋
大海の輝きも、また美し。

参考:イカロス出版 JR特急列車年鑑2019
    JR北海道 公式ホームページ
    北海道ファンマガジン
    Wikipedia

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プロフィール

詞-Nori-

Author:詞-Nori-
旅行系ブロガー。
趣味は旅行、町歩き、食べ歩き、
鉄道等々。

目下地元・福岡県に戻り、
次なる行動に向けて準備中。