スーパーおおぞら1~北の大地を「FURICO」が征く~
- 2020/01/02
- 19:51
皆さん、あけましておめでとうございます!
2020年、令和2年の幕が上がりました!
「令和」最初の年越し、そしてお正月。
皆さまおせち料理に初詣、正月特番と、家族団らんとともに
穏やかなひと時をお過ごしのことと存じます。
片や私はサービス業。
早速の正月出勤を決めまして、年初よりキッチリ
出勤簿を刻ませていただきました。
これも旅路や、胸に抱きし志のため。
自律・忍従・一所懸命の心積もりで励んで参ります!
さて、ここまで2月近くに亘って書き続けて来ました「道東旅」も、
残すところ今回を含めて5回!
ようやく終わりが見えて参りました。
今記事からはとうとう道東を離れ、札幌・苫小牧の両都市を経由し、
関東を目指しての船旅へと繋げる鉄路へ。
「引退」の2文字もちらつき始めた高性能気動車で、
道都・札幌を目指します!
11.3 Sunday

道東旅7日目、ついに愛すべき地を離れる時がやって来ました。
レンガ色の昭和駅舎とお色直しをしたSLの動輪が眩しい
釧路駅から、この旅最後の長距離鉄旅がスタートします。

釧路駅から乗車するのは、スーパーおおぞら
1961(昭和36)年、国鉄型気動車・キハ80系運転による
特急「おおぞら」として、函館~札幌~旭川間にてデビュー。
その翌年には釧路延伸の要望に応え、「上野発」の寝台特急と青函連絡船を介し、
東京と道東地域が直結されることとなりました。
現在に通じる運転体系が確立されたのは、国鉄分割民営化を
間近に控えた1980年代。
昭和56(1981)年に道央地域と十勝・道東地域を繋ぐ短絡線として、
石勝線(せきしょうせん)が開通。
従来の札幌~滝川~釧路の経路から大幅な時間短縮を実現するとともに、
全列車が札幌発着へと統一されました。
平成9(1997)年には振り子式特急車両・キハ283系が登場。
カーブで速度を落とさない「振り子装置」、最高130km/hの高速性能を生かし、
さらなるスピードアップを実現しました。
以後石勝線特急列車脱線火災事故を始めとする
JR北海道管内での事故や不祥事を受け、
最高速度の引き下げ(130km→110km/h)による所要時間の延長などの逆風にも負けず
走り続けた「スーパーおおぞら」。
今年3月のダイヤ改正を見据えた昨年12月、JR北海道は
道内を走る特急列車の中で、「スーパー」を冠した列車の
列車名を変更すること、
石勝線・根室本線系統の列車に新製車両を投入することを発表。
これによって札幌~釧路間の列車は旧名のおおぞらへと復すとともに、
新たな時代を迎えることとなりました。

(こちらの写真は、札幌駅にて撮影)
車両は先述の通りキハ283系
平成7(1995)年に石勝線・根室本線系統の高速化に合わせて試作車が登場、
翌年の量産車の製造に合わせて「スーパーおおぞら」に投入され、
平成10(1998)年には函館本線系統の「スーパー北斗」、
平成13(2001)年には札幌~帯広間の「スーパーとかち」と、
運用の幅を広げて行きました。
技術面やデザインのベースとなったのは、
「スーパー北斗(3月改正を以て「北斗」へ改称)」用の特急型気動車・キハ281系
「先輩」譲りの高運転台構造と卵型の車体形状に、
各車2台ずつ355馬力・2,100回転のエンジンを搭載。
ライト形状や窓周り、アクセントカラーを変えることで
キハ281系との差別化を図っています。

キハ281系に続いて、同系列の高速走行を支える
制御付き自然振り子装置
その制御機構には従来のコロ式に代わって低重心と円滑な動作、
シンプルな構造を実現するベアリングガイド式を採用。
振り子角度を6度(キハ281系は5度)へ強化することで、
曲線の連続する運用線区に対応しています。
現在では平成23(2011)年の事故などの影響により、
運用を「スーパーおおぞら」に集約。
さらに最高速度も110km/hに引き下げられ、
自慢の快足は封じられてしまいました。
さらに今年3月のダイヤ改正で、列車名の変更とともに
「おおぞら」12往復のうち半数がキハ261系1000番台に置き換え
られることが発表され、運用を外れた車両から廃車が進められることとなります。
近い将来の全廃も迫るキハ283系。
その「FURICO」な走りを楽しめるのも、あと少し!
(鉄道ファンの間では「振り子装置が停止されている」という噂も出ているようですが、
安全上の理由で使用が取りやめとなっているのは、キハ261系搭載の
「空気ばね式車体傾斜装置」。振り子は健在です!)

キハ283系の先頭部に取り付けられた、LED式の愛称表示器。
今や鉄道車両では当たり前・・・どころか、このタイプ(3色LED)は
時代遅れとさえ呼べる代物ですが、
製造当時まだ懐に余裕のあったJR北海道は、ある仕掛けを施しました。
それが・・・

釧路地域のシンボル・タンチョウが求愛ダンスを踊るアニメーション!
「日本語表記」→「ローマ字表記」の変化に合わせて、
タンチョウのつがいが愛情を確かめ合う様子が表現されています。
このような遊び心溢れる表示も、
いずれは消えて行ってしまうのでしょうか・・・

ここからは車内紹介。
まずは列車に乗り込んで最初に目にする乗降デッキ
後発のキハ261系と比べると、白と黒でまとめられたシンプルなデザイン。
上下に傾斜が付いた壁面が、車体構造に制約を受ける振り子車両らしい。
写真左手、二分割された窓とミニカウンターが取り付けられたスペースは、
元・喫煙室という出自を持つフリースペース、ミニラウンジ
編成中2号車と5号車の2カ所に設定されています。
身体がなまった時の息抜きには、丁度良い空間♪

普通車(指定席)車内。
座席配置は在来線特急の普通車としては標準的な2+2席。
白を基調とした空間に並ぶ、赤系の座席が目を引きます。
振り子車特有の横方向の「狭さ」に対するJR北海道なりの回答か、
上下に広くスペースが取られているのが特徴的。
その「縦の広さ」を生かし、荷物棚はキャリーバッグも詰め込める余裕のサイズ!

普通車座席。
「スーパーおおぞら」では平成18(2006)年に室内設備をリニューアル
その際に自由席との差別化を図るべく、指定席車に快適性と
一人当たりの専有面積を増やした、
通称グレードアップ指定席を導入しました。
この試みに際して新規設計された座席では、普通車でありながら
左右に動く可動式枕を採用。
座席の前後・左右の幅、背面のサイズ拡大、座席下から機器類を廃したことによる
余裕のある足下と、大幅に快適性を高めることに成功しました。
「スーパーおおぞら」に合わせてタンチョウ色を採用した
ワンランク上の座席は、道内各地の特急車両にも波及。
現在ではキハ261系を除くキハ281系、キハ183系の
各系列に導入されています。
(自由席は製造当時のものがそのまま使用されています)
座席背面には背面テーブル、シートポケット、コート掛けを配置。
車内移動に欠かせないグリップは、タンチョウ色。

8時20分、札幌行き「スーパーおおぞら4号」は、釧路駅1番ホームから発車。
所要4時間6分、348.5kmの、この旅実質最後となる鉄旅が始まりました。
列車によって停車駅が異なるスーパーおおぞら。
私が乗車したスーパーおおぞら4号の停車駅は
池田
↓
帯広
↓
新得(しんとく)
↓
トマム
↓
南千歳(みなみちとせ)
↓
新札幌
↓
終点・札幌
この停車パターンは同列車では最小となっており、
1時間以上走りっぱなしの区間が2カ所存在しています。
(ただし「最速」ではない模様)
朝に出発して昼に終点に着くという乗車時間の長さが、とっても北海道!

出発後すぐ、釧路川を横断。
列車が力強く加速をかけると、あっという間に市街地は遠ざかって行きました。
さらば、釧路!

しばらく走ると、遮るものない原野へ。

古瀬~音別(おんべつ)間では、車窓左手に馬主来沼(ぱしくるぬま)が現れます。
パシクル川河口付近、小高く盛り上がった浜辺を挟んで
太平洋に面した沼で、面積は20㎢。
かつては太平洋の一部となっていた海跡湖で、
水底からは約6000年前(縄文時代)に「天然のタイムカプセル」に閉じ込められた、
カキの貝殻の化石が多数出土しています。
沼周辺は自然散策を楽しめる馬主来自然公園となっており、
干潮時にはシジミ獲り、水面が凍結する冬期にはワカサギ釣りが
名物となっています。

この沼一番の特徴が、水位によって太平洋と繋がったり離れたりを
繰り返していること。
北の大地が雪解けを迎える春、上流から流れ込んだ水が沼を満たし、
浜で止められなくなると、自然と水が海へと流れ出します。
このような形態の沼は大変珍しいそう。

馬主来沼を過ぎると、地球一の大海・太平洋がすぐ傍に!

背の低い防波堤越しに、あるいは並走する車道の向こうに、
大海原が広がります♪
澄んだ青が印象的だったオホーツク海とはまた異なる、雄大なる海景色。

厚内駅(あつないえき)の先で海と別れ、山林の中へ。

山越えを終えると、列車は道内有数の「恵みの大地」・十勝平野(とかちへいや)へ!

十勝岳付近を源流とし、平野を潤しながら太平洋へと注ぐ十勝川
十勝総合振興局管内の実に9割を占める9,010㎢の流域面積は、
全国6位、道内2位の規模。

十勝川を越えた列車は、十勝平野の中心・帯広市へ!
車窓をビルや住宅が埋めるようになると、
十勝地方のターミナル・帯広駅に到着します。

帯広市街を抜けてから再び十勝平野をひた走り、
新得町(しんとくちょう)の中心駅・新得駅へ。
駅が所在する新得町は、昨年4月~9月に掛けて放送された
N〇Kの連続テレビ小説・なつぞら(広瀬すずさん主演)の舞台。
駅ホームには、ドラマ所縁の地をアピールするボードが設置されています!
(ドラマの放送期間に合わせ、沿線を走る特急スーパーとかちの全列車に、
「なつぞら」ラッピングが施されました。)
海辺を駆け、十勝平野を走ったスーパーおおぞらは、
新得駅から十勝地方と石狩地方を隔てる天険・
狩勝峠(かりかちとうげ)への峠越えに挑みます!
次回も「スーパーおおぞら」車中より、沿線風景をお届け!
十勝平野一望の眺めが魅力の狩勝峠越えや夕張地域の風景、
道都・札幌へ至る車窓の変化をお届けします。
それでは!

陽光照り返す太平洋。
大海の輝きも、また美し。
参考:イカロス出版 JR特急列車年鑑2019
JR北海道 公式ホームページ
北海道ファンマガジン
Wikipedia
2020年、令和2年の幕が上がりました!
「令和」最初の年越し、そしてお正月。
皆さまおせち料理に初詣、正月特番と、家族団らんとともに
穏やかなひと時をお過ごしのことと存じます。
片や私はサービス業。
早速の正月出勤を決めまして、年初よりキッチリ
出勤簿を刻ませていただきました。
これも旅路や、胸に抱きし志のため。
自律・忍従・一所懸命の心積もりで励んで参ります!
さて、ここまで2月近くに亘って書き続けて来ました「道東旅」も、
残すところ今回を含めて5回!
ようやく終わりが見えて参りました。
今記事からはとうとう道東を離れ、札幌・苫小牧の両都市を経由し、
関東を目指しての船旅へと繋げる鉄路へ。
「引退」の2文字もちらつき始めた高性能気動車で、
道都・札幌を目指します!
11.3 Sunday

道東旅7日目、ついに愛すべき地を離れる時がやって来ました。
レンガ色の昭和駅舎とお色直しをしたSLの動輪が眩しい
釧路駅から、この旅最後の長距離鉄旅がスタートします。

釧路駅から乗車するのは、スーパーおおぞら
1961(昭和36)年、国鉄型気動車・キハ80系運転による
特急「おおぞら」として、函館~札幌~旭川間にてデビュー。
その翌年には釧路延伸の要望に応え、「上野発」の寝台特急と青函連絡船を介し、
東京と道東地域が直結されることとなりました。
現在に通じる運転体系が確立されたのは、国鉄分割民営化を
間近に控えた1980年代。
昭和56(1981)年に道央地域と十勝・道東地域を繋ぐ短絡線として、
石勝線(せきしょうせん)が開通。
従来の札幌~滝川~釧路の経路から大幅な時間短縮を実現するとともに、
全列車が札幌発着へと統一されました。
平成9(1997)年には振り子式特急車両・キハ283系が登場。
カーブで速度を落とさない「振り子装置」、最高130km/hの高速性能を生かし、
さらなるスピードアップを実現しました。
以後石勝線特急列車脱線火災事故を始めとする
JR北海道管内での事故や不祥事を受け、
最高速度の引き下げ(130km→110km/h)による所要時間の延長などの逆風にも負けず
走り続けた「スーパーおおぞら」。
今年3月のダイヤ改正を見据えた昨年12月、JR北海道は
道内を走る特急列車の中で、「スーパー」を冠した列車の
列車名を変更すること、
石勝線・根室本線系統の列車に新製車両を投入することを発表。
これによって札幌~釧路間の列車は旧名のおおぞらへと復すとともに、
新たな時代を迎えることとなりました。

(こちらの写真は、札幌駅にて撮影)
車両は先述の通りキハ283系
平成7(1995)年に石勝線・根室本線系統の高速化に合わせて試作車が登場、
翌年の量産車の製造に合わせて「スーパーおおぞら」に投入され、
平成10(1998)年には函館本線系統の「スーパー北斗」、
平成13(2001)年には札幌~帯広間の「スーパーとかち」と、
運用の幅を広げて行きました。
技術面やデザインのベースとなったのは、
「スーパー北斗(3月改正を以て「北斗」へ改称)」用の特急型気動車・キハ281系
「先輩」譲りの高運転台構造と卵型の車体形状に、
各車2台ずつ355馬力・2,100回転のエンジンを搭載。
ライト形状や窓周り、アクセントカラーを変えることで
キハ281系との差別化を図っています。

キハ281系に続いて、同系列の高速走行を支える
制御付き自然振り子装置
その制御機構には従来のコロ式に代わって低重心と円滑な動作、
シンプルな構造を実現するベアリングガイド式を採用。
振り子角度を6度(キハ281系は5度)へ強化することで、
曲線の連続する運用線区に対応しています。
現在では平成23(2011)年の事故などの影響により、
運用を「スーパーおおぞら」に集約。
さらに最高速度も110km/hに引き下げられ、
自慢の快足は封じられてしまいました。
さらに今年3月のダイヤ改正で、列車名の変更とともに
「おおぞら」12往復のうち半数がキハ261系1000番台に置き換え
られることが発表され、運用を外れた車両から廃車が進められることとなります。
近い将来の全廃も迫るキハ283系。
その「FURICO」な走りを楽しめるのも、あと少し!
(鉄道ファンの間では「振り子装置が停止されている」という噂も出ているようですが、
安全上の理由で使用が取りやめとなっているのは、キハ261系搭載の
「空気ばね式車体傾斜装置」。振り子は健在です!)

キハ283系の先頭部に取り付けられた、LED式の愛称表示器。
今や鉄道車両では当たり前・・・どころか、このタイプ(3色LED)は
時代遅れとさえ呼べる代物ですが、
製造当時まだ懐に余裕のあったJR北海道は、ある仕掛けを施しました。
それが・・・

釧路地域のシンボル・タンチョウが求愛ダンスを踊るアニメーション!
「日本語表記」→「ローマ字表記」の変化に合わせて、
タンチョウのつがいが愛情を確かめ合う様子が表現されています。
このような遊び心溢れる表示も、
いずれは消えて行ってしまうのでしょうか・・・

ここからは車内紹介。
まずは列車に乗り込んで最初に目にする乗降デッキ
後発のキハ261系と比べると、白と黒でまとめられたシンプルなデザイン。
上下に傾斜が付いた壁面が、車体構造に制約を受ける振り子車両らしい。
写真左手、二分割された窓とミニカウンターが取り付けられたスペースは、
元・喫煙室という出自を持つフリースペース、ミニラウンジ
編成中2号車と5号車の2カ所に設定されています。
身体がなまった時の息抜きには、丁度良い空間♪

普通車(指定席)車内。
座席配置は在来線特急の普通車としては標準的な2+2席。
白を基調とした空間に並ぶ、赤系の座席が目を引きます。
振り子車特有の横方向の「狭さ」に対するJR北海道なりの回答か、
上下に広くスペースが取られているのが特徴的。
その「縦の広さ」を生かし、荷物棚はキャリーバッグも詰め込める余裕のサイズ!

普通車座席。
「スーパーおおぞら」では平成18(2006)年に室内設備をリニューアル
その際に自由席との差別化を図るべく、指定席車に快適性と
一人当たりの専有面積を増やした、
通称グレードアップ指定席を導入しました。
この試みに際して新規設計された座席では、普通車でありながら
左右に動く可動式枕を採用。
座席の前後・左右の幅、背面のサイズ拡大、座席下から機器類を廃したことによる
余裕のある足下と、大幅に快適性を高めることに成功しました。
「スーパーおおぞら」に合わせてタンチョウ色を採用した
ワンランク上の座席は、道内各地の特急車両にも波及。
現在ではキハ261系を除くキハ281系、キハ183系の
各系列に導入されています。
(自由席は製造当時のものがそのまま使用されています)

座席背面には背面テーブル、シートポケット、コート掛けを配置。
車内移動に欠かせないグリップは、タンチョウ色。

8時20分、札幌行き「スーパーおおぞら4号」は、釧路駅1番ホームから発車。
所要4時間6分、348.5kmの、この旅実質最後となる鉄旅が始まりました。
列車によって停車駅が異なるスーパーおおぞら。
私が乗車したスーパーおおぞら4号の停車駅は
池田
↓
帯広
↓
新得(しんとく)
↓
トマム
↓
南千歳(みなみちとせ)
↓
新札幌
↓
終点・札幌
この停車パターンは同列車では最小となっており、
1時間以上走りっぱなしの区間が2カ所存在しています。
(ただし「最速」ではない模様)
朝に出発して昼に終点に着くという乗車時間の長さが、とっても北海道!

出発後すぐ、釧路川を横断。
列車が力強く加速をかけると、あっという間に市街地は遠ざかって行きました。
さらば、釧路!

しばらく走ると、遮るものない原野へ。

古瀬~音別(おんべつ)間では、車窓左手に馬主来沼(ぱしくるぬま)が現れます。
パシクル川河口付近、小高く盛り上がった浜辺を挟んで
太平洋に面した沼で、面積は20㎢。
かつては太平洋の一部となっていた海跡湖で、
水底からは約6000年前(縄文時代)に「天然のタイムカプセル」に閉じ込められた、
カキの貝殻の化石が多数出土しています。
沼周辺は自然散策を楽しめる馬主来自然公園となっており、
干潮時にはシジミ獲り、水面が凍結する冬期にはワカサギ釣りが
名物となっています。

この沼一番の特徴が、水位によって太平洋と繋がったり離れたりを
繰り返していること。
北の大地が雪解けを迎える春、上流から流れ込んだ水が沼を満たし、
浜で止められなくなると、自然と水が海へと流れ出します。
このような形態の沼は大変珍しいそう。

馬主来沼を過ぎると、地球一の大海・太平洋がすぐ傍に!

背の低い防波堤越しに、あるいは並走する車道の向こうに、
大海原が広がります♪
澄んだ青が印象的だったオホーツク海とはまた異なる、雄大なる海景色。

厚内駅(あつないえき)の先で海と別れ、山林の中へ。

山越えを終えると、列車は道内有数の「恵みの大地」・十勝平野(とかちへいや)へ!

十勝岳付近を源流とし、平野を潤しながら太平洋へと注ぐ十勝川
十勝総合振興局管内の実に9割を占める9,010㎢の流域面積は、
全国6位、道内2位の規模。

十勝川を越えた列車は、十勝平野の中心・帯広市へ!
車窓をビルや住宅が埋めるようになると、
十勝地方のターミナル・帯広駅に到着します。

帯広市街を抜けてから再び十勝平野をひた走り、
新得町(しんとくちょう)の中心駅・新得駅へ。
駅が所在する新得町は、昨年4月~9月に掛けて放送された
N〇Kの連続テレビ小説・なつぞら(広瀬すずさん主演)の舞台。
駅ホームには、ドラマ所縁の地をアピールするボードが設置されています!
(ドラマの放送期間に合わせ、沿線を走る特急スーパーとかちの全列車に、
「なつぞら」ラッピングが施されました。)
海辺を駆け、十勝平野を走ったスーパーおおぞらは、
新得駅から十勝地方と石狩地方を隔てる天険・
狩勝峠(かりかちとうげ)への峠越えに挑みます!
次回も「スーパーおおぞら」車中より、沿線風景をお届け!
十勝平野一望の眺めが魅力の狩勝峠越えや夕張地域の風景、
道都・札幌へ至る車窓の変化をお届けします。
それでは!

陽光照り返す太平洋。
大海の輝きも、また美し。
参考:イカロス出版 JR特急列車年鑑2019
JR北海道 公式ホームページ
北海道ファンマガジン
Wikipedia