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氷川参道~歴史覗く並木を歩く~

月が進んだ8月1日、長くグレーの雲に覆われていた
関東地方にもようやく梅雨明け宣言が発せられ、
初日から暑気に包まれた晴天となりました!

夏はここから、今年は新型コロナウイルスの流行もあり、
旅行や行楽等が大きく制限された(なおかつ今後どういう展開へ進むか、
未だ出口の見えないトンネル状態)状況下ではありますが、
折角の夏休み
気分だけでも明るく、開放的でありたいものです!

さて、ようやく積もり積もった過去記事を整理することが
叶いました当ブログ、ようやく迎えることが出来た
「埼玉散策」、その記念すべき(?)1回目は、
武蔵国(むさしのくに、埼玉県、東京都、神奈川県東部)一円を護る
「武蔵国一之宮」・氷川神社(ひかわじんじゃ)へ参詣!

今回より2回に分け、神前へと参る「通り道」である参道
そしてメインであり「聖域」となる境内の様子を
それぞれお伝えします。

7.24 Friday
氷川神社参道 1
最寄り駅から列車を乗り継いでやって参りました、
さいたま新都心駅

延期となっている「東京オリンピック2020」の会場である
多目的施設・「さいたまスーパーアリーナ」や官庁舎、
大型商業施設「コクーンシティ」を始めとする民間施設が集まる、
さいたま新都心の玄関口
氷川神社参道 2
平成12(2000)年にさいたま新都心の誕生に先駆けて開業した
未来的な駅は、由緒正しい神社への玄関口には似つかわしくない
風情ではありますが、ここが神社参道の最寄り駅
(直接神前へお参りするには、隣の大宮駅が最寄り)

ここから「コクーンシティ」を過ぎて5分ほどで・・・
氷川神社参道 3
氷川神社へと至る、氷川参道の入口に到着!

首都圏を形成する大都会・さいたま市のど真ん中、
神社神域までの約2kmに亘って伸びる並木道で、
江戸時代初めの寛永5(1628)に宿場町である大宮宿
整備されて街路が付け替えられるまでは、
この参道が参詣路であるとともに、江戸と京の都を内陸経由で結ぶ
幹線ルート・中山道(なかせんどう)の一部となっていました。
氷川神社参道 4
参道と街道を分ける「境界」となっているのが、
参道入口に佇む一の鳥居

かつては石造の鳥居が用いられていたそうですが、
大正12(1923)年に発生した関東大震災によって破損
撤去されてしまいます。

そこからしばらくは「一の鳥居不在」という状況が続いたようですが、
昭和15(1940)年に参道と神社境内を仕切る三の鳥居を移築
以来この赤い鳥居が「参道の玄関」として、
参拝客を迎え入れています。
氷川神社参道 5
一の鳥居脇、参道入口に建つ立派な石碑は、
江戸時代中期、享保7(1722)年の建立。
正面の「武蔵国一宮」の字は、
当時の書家・佐々木文山(ささき ぶんざん)の手によるもの。
石碑下部には、そのことを示す記名も施されています。
氷川神社参道 6
氷川神社の、あるいは信仰の足取りを感じさせるのが、
「氷川大明神」と「佐々木文山書」の間に残る、削ったような跡。

これは「不届き者のイタズラ」などではなく、
明治時代まで民間に根付いていた
神仏習合(神道の神と仏を同一視する思想)の名残り。

元々この位置には本地仏※である正観音(しょうかんのん)を表す
文字が刻まれていましたが、明治時代に発せられた
神仏分離を受けて削られたもの。

本地仏(ほんちぶつ)・・・現世を救わんとする神々と、根本を一とする仏(菩薩)。
氷川神社参道 8
それでは一の鳥居を潜り、氷川参道へと進んで参りましょう!
朱塗りの鳥居の向こうは、神社境内まで参拝客を導く、
緑の帯のような並木道

現在参道両側にはケヤキシイサクラクスノキ
約30種、670本の樹木が植生し、
参拝客や地元の人々に癒しを提供しています。

かつては「並木十八丁鉾杉つづき」と称された杉並木
続いていましたが、昭和9(1934)年の「室戸台風」による倒木、
戦時中の燃料利用のための伐採、
戦後のモータリゼーションの発展によって発生した
排気ガス等の要因により枯死(こし)

現在では根を張りやすいケヤキなどが中心となって、
緑溢れる景観を形作っています。
氷川神社参道 9
かつて氷川参道のおよそ2kmの道のりは
18に区切られ、一丁(いっちょう、109m)ごとにその境界を表す
丁石(ちょうせき)が置かれていました。

当時の物は氷川神社や市立博物館に収蔵された一部の物を除いて
残されてはいませんが、
平成元(1990)年に再建された丁石が、
かつての趣を伝えてくれます。
氷川神社参道 10
参道の傍らには、歴史と信仰を感じさせる小さな社。(楢姫稲荷)
氷川神社参道 11
参道を少し外れた住宅街の中に佇むのは、
石川県小松市の記事でも取り上げた仏様・青面金剛(しょうめんこんごう)を祀った、
康申塔(こうしんとう)

江戸時代、日本各地に存在していた(こう、仏教の講話を聞くために集った人々の集団)
によって建てられたものの一つで、宝暦10(1760)年の建立。
かつては50mほど東に在り、参拝の道しるべともなっていたそう。
氷川神社参道 12
堂内に納められた青面金剛像。
中国・道教由来の仏様で、厳つい顔立ちが特徴的。
石川県小松市の古刹・那谷寺(なたでら)では、
何故か「縁結びの神様」として祀られていました。
(ここでもそうなのかは不明)
氷川神社参道 13
寄り道スポットその2。

こちらも住宅街の中に現れる小山、浅間山(せんげんやま)
周囲90m、高さ約4m。人の手によって造られた築山で、
江戸幕府八代将軍・徳川吉宗(とくがわ よしむね)の治世に
沼地の干拓と用水路の開削のための三角点として築かれました。

この築山と用水路との距離がだいたい千間(せんけん、およそ1.8キロメートル)
程度であったため、
この山も千間山(せんげんやま)と呼ばれるようになりました。

やがて江戸中期になると庶民の間で山岳信仰が流行し、
富士山を崇める浅間神社(せんげんじんじゃ)をここへ祀ることとなり、
現在の「浅間山」に改められたと考えられています。
氷川神社参道 14
浅間山」の名の通り、小高く隆起した境内。
山上には富士山をご神体とする浅間神社の他、
稲荷神を祀る祠が建てられています。
氷川神社参道 15
浅間山頂上(と言っても4mですが 笑)に鎮座する、
浅間神社(せんげんじんじゃ)

祠の中には「浅間祠」と書かれた碑が納められているのですが、
これは勝海舟(かつ かいしゅう)、高橋泥舟(たかはし でいしゅう)とともに
「幕末の三舟」と称された政治家で幕臣、
山岡鉄舟(やまおか てっしゅう)の手によるもの。

思わぬところで出会った「お宝」に、テンションUP↑
氷川神社参道 16
しばしの脱線の後、参道へと戻って参りました。
十五丁目付近から続く石畳の区間は平成ひろばと呼ばれ、
平成元(1990)年に旧大宮市によって都市緑地として整備されました。

地面を固めるのは、高級石材として知られる御影石(みかげいし)。
氷川神社参道 16.5
「平成ひろば」の両側には、日本庭園風の散策路が設けられています。
氷川神社参道 17
ここで取り出したのは、みたらし団子
氷川神社周辺では、参拝ついでに頂くお団子が名物となっているそうで、
暑い一日にも関わらず売り子のお兄さんが台車を引いて
熱心に売り歩いておりました。
(のんびり歩いていた所為か、購入時含め計3度同じ人と遭遇しました 笑)

パックには戦国武将・直江兼続(なおえ かねつぐ)をモデルとした
キャラクター・かねたんが描かれていますが、
大宮と直江兼続って、関係あったっけ?
氷川神社参道 18
中身のお団子は、もちもち。
たっぷり掛かったタレはほのかに甘く、
参道歩きの合間の糖分補給にピッタリ♪
氷川神社参道 19
「平成ひろば」を抜けた先に見えてくるのは、二の鳥居
高さおよそ13メートル、幅17メートル。
木造の「明神鳥居」としては関東最大級の規模を誇ります。

現在の鳥居は昭和51(1976)年に明治神宮より移築
されたもので、
木材には大正9(1920)年に台湾・阿里山(アーリーシャン)より
伐採(当時台湾は日本の統治下に在り、現地の資材を容易に入手出来たと思われる)された、
樹齢1200年を超えるケヤキ材が用いられていると
言われています。
氷川神社参道 20
間近で見上げた二の鳥居
「関東最大級の木造鳥居」だけあって、大層な迫力!
氷川神社参道 21
鳥居の先からは、また雰囲気が変わります。
目指す神社境内はもうすぐ!
氷川神社参道 22
青々とした竹林が印象的なこちらの施設は、
氷川の杜文化館(ひかわのもりぶんかかん)

能楽・日本舞踊・三曲(琴・三味線・尺八)・茶道・華道といった
伝統文化の振興と活動の拠点として、平成10(1998)年に設立された
文化交流施設。
参道に面した前庭にはご覧の通りの竹林が広がり、
並木の続く参道に違った色合いをもたらしています。
(時間の都合により、今回はパス)
氷川神社参道 23
参道脇に佇む、立派な切り株。
かつて参道を彩っていた、の亡骸でしょうか?
氷川神社参道 24
参道の終点となる、三の鳥居(昭和15・1940年奉納)が見えて来ました。
この先はいよいよ氷川神社境内となります!

並木に癒され、信仰と参詣の歴史がそこかしこに残る、氷川参道。
関東にお住まいの皆さんも氷川神社へ詣でる機会があれば、
かつてお参りした人々の心地になって、
2kmの「古道」を歩いてみてはいかがでしょうか?

次回は氷川神社の境内をご紹介!
参道同様に包まれた社地の様子と、
「一之宮」の社殿、境内各所で祀られた摂末社の一部をお伝えします。
それでは!

参考:各所説明書き
    コトバンク

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プロフィール

詞-Nori-

Author:詞-Nori-
旅行系ブロガー。
趣味は旅行、町歩き、食べ歩き、
鉄道等々。

目下地元・福岡県に戻り、
次なる行動に向けて準備中。