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岩槻散歩4 ~デラックスロマンスカー~

トーフラーメン 6
「レストラン大手門」の「トーフラーメン」で腹を満たした私。
続いて向かうのは、「岩槻城址公園」の東北部分。
デラックスロマンスカー 1
芝生広場を突っ切り、木立の中を抜けて行くと、
木々の間から目当てのものが見えて来ました!
デラックスロマンスカー 2
それがこちら、1720系 デラックスロマンスカー!

関東を代表する大手私鉄・東武鉄道
30年に渡ってフラッグシップ車両として活躍した特急型電車で、
昭和35(1960)年に第一編成が落成。

平成2(1990)年の100系スペーシアの登場と
翌平成3(1991)年の引退まで、日光線鬼怒川線系統の特急、
「けごん」「きぬ」で活躍していました。
デラックスロマンスカー 3
開発の背景に有ったのが、日光戦争と呼ばれた
都心⇔日光間のアクセス・旅客争奪戦。
ライバル・国鉄との戦いを優位に進めるべく、東武鉄道
・高い居住性を備え、外国人観光客にもウケるものであること
・曲線、勾配、高速域での加減速に優れ、
特に均衡速度※では他の追随を許さないものであること
・編成全体の形状・構造が優美・斬新で、
スピード感と格調高さを両立させたものであること
・電装品、足回り、その他各種装置が堅牢・高性能であること
・軽量構造であること

※動力車の駆動力がその速度での走行抵抗と釣り合い、
それ以上に加速しなくなった時点での速度。
平たく言うと、「これ以上出せませ~ん!状態」、
といったところでしょうか。

といったコンセプトを策定。
その結果、当時としては破格の車内空間と居住性、
最高110km/h、設計165km/hという(当時としては)高性能、
独特でスタイリッシュなデザインなどが相まって、
日光アクセスに於いてライバル・国鉄をぶっちぎることに成功。

その後の東武特急発展への足掛かりとして、
また日本鉄道史上に於いても、燦然と輝く「名車」となりました。

現在は先頭車2両(うち1両は車体を分割した、「カッティングモデル」)、
中間者2両がそれぞれ現存。
うち1両、モハ1726が「市制40周年」を記念して
旧岩槻市へと寄贈され、唯一の先頭車フルモデルとして、
その雄姿を留めています。
デラックスロマンスカー 5
国鉄の「ボンネット車」を思わせる、前頭部と配色。
しかし車体デザインそのものはライバルのそれと
大きく異なっており、東武特急の独自性を引き出すことに成功。

高級感を醸し出す造形は、
日産自動車の高級車・セドリック(初代)にも例えられました。
デラックスロマンスカー 4
先頭部に輝く、ヘッドマーク
現在では列車愛称を示すヘッドマークは多くの車両で廃され、
もしくは最新のLED式となっていますが、
「デラックスロマンスカー」のヘッドマークはサボと呼ばれる、
手で差し替える方式のもの。

東武鉄道のシンボルとして君臨した「デラックスロマンスカー」は、
メインとなる日光・鬼怒川方面への特急・「けごん」、「きぬ」に充当され、
多くの観光客を運びました。
デラックスロマンスカー 6
後方から。
この「モハ1726」は全長21.4m、全幅2.85m、
全高4.065m、自重36.2t。
52名の乗客を運ぶことが出来る設計となっています。

車両後方に見える小窓は、トイレのもの。
この保存車両では、対面の洗面所ともども非公開となっているようです。
(保存に携わる方曰く、物置きと化しているのだとか・・・
その部分も見たいなぁ)

パンタグラフは機能停止、電気を取り込む架線もないため、
車外ではエアコン用の室外機が存在感を放っています(笑)
デラックスロマンスカー 7
床下に装着された、住友金属(現 新日鐵住金)製FS334台車。
車体や搭載機器、乗客等の重量を支えるこの台車には、
空気ばねや発電ブレーキ併用の
電磁直通ブレーキ(空気ブレーキに電磁弁を付け、
応答性を高めたもの)といった新技術が惜しみなく投入され、
特急車両として必要な、加速性・高速走行性能・優れた乗り心地を
高いレベルで実現していました。

後年増備車から仕様の異なる台車(FS370)が搭載され、
残る初期車も台車の換装を受けることとなりますが、
保存されている先頭車は東武博物館の「モハ1721」とともに、
初期の「FS334」へと差し戻されています。
デラックスロマンスカー 8
それでは、車内へ参りましょう!
入ってスグのところで現れるのは、いつもの如く乗降デッキ
現在のようなスペースを必要としていなかった、
昭和の鉄道車両。

その代表作とも言える「デラックスロマンスカー」でも、
乗降スペースは必要最小限、といった印象。
乗降ドアは内側に向けて開く、
路線バスのような折り戸となっています。

現在の鉄道車両では既に廃れて久しい、
ある意味希少な光景。
デラックスロマンスカー 9
右手(もしくは左手)を覗いてみると、そこは運転室
「パイロット」たる運転手が乗務し、列車をコントロールした、
まさに鉄道車両の指令室
デラックスロマンスカー 10
ハンドルはブレーキとマスコン(車で言うアクセルのようなもの)の
2ハンドル式
今ではモニターが並ぶ「グラスコクピット」が主流となっていますが、
まだ高度なコンピューター化・ネットワーク整備が
行われていなかった時代・・・
デラックスロマンスカー 11
たくさんのボタンや計器類が並びます。
デラックスロマンスカー 12
続いて客室内へ。
座席配置は現在の東武特急と同じ、横2+2列。
白系の壁面に対し、オレンジ色に塗られた座席が目を引きます。

今では当たり前となっている、デッキ・客室間の自動ドア
(「デラックスロマンスカー」では、「マジックドア」と称した)も、
この形式が日本初導入だったりする。
デラックスロマンスカー 13
こちらが「デラックスロマンスカー」の座席。
横幅こそ特急車両としては標準的なものながら、
特筆すべきはシートピッチ(前後間隔)と付帯設備。

大量輸送が必須となる鉄道車両でありながら、
「デラックスロマンスカー」では実に
1,100mmものシートピッチを確保。
これは現在のグリーン車にも相当する広さ。

座席は3段階で調節可能なリクライニングシート
機能性と快適性こそ現在の「フリーストップ式」には及びませんが、
これも当時としては破格の機構だったそう。

また中間の肘置きを廃する(いわゆる「ロマンスシート」)ことで、
一人当たりの占有面積を高める工夫がなされています。
デラックスロマンスカー 14
シート背面は、パンフレット等を挟むための網のみという、
シンプルな造り。
しかし、足元には土足・土足禁止両面を備えた
フットレスト(足置き)が設けられ、
これも全車普通車の車両としては破格の設備。
デラックスロマンスカー 15
リクライニング角度を最大にすると、こんな感じ。
最新型シートのような枕は装着されていないものの、
柔らかい生地や肌触りの良いモケットも相まって、
現代でも十分通用するのではないか
と思える座り心地。

足下の広さもあって、思う存分くつろげます♪
ああ・・・ここに住みたい(笑)
デラックスロマンスカー 16
付帯設備で特徴的なのが、シートピッチの広さを生かした
壁際設置の折り畳み式テーブル
後継の100系スペーシアにも導入されたこのテーブルは、
向かい合わせでの使用も考慮した、
東武特急フラッグシップの象徴とも言えるもの。
デラックスロマンスカー 17
「車窓」からの眺めは、こんな感じ(笑)
デラックスロマンスカー 18
客室内、荷棚上に飾られていた、
現役時代の1720系「デラックスロマンスカー」を捉えた写真。
「東武の女王」と呼ばれ、堂々、6両フル編成を組んでいた頃の雄姿です!
デラックスロマンスカー 19
こちらは列車の運行計画を示す、ダイヤグラム
「デラックスロマンスカー」が東武鉄道の「広告塔」として
走っていた、昭和53(1978)年11月ダイヤ改正の際のもの。
デラックスロマンスカー 20
ビッシリと書き込まれているのは、
列車ごとの動きを表す「スジ」。
緻密に計算されたこれらの運行計画が、何十、何百もの列車を
動かしていると思うと、感服の至り!

こうした労力の積み重ねが、世界トップクラスと言われる
日本の鉄道網を支えているのでしょう。

「伝説の名車」の残滓を感じさせる、岩槻城址公園の保存車両。
「デラックスロマンスカー」には他にもビュッフェ
ジュークボックス※を備えたフリースペース、
サロンルームが設けられていましたが、
サロンルームは後年の改造によって、
ビュッフェは設置されていた車両そのものが残されていません

※ジュークボックス・・・内部に多数のシングルレコードを内蔵し、
コインを投入することで任意の曲を流す、という機械。

高度経済成長期に綺羅星の如く現れ、
数々の伝説を残した名車の一端を
覗くことしか出来ないというのは、
なんだか寂しいことのようにも思えます。

ただこうして実際の車両を見て、触れて、
体験出来るということは、
鉄道ファンにとって、あるいは未来を夢見る子供たちにとっても、
とても有意義にして有益なことでありましょう。

次回は岩槻散歩最終回
かつての武家屋敷地に残る、
岩槻藩所有の「学校」、「岩槻藩校 遷喬館」をご紹介します。
それでは!

参考:wikipedia

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プロフィール

詞-Nori-

Author:詞-Nori-
旅行系ブロガー。
趣味は旅行、町歩き、食べ歩き、
鉄道等々。

目下地元・福岡県に戻り、
次なる行動に向けて準備中。