ひたち小旅行7 ~ひたちなか海浜鉄道 その2~
- 2020/11/11
- 22:31
さて私、3泊4日(うち高速バスの車中泊1回)の移動を終え、
今週月曜日(9日)に
滋賀県のとある町へとやって参りました~!
わ~!
初居住の県、しかも縁深い(8年間居住)京都のお隣!
早速近場へお出掛け!と行きたいところなのですが、
・ブログのネタが山積
・no money(笑)
・新しい職場への適応
等々の事情により、「滋賀県(or京都)散策」へ出向くのは、
来月となるかと存じます。
皆さま新天地の様子など気になるところではあることと思いますが、
・ひたち小旅行
・鉄道博物館
・横須賀(&横浜夜景)といったこれまで私が見聞した
場所&出来事を先に綴って参りますので、
いましばらくお付き合い頂ければと思います。
さて、前回はひたちなか市を走る第3セクター鉄道・
ひたちなか海浜鉄道の概略と沿線風景、
駅名標などをご紹介しましたが、今回はその続き。

那珂湊駅ホームに「あるもの」を発見し、思わず列車を降りてしまった私。
そこに居たのは・・・

前日乗車した旧型気動車・キハ205!

普段は定期運用に入らず、臨時運用に限定して老身に鞭打って
働いている同車。
「花咲くひたち海浜公園号」の運転に合わせた増結運用から
一夜明けたこの日は、
普段使われていない2番線でお休み中。
ホームの供用部分からはみ出して停まっているため
隅々まで見回すことは出来ませんが、
人も少ない状態で、じっくりと観察♪

車体下部。側面には、差し込み式のサボ(行先標)、
その下に車両番号が明記されています。
足回りや床下機器等は車齢50年超とは思えないほど
キレイな状態に保たれており、
運行に当たる乗務員さんや整備を請け負う整備士さんたちの、
この車両に対する思いが窺えます。

およそ50分後、阿字ヶ浦行きの後続列車が入線して来ました。
ここから乗車するのは、キハ37100形
茨城交通時代の平成14(2002)年に導入された、
自社発注車両
基本的には先行導入されたキハ3710形(95年、97年に1両ずつ導入)と
共通仕様となっていますが、
ブレーキの二重化、乗降ドアの半自動化といった
改良が施されているため、別形式(車両番号は通しの「03」を採用)という
扱いとなっています。
茨城交通色を始めとして数度のカラーリング変更、
ラッピングが施されている「カメレオン列車」は、
現在は地元の公益社団法人・
ひたちなかシルバー人材センターのラッピングをまとって、活躍中。

キハ37100車内。
縦にロングシートを並べた、シンプルな構成。
これもキハ11形同様、典型的な非電化ローカル線向け車両の形。
なんだか大糸線等で運用されるキハ120形を思い出す。

那珂湊駅を発した列車は那珂湊の町を通り抜け、
緑の山野へと分け入って行きます。

7駅目となる殿山駅
1面1線の無人駅。
潮の干満を利用して海水を引き入れるという、珍しい形態の
プール・姥の懐マリンプールや、
水戸藩九代藩主・徳川斉昭(とくがわ なりあき)が選んだ
領内の景勝地・水戸八景の一つ、
水門帰帆(みなとのきはん)の最寄り駅。
なのですが、ネタとしての特徴があまりなかった(失礼)のか、
ひたちなか市の花である、ハマギクと
ケイトウが、駅名標のモチーフとして選ばれています。

8駅目、平磯駅も、1面1線の無人駅。
駅の在る平磯地区は、かつて漁業や
潮湯治(しおとうじ、病気療養を目的とした海水浴)で栄えた、
歴史ある町。
現在でも平磯海水浴場が設けられ、
海水浴シーズンには多数の海水浴客が訪れる、レジャースポット。
駅名標にも海水浴場の人気者、
クジラ型の遊具・クジラの大ちゃんが
描かれている他、平磯太陽観測センターの電波望遠鏡が
モチーフとして選ばれています。

平磯駅付近でちらりと海が覗いた後、
畑作地帯を走る。

9駅目は、磯崎駅(いそざきえき)
カーブの途中に設けられた、1面1線の無人駅。
(変換し過ぎて、1m・・・で予測変換されるようになった 笑)
駅名標のモチーフとなったのは、さつまいも
この地域ではさつまいもの生産が盛んで、
産出された芋を蒸して天日に干した保存・健康食、
干し芋の生産量で、茨城県は日本一!
(そのシェア、実に9割!)
中でもひたちなか市は全国シェアの8割を占めるという
超主要生産拠点となっています。
先ほどの写真に写っていた畑も、もちろんさつまいも畑。
また付近の海岸線は那珂湊層群という、
アンモナイトや翼竜の化石も発見された白亜紀の地層が広がっている他、
1000年以上の歴史を誇る古社・
酒列磯前神社(さかつらいそさきじんじゃ)の
最寄り駅ともなっています。

那珂湊駅から10分ほどで、終点・阿字ヶ浦駅に到着!
ここまで乗客たち(といっても私含めて3人ほどですが)を運んで来た列車は、
そのまま勝田行きとして、折り返しの準備に入ります。

阿字ヶ浦駅の駅名標。
描かれているのは、温泉・アンコウ・釣り針・海藻。
付近は港町や阿字ヶ浦温泉が点在している他、
阿字ヶ浦海水浴場が展開。
またこの駅が、今や県下有数の観光地となった、
国営ひたち海浜公園の最寄り駅となっています。

終着駅らしく、車止めが設置された阿字ヶ浦駅。
最大2両ほどしか連結されないひたちなか海浜鉄道にあって
7両分ものホーム有効長が確保されていますが、
これはかつて上野駅からの臨時急行・
あじがうら号が運転されていた名残り。
現在では3両分を除いて閉鎖されている他、
1面2線の線路のうち1線は使用されず、実質1線のみの供用となっています。
で、その閉鎖された1線を塞いでいるのが・・・

塗装が剥がれて錆が浮き、痛々しい姿の保存車両たち。
勝田・那珂湊方に留置されているのは、キハ222
昭和37(1962)年に富士重工(現SUBARU)で製造され、
北海道・羽幌炭磺鉄道(はぼろたんこうてつどう)に納入。
昭和45(1970)年の同鉄道廃止後、
茨城交通が同車を購入し、転籍。
平成27(2015)年まで運用されました。
運転台正面に取り付けられた、雪国用らしい「旋回窓」が
外観上の大きな特徴。
(この車両が旅客列車として、最後に「旋回窓」を用いた車両でもあるそうです。
とっても貴重!)

キハ222の後ろに繋がっているのは、キハ2000
昭和41(1966)年、新潟鐵工所にて製造され、
留萠鉄道へと納入。
同44(1969)年の路線休止(同46年に正式に廃止)を受け、
キハ222同様茨城交通へと移籍。
こちらも平成27(2015)年に運用を終えました。
車体には国鉄急行色と呼ばれる
飾り帯付きの塗色が施されていますが、
これは運用末期に塗り直された際のもの。
それにしてもこの朽ち具合・・・(特にキハ222は酷い・・・!)
いずれも消え去ってしまった鉄道路線から引き継いだ
貴重な車両だけに、
もっと良い環境・状況での保存は出来ないものか・・・

勝田駅と対を成す終着駅となっている阿字ヶ浦駅ですが、
駅員を置かない無人駅となっています。
こじんまりとした駅舎は人気も少ないのですが、
ひたち海浜公園のコキアやネモフィラが見頃を迎える季節には、
ここからシャトルバスが運行されているそう。
(駅観察に夢中になっているうちに、乗り逃がしてしまいました 笑)
総延長14.3km。30分弱で完乗出来てしまう、小さな鉄路。
しかし来年3月を予定する新駅(美乃浜学園駅)の開業や
将来的なひたち海浜公園付近への延伸計画など、
第3セクターでありながら、明るい話題の多い路線でもあります。
旧型車両に歴史ある駅舎、小さな無人駅の数々、
のどかな風景・・・。
たくさんの魅力とエネルギーに満ちた「小さな鉄旅」へ、
皆さんも出掛けてみませんか?
次回は海辺の町・阿字ヶ浦を散策!
「ある人物」ゆかりの神社や静かな海水浴場の浜辺を歩き、
ひたち海浜公園を目指します。
それでは!
参考:ひたちなか海浜鉄道 公式ホームページ
茨城の海水浴場ガイド
観光いばらき
wikipedia
今週月曜日(9日)に
滋賀県のとある町へとやって参りました~!
わ~!
初居住の県、しかも縁深い(8年間居住)京都のお隣!
早速近場へお出掛け!と行きたいところなのですが、
・ブログのネタが山積
・no money(笑)
・新しい職場への適応
等々の事情により、「滋賀県(or京都)散策」へ出向くのは、
来月となるかと存じます。
皆さま新天地の様子など気になるところではあることと思いますが、
・ひたち小旅行
・鉄道博物館
・横須賀(&横浜夜景)といったこれまで私が見聞した
場所&出来事を先に綴って参りますので、
いましばらくお付き合い頂ければと思います。
さて、前回はひたちなか市を走る第3セクター鉄道・
ひたちなか海浜鉄道の概略と沿線風景、
駅名標などをご紹介しましたが、今回はその続き。

那珂湊駅ホームに「あるもの」を発見し、思わず列車を降りてしまった私。
そこに居たのは・・・

前日乗車した旧型気動車・キハ205!

普段は定期運用に入らず、臨時運用に限定して老身に鞭打って
働いている同車。
「花咲くひたち海浜公園号」の運転に合わせた増結運用から
一夜明けたこの日は、
普段使われていない2番線でお休み中。
ホームの供用部分からはみ出して停まっているため
隅々まで見回すことは出来ませんが、
人も少ない状態で、じっくりと観察♪

車体下部。側面には、差し込み式のサボ(行先標)、
その下に車両番号が明記されています。
足回りや床下機器等は車齢50年超とは思えないほど
キレイな状態に保たれており、
運行に当たる乗務員さんや整備を請け負う整備士さんたちの、
この車両に対する思いが窺えます。

およそ50分後、阿字ヶ浦行きの後続列車が入線して来ました。
ここから乗車するのは、キハ37100形
茨城交通時代の平成14(2002)年に導入された、
自社発注車両
基本的には先行導入されたキハ3710形(95年、97年に1両ずつ導入)と
共通仕様となっていますが、
ブレーキの二重化、乗降ドアの半自動化といった
改良が施されているため、別形式(車両番号は通しの「03」を採用)という
扱いとなっています。
茨城交通色を始めとして数度のカラーリング変更、
ラッピングが施されている「カメレオン列車」は、
現在は地元の公益社団法人・
ひたちなかシルバー人材センターのラッピングをまとって、活躍中。

キハ37100車内。
縦にロングシートを並べた、シンプルな構成。
これもキハ11形同様、典型的な非電化ローカル線向け車両の形。
なんだか大糸線等で運用されるキハ120形を思い出す。

那珂湊駅を発した列車は那珂湊の町を通り抜け、
緑の山野へと分け入って行きます。

7駅目となる殿山駅
1面1線の無人駅。
潮の干満を利用して海水を引き入れるという、珍しい形態の
プール・姥の懐マリンプールや、
水戸藩九代藩主・徳川斉昭(とくがわ なりあき)が選んだ
領内の景勝地・水戸八景の一つ、
水門帰帆(みなとのきはん)の最寄り駅。
なのですが、ネタとしての特徴があまりなかった(失礼)のか、
ひたちなか市の花である、ハマギクと
ケイトウが、駅名標のモチーフとして選ばれています。

8駅目、平磯駅も、1面1線の無人駅。
駅の在る平磯地区は、かつて漁業や
潮湯治(しおとうじ、病気療養を目的とした海水浴)で栄えた、
歴史ある町。
現在でも平磯海水浴場が設けられ、
海水浴シーズンには多数の海水浴客が訪れる、レジャースポット。
駅名標にも海水浴場の人気者、
クジラ型の遊具・クジラの大ちゃんが
描かれている他、平磯太陽観測センターの電波望遠鏡が
モチーフとして選ばれています。

平磯駅付近でちらりと海が覗いた後、
畑作地帯を走る。

9駅目は、磯崎駅(いそざきえき)
カーブの途中に設けられた、1面1線の無人駅。
(変換し過ぎて、1m・・・で予測変換されるようになった 笑)
駅名標のモチーフとなったのは、さつまいも
この地域ではさつまいもの生産が盛んで、
産出された芋を蒸して天日に干した保存・健康食、
干し芋の生産量で、茨城県は日本一!
(そのシェア、実に9割!)
中でもひたちなか市は全国シェアの8割を占めるという
超主要生産拠点となっています。
先ほどの写真に写っていた畑も、もちろんさつまいも畑。
また付近の海岸線は那珂湊層群という、
アンモナイトや翼竜の化石も発見された白亜紀の地層が広がっている他、
1000年以上の歴史を誇る古社・
酒列磯前神社(さかつらいそさきじんじゃ)の
最寄り駅ともなっています。

那珂湊駅から10分ほどで、終点・阿字ヶ浦駅に到着!
ここまで乗客たち(といっても私含めて3人ほどですが)を運んで来た列車は、
そのまま勝田行きとして、折り返しの準備に入ります。

阿字ヶ浦駅の駅名標。
描かれているのは、温泉・アンコウ・釣り針・海藻。
付近は港町や阿字ヶ浦温泉が点在している他、
阿字ヶ浦海水浴場が展開。
またこの駅が、今や県下有数の観光地となった、
国営ひたち海浜公園の最寄り駅となっています。

終着駅らしく、車止めが設置された阿字ヶ浦駅。
最大2両ほどしか連結されないひたちなか海浜鉄道にあって
7両分ものホーム有効長が確保されていますが、
これはかつて上野駅からの臨時急行・
あじがうら号が運転されていた名残り。
現在では3両分を除いて閉鎖されている他、
1面2線の線路のうち1線は使用されず、実質1線のみの供用となっています。
で、その閉鎖された1線を塞いでいるのが・・・

塗装が剥がれて錆が浮き、痛々しい姿の保存車両たち。
勝田・那珂湊方に留置されているのは、キハ222
昭和37(1962)年に富士重工(現SUBARU)で製造され、
北海道・羽幌炭磺鉄道(はぼろたんこうてつどう)に納入。
昭和45(1970)年の同鉄道廃止後、
茨城交通が同車を購入し、転籍。
平成27(2015)年まで運用されました。
運転台正面に取り付けられた、雪国用らしい「旋回窓」が
外観上の大きな特徴。
(この車両が旅客列車として、最後に「旋回窓」を用いた車両でもあるそうです。
とっても貴重!)

キハ222の後ろに繋がっているのは、キハ2000
昭和41(1966)年、新潟鐵工所にて製造され、
留萠鉄道へと納入。
同44(1969)年の路線休止(同46年に正式に廃止)を受け、
キハ222同様茨城交通へと移籍。
こちらも平成27(2015)年に運用を終えました。
車体には国鉄急行色と呼ばれる
飾り帯付きの塗色が施されていますが、
これは運用末期に塗り直された際のもの。
それにしてもこの朽ち具合・・・(特にキハ222は酷い・・・!)
いずれも消え去ってしまった鉄道路線から引き継いだ
貴重な車両だけに、
もっと良い環境・状況での保存は出来ないものか・・・

勝田駅と対を成す終着駅となっている阿字ヶ浦駅ですが、
駅員を置かない無人駅となっています。
こじんまりとした駅舎は人気も少ないのですが、
ひたち海浜公園のコキアやネモフィラが見頃を迎える季節には、
ここからシャトルバスが運行されているそう。
(駅観察に夢中になっているうちに、乗り逃がしてしまいました 笑)
総延長14.3km。30分弱で完乗出来てしまう、小さな鉄路。
しかし来年3月を予定する新駅(美乃浜学園駅)の開業や
将来的なひたち海浜公園付近への延伸計画など、
第3セクターでありながら、明るい話題の多い路線でもあります。
旧型車両に歴史ある駅舎、小さな無人駅の数々、
のどかな風景・・・。
たくさんの魅力とエネルギーに満ちた「小さな鉄旅」へ、
皆さんも出掛けてみませんか?
次回は海辺の町・阿字ヶ浦を散策!
「ある人物」ゆかりの神社や静かな海水浴場の浜辺を歩き、
ひたち海浜公園を目指します。
それでは!
参考:ひたちなか海浜鉄道 公式ホームページ
茨城の海水浴場ガイド
観光いばらき
wikipedia