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横須賀旅5 ~長官公室と長官室~

激動の2020年も、残すところあと2日!
私も年内最後となる「お掃除」を終え、
あとは「年越し」の瞬間を待つばかりとなりました。

年始に掛けては「最強レベル」の寒波の到来も
予期されておりますが、
お仕事の方、お出掛けの方は
くれぐれもお気を付けくださいませ。
(そもそも出掛けられない天候になる地域もありそうですが・・・)

さて、中甲板の船室や展示室を見て回った私。
いよいよ、この階層で最も重要な部屋へと入って参ります!
それがコチラ!
戦艦三笠 5-1
長官公室(ちょうかんこうしつ)

この三笠が連合艦隊旗艦として日露戦争を戦い抜いたのは、
皆さんご存じの通り。

長官公室はそんな艦隊旗艦としての運用を想定して当初より
艦内に設けられた部屋で、
司令長官を始めとする各隊の司令官や艦隊首脳、
艦長らとの作戦会議
内外の来賓の応接に使われた他、
公的な午餐会(ごさんかい)や晩餐会
開かれた場所。
いわば表向きの空間
といったところでしょうか。

日本海海戦の際には、戦死したロジェストウェンスキー少将に代わって
バルチック艦隊の指揮権を引き継いだネボガトフ少将が、
この部屋で東郷長官に降伏の申し入れをしたと
伝わります。
戦艦三笠 5-2
長官公室の中央に置かれた、マホガニー製テーブル

三笠が建造された1902年頃のものと見られており、
軍艦の狭い出入り口を考慮した組み立て式
4本の脚は、微妙な傾斜を持つ公室内の床に合わせて
異なる長さに整えられているそう。

今はご覧のようにテーブルクロスが掛けられた状態となっており
はっきり確認することは出来ませんが、
建造当時流行していたヴィクトリアン様式に則った
意匠が施されているとか。
戦艦三笠 5-3
ここで目を留めたのが、鏡付きのコチラの棚。
その上には・・・
戦艦三笠 5-4
東郷元帥の遺髪を納めた
小さな仏壇が!

死してなお、三笠とともに・・・
本人の意向かは分かりませんが、
東郷元帥とこの艦との特別な関係を窺わせます。
戦艦三笠 5-5
続いては隣の区画、艦内最後部に設けられた長官室

先ほどの長官公室が「表向き」の場であるならば、
こちらは東郷長官が執務に当たられたり、
休息をとられるための、私的な場

ここに置かれている家具も
隣の長官公室や士官室(今回非見学)のものと同様
マホガニー材で製作されており、
「三笠」現役当時のものも残されていることでしょう。

部屋の両側には出入り口が見えますが、
そこから艦尾に設けられたスターンウォークと呼ばれる、
バルコニーへと出られるようになっています。
三笠座乗時、東郷長官も外へ出て
黄海旅順港口日本海の海原を眺めていたのでしょうか・・・
戦艦三笠 5-6
テーブルとともに置かれているアンティーク調の椅子は、
バルーンパークチェアと呼ばれる、
背もたれがバルーン状に整えられた型式のもの。

元々三笠で使用されていた品とは異なりますが、
残された写真から形状の近い1870年代製の椅子を
復元に際して買い求めたそう。
戦艦三笠 5-7
長官室の一角に置かれた、
ロールアップデスクと呼ばれる机。

東郷元帥が海軍軍令部長の任に在った頃、
海軍省で使用されていたもの。

製材はケヤキ材の中でも特に希少な、
コブや根から取れる玉もくという部位から
採取されており、
現在では製作が難しい高価なものだそう。
戦艦三笠 5-8
「スターンウォーク」の出入り口に挟まれた、
マホガニー製の棚。
そこに飾られているのは・・・
戦艦三笠 5-9
立派な額に収められた、明治天皇の御真影

写真の普及とともに民間では広く天皇の尊像(写真)を敬う
風習が広まりましたが、
ここ三笠でも明治天皇を写した御真影が艦長室に飾られ、
海軍のシンボルであるが彫られた
専用の額縁が用意されました。

天皇が「神」とされていた時代、
戦地へ赴く軍人たちもこの御真影と向かい合い、
戦勝の加護を願ったのでしょうか。
戦艦三笠 5-10
長官室の隣で見付けた、厨房と思われる部屋。
戦艦三笠 5-11
当時使われていたものでしょうか?
棚にはグラスやマグカップ、皿といった食器類が
置かれていました。

ここで用意された料理が、
各士官の居室や長官室に届けられていたのでしょうか・・・

続いて立ち入ったのは、追悼室と名付けられた部屋。
戦艦三笠 5-12
ここには三笠乗組員のうち日本海海戦黄海海戦戦死した者、
明治38(1905)年9月11日の爆沈事故
犠牲となった者たちの遺影や・・・
戦艦三笠 5-13
手紙や所持品などの、遺品が展示されています。
華々しい勝利の裏で、凶弾に斃れて行った者たちが居る・・・

戦いの無いこの時代だからこそ、
命の尊さを噛み締める。
戦艦三笠 5-14
「追悼室」の隣の部屋では、「軍隊の華」である
軍楽隊に関わる展示がなされています。

こちらの棚に収められているのは、
軍艦マニアの間で高名な「行進曲 軍艦」(軍艦行進曲)の譜面や
バイオリンの教則本、
軍楽隊志望者が通った東京音楽学校(1952年廃止)の卒業証書、
指揮棒や勲章等。
戦艦三笠 5-15
楽器たちが収められた棚。
バイオリンピッコロ フルートクラリネット
トランペットユーフォニアム等々。

読者の皆さんの中にも、馴染みのある方も
いらっしゃるのではないでしょうか?
戦艦三笠 5-16
旧海軍で着用されていた制服たち。
左から
・准士官 外套(がいとう、いわゆるコート)
・士官 夏用軍服
・士官 冬用軍服
・軍楽兵下士官 冬用軍服

さて、まだまだ見ていない区画もあるものの、
そろそろ「三笠」を離れるとしましょう。
その前に・・・
戦艦三笠 5-17
こちらの三笠神社へお参り。

「武蔵国一の宮」・氷川神社の回でも触れましたが、
旧日本海軍では武運長久と艦の無事を願って
艦内に祠を奉斎する風習があり、
この「三笠」では伊勢神宮より神宮大麻※を受けて
御祭神である天照大神の御分霊をお迎えして、
乗組員たちが幸運と勝利を祈りました。

※神宮大麻・・・読みは「じんぐうたいま」。
          祓い具(祓い串)の御真(ぎょしん)を清浄な和紙で包んだ、
          伊勢神宮のお札。
戦艦三笠 5-18
「三笠神社」の傍らには、東郷平八郎元帥の胸像
安置されておりました。

戦艦三笠 5-19
たっぷり三笠を堪能(2時間も・・・!)し、
外へ出て来た私。

ここまで三笠に全力投球しておりましたが、
軽く「記念艦三笠」が置かれている
三笠公園についてご紹介。

三笠公園横須賀新港に面した公営の公園施設で、
目玉となるのはやはり「記念艦三笠」。

ですがその周囲もをテーマに
記念艦や都市の景観に合わせた空間づくりが行われており、
湧き出る水が階段状に流れ落ちるさざなみの階段
決められた時間になると音楽に合わせて水が踊りだす噴水・
音楽噴水池
高さ7m、幅55mの壁面からダイナミックに水が溢れるもr・・・
壁泉など、
「保存施設」に止まらない「憩いの場」としての設計がなされています。
戦艦三笠 5-21
「三笠」を背にしたこの広場にも噴水が溢れています。
その中心に佇むのは・・・
戦艦三笠 5-22
東郷元帥の銅像!

「背が低かった」とされる東郷元帥ですが、
双眼鏡を手に軍刀を携え、鋭い眼光を放つかんばせからは、
「伝説の軍人」に相応しい威厳と迫力が感じられます。

傍らには有名な信号旗の文句・
皇國興廃在此一戦(皇国の興廃この一戦に在り)の字が
刻まれた石碑が置かれており、
「三笠」と合わせて「東郷元帥のための空間」といった趣。
戦艦三笠 5-23
この広場の片隅にひっそりと立つ、月桂樹(げっけいじゅ)

これは昭和36(1961)年5月27日の「三笠復元記念式典」に際し、
「三笠」復元に多大な尽力をなされた米海軍の名将、
チェスター・ニミッツ元帥
アーレイ・バーク作戦部長、
ジョン・コナリー海軍長官
三名の名で植えられた月桂樹のうちの一本(写真奥)。

他の二本は50年を超える歳月のうちに枯れてしまい、
国の枠を超えて「英雄艦」の復元・保存に力を尽くした
名将たちの功績を後世に伝えるため、
傍ら(手前側)に新たに1本の月桂樹が添えられています。
戦艦三笠 5-24
この月桂樹の隣にドドン!と置かれたSL!

これは本物!ではなく・・・
戦艦三笠 5-25
横須賀市がいずれ来るであろう「大災害」に備えて築造した、
大型の貯水槽

ここ「三笠公園」は非常時の避難場所とも
なっており、
いざという時には10,000人の避難者に
1日3リットルの水を3日間供給できるよう、
新鮮な水100㎥(10万リットル)分蓄えられているそう。

SL(蒸気機関車)の形に整えられているのは、
美しい公園の景観の邪魔にならぬようにという、
横須賀市の配慮でしょうか。(私は好きです!)
戦艦三笠 5-26
たっぷり楽しんだ「三笠見学!」
次は場所を移しまして、「軍港の見える公園」・ヴェルニー公園
向かいます!

参考:記念艦三笠 公式ホームページ
            解説パネル
    横須賀観光情報 ここはヨコスカ
    さくらレンタルサーバー
    Wikipedia

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Author:詞-Nori-
旅行系ブロガー。
趣味は旅行、町歩き、食べ歩き、
鉄道等々。

目下地元・福岡県に戻り、
次なる行動に向けて準備中。