神の住む島 1 ~琵琶湖横断・快足クルーズ!~
- 2021/07/28
- 11:43

竹生島(ちくぶじま)
滋賀県長浜市の沖合6kmほどに浮かぶ島で、
周囲2km、0.14㎢の面積は、琵琶湖で2番目の大きさ。
(1位は近江八幡市に属する沖島)
島内には西国三十三所札所めぐりの第三十番札所に
選ばれている名刹・宝厳寺(ほうごんじ)と
明治の神仏分離により分立した
都久夫須麻神社(つくぶすまじんじゃ)の
一社一寺が鎮座している他、飲食店や土産物店が存在。
多数の観光客が訪れ、寺社や店舗に勤める人々も居ることから
一見有人島のようにも見えますが、
実は無人島
午後4時を最後に観光客は島を離れ、
店舗従業員や寺社への奉仕者たちが去った後、
島は無人、否、神のみが住まう島となり、
一夜の間何者をも拒む聖域として
静かに湖上に漂います。
今回はそんな「信仰の島」・竹生島を目指し、
湖北地域の中心都市・長浜市へ!
観光船の発着する長浜港から高速クルーズ船に乗り、
神秘に包まれた「湖上の神域」を目指します!
5.30 Sunday
゛滋賀県勤務最後の休み″となったこの日。
一週間前の「近江八幡旧市街巡り」に続いて訪れた
ド快晴の下、いつもの如く「最寄り駅」・近江八幡駅へ。
そこから新快速→北陸本線普通と乗り継いで・・・

長浜市の中心駅・長浜駅に到着!
明治15(1882)年、長浜―敦賀間の鉄道開通
(のちに北陸線と命名)と同時に開業した歴史ある駅で、
京阪地域と直結された新快速が発着
(一部の列車は滋賀県北端の近江塩津駅まで直通)する他、
一部の特急しらさぎも停車し、名古屋方面へも連絡する等、
名実ともに長浜市、もしくは湖北地域の中心駅としての地位を
確固たるものとしています。
開業当初使われた初代駅舎は東西24.5m、南北9.7m、
木骨をベースに石灰コンクリートで固めた
英国式レンガ建築で、
当時最新の技術であったトラス構造
(三角形を基本として用材を組み上げて行く工法)が採用される等、
「鉄道路線の基点」に相応しい意匠と風格を兼ね備えた
「ターミナル駅」として完成しました。
この初代駅舎は駅施設が移転(北へ150mほど)した後も
開業当初の位置(現在の「長浜鉄道スクエア」)に残され、
国内最古の鉄道駅舎として
長浜市民や鉄道ファンに親しまれています。

現在の長浜駅舎は平成18(2006)年の
北陸本線長浜―敦賀間直流化工事完工に合わせて開業した、
6代目駅舎
新築に合わせて駅は橋上化され、
自由通路を設けることで長浜市街の東西の人流を活性化。
外観は初代駅舎をモデルとしてレンガ調の外壁と煙突を再現し、
現代的な造りでありながらどこかレトロな雰囲気を醸し出しています。

通路端のデッキからは、「天下人」・豊臣秀吉最初の城である
長浜城の跡地に建てられた、
模擬天守(もぎてんしゅ。実際のものとは規模や位置、
外観などが大きく異なっている天守や、
実在性に依らない「天守風建築」などに付けられた呼称)が
見えています。(長浜城歴史博物館)
長浜駅の琵琶湖側出口・西口から10分ほど歩いて行くと・・・

琵琶湖湖岸の港・長浜港に到着!

ここに来たお目当てはコチラ、
琵琶湖汽船運営の観光船のりば。
琵琶湖汽船は京阪地域を中心に鉄道やバス、百貨店、
ホテルなどを展開する京阪ホールディングス傘下の船会社。
大津市の大津港と2ヶ所の観光港
(以前ご紹介したびわ湖大津プリンスホテルの前にも発着場があります)、
湖西地方・高島市の今津港、
そしてここ長浜港を起点に大津港クルーズや都市間航路、
湖上の島嶼(とうしょ)を結ぶ航路を運航しており、
長浜港からはこの日の目的地である竹生島を経由して
対岸の今津港へと向かうびわ湖横断航路が
通常5便、繁忙期8便運航されており、
湖上交通には欠かせない存在となっています。

乗り場の窓口でまず乗船券を確保。
乗船までの間は琵琶湖を眺めたり・・・

ヨットハーバーを見物したりして待機。

しばらくすると沖合に船が現れ・・・

接近して来ました。

今回乗船するのは、琵琶湖汽船所有・べんてん号。
昭和58(1983)年に進水した高速船で、
全長25m、全幅5.7m、総トン数74トン、
旅客定員164名。
主機関には最大896馬力を発生させるディーゼルエンジンが
搭載され、21.36ノット(39.5km/h)の最高速力を発揮。
長浜港と竹生島を30分、竹生島と今津港を25分で結びます。
(竹生島に寄港しなければ、45分ほどで琵琶湖北部の横断が
可能になると思われます)
船名の由来は、「日本三大弁財天」と称される、
竹生島弁財天

「べんてん」一階船室内の様子。
明るい白をベースとして床は木目調に装飾。
そこにベージュ系の座席が2-4-2の配列で設置された、
清潔感と温かみを感じさせる内装。
船尾には展望デッキも配され、
湖上の風と空気を感じながらのクルーズが楽しめます♪

「べんてん」船室に並ぶ座席。
安価な価格設定と高級感漂う客室設計がウリの
「おけいはん」のグループ会社らしく、
座席の造りは列車のソレにそっくり!
木目調の肘置きと荷物掛けを兼ねた背面テーブルが
(せいぜい30分程度の乗船時間なのに)設けられた座席は、
質感・座り心地ともに良好!
短距離・短時間の乗船時間がもったいなく感じるほどの
クオリティを誇ります♪
(帰路にて存分に楽しみました♪)

船内に設置されたモニターでは、
竹生島の見どころや歴史の紹介、
就航地沿岸の観光案内などが流されており、
竹生島および湖西・湖北の予習にもってこい!

10時10分、(どこから湧いて来たのか 笑)半分ほどの乗船客を乗せた
「べんてん」は、長浜港を離岸。
竹生島を目指す、片道30分の船旅がスタートしました!

後進で乗り場を離れた船は、小さな船体を生かしてそのまま港内で反転。
方向転換を終えると、まずは港の外へ。

湖岸からは、長浜城天主閣がお見送り。

港外へ出た「べんてん」は、エンジンを轟かせながら一気に加速!
長い航跡(ウェーキ)を引きながら、たちまち長浜市街を置き去りに。

遠くには「滋賀県最高峰」・伊吹山。

約40km/hで驀進する「べんてん」。
前方からはエンジン等の冷却に使われた排水が
凄まじい勢いで吐き出されています!
屋外デッキには結構な強さの風が吹き付けますが、
暖かな陽気のお蔭で寒さはナシ。

琵琶湖西方に連なる、比良山系の山並み。

4月に登った、賤ケ岳も見えています。

出港から20分。前方から船の寄港地・竹生島が接近!

島に方角を定めた船は、速度を落としながら徐々に近づいて行きます。


やがて島内の建築物がハッキリ視認できるようになると、
船は速度を落として船着き場へのアプローチへ。
そして10時40分、「べんてん」は島唯一の船着き場・
竹生島港に到着!
ここで上陸する観光客と竹生島から乗り込む
新規客を入れ替えた船は、琵琶湖西岸・今津港へと向かいます。
参考:琵琶湖汽船 公式ホームページ
湖北地域情報誌 みーな
Wikipedia
竹生島クルーズ(琵琶湖汽船・長浜港)
営業時間
9:00~16:30
お問い合わせ
〒526-0067 滋賀県長浜市港町4-17
TEL 0749-62-3390
FAX 0749-65-0735
アクセス
車
北陸自動車道 長浜I.Cから約15分
公共交通機関
北陸本線 長浜駅から徒歩約10分
乗船料金
長浜港⇔竹生島港(往復)
大人 3,100円
学生 2,500円
小学生 1,570円
(未就学児は大人1名に付き1名分無料。
2名の場合は小学生料金1名分を徴収)
びわ湖横断航路
今津港~竹生島港~長浜港(片道)
大人 2,880円
学生 2,300円
小学生 1,440円
※びわ湖大花火大会開催日は今津航路・長浜航路ともに
午後便運休
※竹生島島内の文化財の拝観、土産物店等の利用には
別途大人500円、小人300円が必要となります。
(中学生以上は大人料金)
※15名以上の団体の場合、団体料金として乗船料金を10%引き。
(10円未満の端数は切り上げ)
時期や日ごとの運航ダイヤに付きましては、
琵琶湖汽船公式サイトをご参照ください。