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越前旅13 ~福井城・山里口御門~

福井城 1
福井城

かつて福井市街の中心を占め、
徳川治世下で親藩大名・越前松平家
(初期67万石、最終石高32万石)の
居城として君臨した城。

関ヶ原の戦いで徳川家が天下を掌握した翌年の
慶長6(1601)年、

越前国主に任じられた徳川家康の次男・
結城秀康(ゆうき ひでやす)の命により、
それまでこの地に在った北ノ庄城
(きたのしょうじょう。織田家臣・柴田勝家の居城であった)を
拡張する形で着工。

徳川一門に名を連ねる大名家(いわゆる親藩大名)に
相応しい城とするべく各地の大名を動員した
天下普請(てんかぶしん)が行われ、
同11(1606)年に竣工を見ました。
(家康公自ら城の縄張りを手掛けたとする説も)

城は標高16.3mの平坦地に築かれた平城で、
天守・本丸御殿が置かれた本丸を中心に、
二の丸・三の丸などの曲輪とそれを囲む
同心円状に巡らせた、環郭式(かんかくしき)と呼ばれる
築城技法によって造られています。

築城当時は本丸北西隅に四重五階、
高さ約30mにも及ぶ望楼型の天守
築かれていましたが、
寛文9(1669)年の火災によって焼失

以後本丸南東隅に建っていた巽櫓(たつみやぐら)、
同じく南西隅の坤櫓(ひつじさるやぐら)を
三重に改築した上で、天守の代用としていました。

明治維新後に廃城となり、建築物は残らず解体
周囲に巡らされていたも埋め立てられ、
現在では元藩主・松平氏によって「試農場」として
使われていた本丸と、
それを囲む内堀が残るのみとなっています。

遺構としては福井藩第5代・第7代藩主を務めた
松平昌親(まつだいら まさちか)と
その母・高照院(こうしょういん)の墓所である
福井市足羽・瑞源寺(ずいげんじ)に
移築された本丸御殿の一部が現存。

また平成20(2008)年には築城400年を機に
内堀に架かっていた屋根付きの橋・
御廊下橋(ごろうかばし)が、

同30(2018)年には御廊下橋と接した枡形門・
山里口御門(やまざとぐちごもん)が、

また城の北東、松平家別邸・養浩館(ようこうかん)に隣接した
福井市立郷土歴史博物館の敷地内に、
舎人門(とねりもん)が復元されています。(天守はマダ~?)

今回からは「福井のシンボル」として君臨していた
巨城、その中心であった本丸の跡やその周辺を巡り、
「徳川親藩」の威光を示した城の姿に
スポットを当てて参ります。


福井駅にて恐竜体験を楽しみ、
名物・ソースカツ丼でお昼ごはんを済ませた私。
福井城 2

福井城 3

福井城 4
市街地半望の絶景が拝める
ホテルフジタ福井にチェックイン
(前倒しで入れて下さいました♪)し、
しばし眺望を楽しんでから・・・
福井城 5
いざ、福井城へ!

先に述べた通り、
現在では本丸周辺のみが残る、福井城。

広大な内堀に護られた四角形の曲輪には、
当時の石垣が天守台も含めて完全な形で現存。

かつての本丸御殿跡には福井県庁舎や
福井県警察本部、福井県議会議事堂などの
公官庁が建ち並び、
江戸の昔から変わらぬ公権力の拠点として
機能し続けています。
(藩幕体制を倒した側の統治機構が、
倒された側の拠点にそのまま居座っている・・・
とっても皮肉 笑)
福井城 21
内堀から立ち上る石垣。

福井城では二つの技法を用いて石垣が積み上げられており、
天守台や櫓台、枡形といった主要部を除いた部分では、
石材を割り、加工することで積みやすくした
打込みはぎという技術が用いられています。
福井城 22
こちらは天守台。

天守台では割った石材をさらに削ることで
形を整え、隙間なく積み上げる
切込みはぎという技法を採用。

さらに隅角部を算木積み
(さんぎづみ。直方体に加工した石材を
交互に積み上げる技法)とすることで、
石垣全体の強度を高める工夫がなされています。
福井城 6
堅牢な石垣に囲まれた福井城本丸で
突破口の一つとなるのが、
御廊下橋山里口御門

山里口は福井城に三カ所設けられた
出入り口(枡形)の一つで、
「山里丸」と称された西二の丸と、
天守台直下を繋ぐ重要な場所。

本丸と二の丸の移動と連絡を担っていた他、
三の丸に置かれていた御座所
藩主が居住した際には、
ここを通って政庁である本丸御殿に通うための
登庁口ともなっていました。
福井城 7
御廊下橋は山里口の前面、
内堀の狭隘部分に掛けられた橋。

ご覧の通り城内に架けられた橋としては珍しい
屋根付きの橋であり、

西三の丸の御座所から
5人の藩主(5・7代昌親(まさちか、のち吉品)、
12代重富(しげとみ)、13代治好(はるよし)、
16代慶永(よしなが。「春嶽」と号す)、
17代茂昭(しげあき。最後の藩主)が
本丸へと通った、通行路の役割も果たしていました。
福井城 9
御廊下橋内部の様子。

過度な装飾こそないものの、
趣ある造りは「質実剛健」を旨とする
武家建築らしいもの。

足を踏み入れれば芳醇な木の香りに包まれ、
なんだか落ち着いた心地。
福井城 10
窓からの眺めは、こんな感じ。
福井城 12
御廊下橋を抜けた先が、
本丸西方の出入り口となる山里口御門

築城当時から存在していた城門で、
御廊下橋や天守(天守台)と接していたことから、
「廊下橋御門」や「天守台下門」の異名を頂戴。

寛文9(1669)年の大火で天守ともども
焼失してしまいましたがその後再建され、
明治維新まで存立。

明治4(1871)年、福井藩からの請願により
他の建築物とともに破却されてしまいました。
平成30(2018)年に御廊下橋に続いて復元され、
かつての城の趣を思い起こさせてくれる
建築物となっています。
福井城 11
門の構造は簡素な造りの棟門
上部に櫓を載せた櫓門の二つの門によって
形成された、枡形門

攻め込んで来た敵軍に対しては
まず棟門でその勢いを止め、
突破された場合は敵兵を狭い枡形内に誘い込み、

櫓門や石垣上に設けられた土塀から
攻撃を加える、
二段構えの備えがなされていました。

最初の門となる写真右手の棟門
2本の柱とその上部に渡された冠木(かぶき)によって
切妻造りの屋根を支える、
冠木門と呼ばれる簡素な形式。

門扉や柱には欅(けやき)材が用いられ、
主要部を鉄材で補強してあります。
福井城 23
枡形内の様子。

棟門と櫓門に挟まれた狭隘な空間に
多数の敵兵を誘い込むことで、
敵の勢いを削ぐとともに
効率的な迎撃を可能としていました。

写真左手の土塀には
鉄砲狭間(てっぽうざま)や矢狭間(やざま)が開けられ、
御廊下橋から棟門へと殺到する敵勢を
狙撃する構えが取られています。
福井城 14
枡形の背後に聳える、櫓門

両側を石垣に挟まれた地形で、
門の上に窓を備えたが載せられています。

江戸時代には鉄砲や弓、槍などを貯蔵する
武器庫として使用されており、
戦時にはここに保管されていた武器を取ることで、
即座に戦闘態勢へ移行することが出来ました。
福井城 15
櫓門脇から立ち上がる石垣。

門の周辺は、石材を削ることで石垣に生じる隙間を無くす、
切込みはぎという技法が用いられています。
福井城 16
ここで石垣表面にご注目。

細やかな文様が走り、
ざらざらとした質感となっている福井城の石材。

福井城では石垣のみならず城内の用水暗渠
建物の礎石や屋根瓦に至るまで、
市街地南西に広がる足羽山(あすわやま)より
産出された、笏谷石(しゃくだにいし)という
石材が用いられています。

この石は約1,600万年前の火山活動で降りつもった灰が
固まってできた火山礫凝灰岩(かざんれきぎょうかいがん)
と呼ばれる火山岩で、

主に足羽山一帯で採掘され、
なかでも北西側山麓部・笏谷地区の石質が
優れていたことから、
笏谷石という名称が付けられたそう。

水に濡らすと深い青色に変化することから
別名「青石」とも呼ばれており、
薄青色できめが細かいものが上質
されています。

現在では採掘は行われていないそうですが、
かつては石仏や石塔、
さらに生活用具にもこの笏谷石が用いられたようで、
越前の人々の暮らしに密接に関わった石材であることが
窺えます。
福井城 18
よく観察してみると、棟門の屋根瓦や
福井城 17
土塀の腰下部(もちろんそれを支える石垣も!)にも、
笏谷石が使われていることが分かります。
福井城 19
櫓門背面。

枡形内外に渡り、
移動する敵兵を迎え撃つ構えが取られています。
屋根はもちろん笏谷石

右手に出入り口が設けられ、
安全に出入りするための階段が架けられているのですが、
よく見てみると・・・
福井城 20
破損して出入り不可能な模様。

なんともお粗末。
福井城 2-1
山里口御門を突破(?)して、
かつてのシンボル・天守台へと向かいます!

参考:福井市 公式ホームページ
    福井県観光情報ホームページ ふくいドットコム
    攻城団
    福井の宝石 ふくいブルー
    Wikipedia

「越前旅」編
1日目
第1回 第2回 第3回 第4回
2日目
第5回 第6回 第7回 第8回
3日目
第9回 第10回  第11回
4日目
第12回 ~福井駅と「恐竜広場」~

福井城山里口御門

開館時間
7:00~18:00
(ただし、荒天時に臨時休館する場合あり)

入館料
無料(階段は直されたのだろうか・・・)

アクセス
【車】
北陸自動車道「福井IC」より 約15分

【鉄道】
JR「福井駅」下車、徒歩7分
福井鉄道「福井城址大名町」停留所下車、徒歩約5分
福井鉄道「福井駅」下車、徒歩約7分
えちぜん鉄道「福井駅」下車、徒歩約7分

【バス】
京福バスコミュニティバスすまいる
「福井駅」バス停下車、徒歩約7分

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プロフィール

詞-Nori-

Author:詞-Nori-
旅行系ブロガー。
趣味は旅行、町歩き、食べ歩き、
鉄道等々。

目下地元・福岡県に戻り、
次なる行動に向けて準備中。