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越前旅32 ~あわら湯めぐり その1~

芦原温泉 1
芦原温泉(あわらおんせん。「あわら温泉」とも表記)

福井県北部、石川県と境を接する地・
あわら市に在る温泉地。
芦原温泉 2
湯本発見の場面を描いた絵。
公共浴場・「セントピアあわら」にて。

開湯は今から138年前、明治16(1883)年のこと。
折からの日照りの中、
灌漑用を求めて井戸試掘を試みていた、
十楽村(現・あわら市芦原町)の村人たち。

堀抜師(ほりぬきし。錐(きり)や鏨(たがね)を用いて
大地に穴を穿(うが)ち、
水脈を探り当てることを生業とした人たち)が
耕地に穴を空け、竹管を打ち込んだ次の日、
打込まれた竹管を引き抜いてみると、
穴から温かいお湯が湧出。

これがのちに「関西の奥座敷」と称されることになる
一大温泉地の、
最初の湯本(源泉)となりました。
(現在でもえちぜん鉄道あわら湯のまち駅の南西で、
「温泉発祥の地」として語り継がれています)

「おらが村でお湯が出た!」というニュースは
瞬く間に掘り当てた集落はもちろん
近隣の村々にも伝わり、
あちらこちらで(文字通り)熱い掘削ブームが到来。

短期間で多くの湯本が掘りあてられたことで、
無秩序な乱掘を避けるべく、
県が湯数の制限に乗り出す事態となりました。

この「水田の中温泉」の評判は
いつしか周辺地域にまで広がり、
湯治客の到来とともに各所で湯屋や宿、
飲食店・菓子店などが急ピッチで拵えられ
(地元では「芦原普請」と呼ばれる)、

湯本発見からわずか半年後には
田々中村にて開湯式を挙行。
ここに今に続く温泉街の歴史が
スタートしました。

明治45(1912)年には北陸本線金津駅
(かなづえき。現在の芦原温泉駅)から
三国港駅(みくにみなとえき。
現在はえちぜん鉄道の所属駅)まで
国鉄三国線が開業。
(昭和47(1972)年に廃止)

昭和3(1928)年には三国芦原電鉄
(現在のえちぜん鉄道)も
国鉄とは別ルートでの路線の開業に
こぎ着け、
遠方からのアクセスがますます向上したことによって、
温泉街はさらに発展して行くこととなりました。

その後は昭和23(1948)年の福井地震
同31(1956)年の芦原大火といった
災害に見舞われながら、
温泉街の再整備、湯本数の再規定(現在74本)などの取り組みを経て
関西の奥座敷と呼ばれるまでに成長。

古くは文人墨客、
今でも多くの湯治客を惹き付けて止まない、
北陸屈指の温泉地として
君臨し続けています。
えちぜん鉄道 22
そんな温泉地・芦原温泉の玄関口となるのが、
えちぜん鉄道あわら湯のまち駅

バスで10分ほどと少々離れた場所に在る
JR芦原温泉駅と異なり、
温泉街の目と鼻の先に所在。

三国港・福井双方面に毎時2本
(一部の時間帯では1、または3本)の
列車が発着し、
三国港や観光名所・東尋坊(とうじんぼう)の在る
旧三国町や、県都・福井市と行き来するには
最適なアクセス拠点となっています。
芦原温泉 4
駅舎内には観光案内所と物産館を兼務した、
あわら温泉情報処 おしえる座ぁ
併設されており、
温泉街の情報や「温泉みやげ」を
入手することが出来ます♪

(由来となった言葉・「おしえるざぁ」は、
福井弁で「お教えしますよ💛」の意)
芦原温泉 5
そんなこんなで始まった、芦原温泉散策。

まず最初に向かったのは、
あわら湯のまち駅からスグのところに在る、
あわら温泉湯のまち広場

温泉街の中心に佇む「にぎわい拠点」として、
また市民や観光客の「憩いの場」として提供されている
公共スペースで、

福井県産笏谷石天然ヒノキ材で彩られた
落ち着いた空間で
足先の゛温泉浴″が楽しめる芦湯(あしゆ)、

近代中国でいち早く西洋の技法を採り入れ、
不世出の文人となった文豪・魯迅(ろじん)が
日本留学時代に師事した人物の
住居を移築した、
藤野厳九郎記念館
(ふじのげんくろうきねんかん)、

温泉街の発達とともに賓客や湯治客たちを
もてなす存在となった「芦原芸妓(あわらげいこ)」の、
磨き抜かれた所作と技芸が鑑賞できる
伝統芸能館の、
各施設が点在。

また隣接地には和・洋・中さまざまなジャンルのお店で
食事や飲みが楽しめる
あわら温泉屋台村 湯けむり横丁
が伸びており、
「湯のまちあわらを知るならココ!」と言い得る
文化・休憩・歓楽の拠点となっています。
芦原温泉 8
そんな「湯のまち広場」でまず立ち寄りたいのがココ!
芦湯(あしゆ)

平成26(2014)年にオープンした、
数々の温泉地が綺羅星の如く輝く北陸地方でも
最大級の足湯施設。

建物の造りは大正ロマンをテーマに、
芦原大火で打撃を受ける前の
温泉宿をイメージ。

建材には天然ヒノキ材を用いて
建物全体を温もりある空間に仕上げるとともに、
浴槽や床、通路などに「福井といえば!」な石材・
笏谷石をふんだんに使用。

また建物各所に明かり窓を兼ねた
花菖蒲(はなしょうぶ)、芸妓さんを描いた
ステンドグラスをはめ込み、
夜にはこのステンドグラスや浴室内に配された
LED照明発光させることで、

落ち着きと煌びやかさが同居した
「寛ぎの施設」として仕上げられています。
芦原温泉 9
「芦湯」内部には、
あわら市吉崎の民謡・吉崎の嫁おどし
にちなんで命名された5つの足湯が存在。

広く取られたスペースには「温泉街あるある」、
タオルを忘れた場合でも安心の
タオルの自動販売機や、
女性専用の更衣室も設置され、
誰でも、いつでも利用できる環境が
整えられています♪
芦原温泉 22
浴槽内はすべて貴重な笏谷石で葺かれており、
質感バッチリ!

腰掛ける縁の部分もヒノキ張りとされており、
とっても贅沢な気分で「足(芦)浴」を
楽しむことができます♪
芦原温泉 11
今回浸かったのは、
広場に面した三つの足湯の真ん中に位置する、
参の湯(さんのゆ。真ん中なのに 笑)

ここも「吉崎の嫁おどし」の逸話にちなんだ、
鬼面不取の場(きめんとれずのば)という
名前が付けられています。

温泉の泉質は
ナトリウム・カルシウム‐塩化物泉
(食塩泉。割とよく見る気がする)

源泉温度は75℃と55℃で、
安心して浸かれるように温度は
36℃~45℃の間で設定されています。
(この日は42.5℃)
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お湯は少しばかり色が付き、
温泉独特の臭いあり。

足を付けると少し熱め(※個人差アリ)ながら、
足先から「ほっ」と身体が温まる、
心地よい感覚。
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「芦湯」で一息吐いた後は、
軽く広場を散策。

こちらの素朴ながらもしっかりとした造りの家屋は、
藤野厳九郎記念館
(ふじのげんくろうきねんかん)

若かりし頃の魯迅(ろじん)が
日本に留学にやってきた際、
留学先となった仙台医学専門学校
(現・東北大学医学部)で教鞭を執っていたのが、

当時解剖学(かいぼうがく)の教授を務めていた
藤野厳九郎(ふじの げんくろう)氏。

この家屋は職を辞した藤野氏が
生まれ故郷である本荘村(現あわら市)に移り住み、
医師として診療に当たっていた
晩年の住居を移築したもので、
国の登録有形文化財に指定。

記念館内の展示室には書籍、医療器具、 書簡などの
資料が保管・展示されており、
「魯迅の師」の人となりを知ることが出来る
貴重な手がかりとなっているのだそう。
(残念ながら今回はパス!)
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「旧藤野邸」の前には
藤野氏と魯迅の師弟の像が建立され、
近代史に名を残す文人とその師の関わりを、
今に伝えています。
(弟子である魯迅が髭をたくわえ、
威厳たっぷりに椅子に座しているせいか、
なんだか逆の関係に見える 笑)
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「芦湯」の隣にある公民館のような造りの建物は、
伝統芸能館

温泉文化とともに育まれてきた伝統芸能
発表の場として、
また芦原温泉芸妓協同組合に属する
芸妓(げいぎ)さんが己を磨くための稽古場として
設けられた施設で、

伝統芸能を受け継ぐ芸妓さんの
稽古風景を観覧できる他、
芸妓・舞妓(まいこ)変身体験
芸妓とのお座敷遊び体験などの
プログラム(要予約)が用意され、

古より受け継がれて来たお座敷文化の一端に
触れることが出来るそう。
(コロナ禍の影響でしょうか?
私の訪問時は休業中でありました)
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伝統芸能館の前に設置されているのは
噴水ではなく、
温泉が湧き出る手湯

手を突っ込んでみると、
「芦湯」同様じわじわと温泉成分が
浸透して行くのが分かります♪
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お湯の次は、軽~くグルメ!

「湯のまち広場」を出てスグのところにある
だるまや菓舗は、
芦原温泉名物・どんりんを始めとする
和洋の菓子、
和紙や伝統工芸を活かした民芸品などを扱う
「選んで楽しい、見て楽しい」お店。
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どこか「隠れ家チック」な雰囲気漂う店内には・・・
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色鮮やかなお箸や小さなお守り
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伝統工芸品にインスピレーションを得た小物類
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越前和紙などの民芸品がズラリと並び、
見ているだけでワクワクします!
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もちろんお菓子も(きちんと?)ディスプレイ。
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こちらが購入いたしました、
芦原の銘菓・どんりん
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その正体は、フルーツタルトと粒あんを
サックリ生地で閉じ込めた最中(もなか)
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生地を開けると、ほんのり甘い粒あんと、
ふんわり食感のフルーツタルトがコンニチハ♪

粒あんにサンドされたタルトの中には
ペースト状にすりつぶされた
チェリーオレンジ干しブドウなどの
果物が練り込まれ、
粒あんと合わせて多様な「甘さ」が楽しめます♪
芦原温泉 2-1
小腹を満たして、散策続行!

せっかく来たのだし、宿へ入る前に
温泉施設にでも寄ろうかな♪

参考:越前あわら温泉
    あわら市 公式ホームページ
    あわら湯けむり創生塾
    あわら市公式観光協会公式サイト 北陸あわら
    石川・金沢、富山、福井のイベントや
観光地等を紹介 i北陸

前回記事
越前旅31 ~「地域の足」・えちぜん鉄道de行く~

あわら温泉 芦湯(あわら湯のまち広場内)

営業時間
7:00~23:00

定休日
無休

利用料金
無料!(タオルは有料)

お問い合わせ
あわら市観光協会
TEL 0776-78-6767

アクセス

北陸自動車道金津ICから 約15分
下道経由の場合、福井市内から約40分
※隣接地に無料の駐車場アリ

公共交通機関
えちぜん鉄道あわら湯のまち駅下車 徒歩2分
JR芦原温泉駅から
京福バス84系統 東尋坊線にて
あわら湯のまち駅バス停
下車 徒歩約2分

だるまや菓舗

営業時間
8:00~18:30

定休日
火曜日

お問い合わせ
TEL 0776-77-2154

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プロフィール

詞-Nori-

Author:詞-Nori-
旅行系ブロガー。
趣味は旅行、町歩き、食べ歩き、
鉄道等々。

目下地元・福岡県に戻り、
次なる行動に向けて準備中。