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月見の里を歩く

「昔、生活に困った住民が、口減らしの為に泣く泣く
育ての親(伯母)を山へと捨てた。」国語の教科書にも
載っているいわゆる「姥捨(うばすて)伝説」は、
ここが出所とされています。
そんな悲しい由来を持つ姨捨(おばすて)ですが、
今では景勝地としても知られています。
前回ご紹介した篠ノ井線からの眺めもその一つ。
今回は駅を出て、絶景ポイントを探して歩きます。
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駅から歩いて600mほど。
曲がりくねった道を降りて行った先に、
天台宗の寺院・長光寺が在ります。
すぐに境内を回れてしまうほど小さな寺ですが、
見所はたくさん。
古くから山里と共に月見の名所として知られ、かの松尾芭蕉を
始め、数多くの俳人・文化人がここを訪れ、
その光景を彼らの感性の下で詠み込んでいます。
句を刻まれた石碑が、あちこちに建っています。
写真の建物は本堂と月見殿。
江戸後期~幕末の建立。
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本堂内に掲げられた長楽五ヶ条
人生を長く楽しむための秘訣、といったところでしょうか。
私も見習いたいものです。
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見上げるほどの高さを持つ一枚岩、姨石
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敷地の奥に佇む桂の木。
中秋の名月の日、都から月を眺めに来た男女に一人の老婆がこの寺を教え、
自らを「捨てられた老女」と称して桂の木陰に消える。
夜になると木の下に老婆が現れ、月にまつわる話を語りつつ舞い踊り、
夜が明けて語りを聴く者が失せると一人寂しく老婆は取り残される、
という逸話が伝わります。
謡曲にも幾度となく取り上げられた、悲しき物語。
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桂の木の傍に建つ、月見堂。
左手の山門の外には、松尾芭蕉の句碑が建ちます
(じっくり見ずにスルーしてしまいました)。
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長楽寺遠望。
姨石が一際目立ちます。
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長楽寺のすぐ近くには、姨捨の棚田が広がります。
水源は姨捨駅近くに湧く大池。
そこから取水した水を、斜面を利用してそれぞれの田に
流しています。
生活の為、土地の有効活用のために産み出された
工夫ですが、周囲の自然と調和し、均整のとれたその姿は、
名勝にも選ばれています。
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「名勝」に選ばれたことを示す碑。
水田に映り込む中秋の名月の美しさは、
「田毎の月」とも称されます。
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斜面の途中から振り返れば、棚田越しに善光寺平が広がります。
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棚田の各所には水路が張り巡らされ、農地を潤します。

そろそろ姨捨駅に戻りましょう。
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姨捨駅付近の踏切上から。
スイッチバック線と姨捨駅へと伸びる線路、そして
篠ノ井線本線が交わる複雑な配線が良く分かります。
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姨捨駅舎を観察。
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併設されたフリースペース・ふれあい駅
レトロな雰囲気。
壁に架けられた時計や今は使われていない電気製品に、
駅舎の歴史が現れているよう。
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伸び行く影を背に、松本行きの列車がやって来ました。

鉄道の沿線としては屈指の景観を誇り、歴史と説話に彩られた地・
姨捨。
天候にも恵まれ、存分に堪能することが出来ました。
次は晴れ渡る月夜にでも訪れてみたいものです。
それでは!















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プロフィール

詞-Nori-

Author:詞-Nori-
旅行系ブロガー。
趣味は旅行、町歩き、食べ歩き、
鉄道等々。

目下地元・福岡県に戻り、
次なる行動に向けて準備中。