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美観地区巡り11 ~「美の殿堂」・大原美術館!~

大原家

江戸時代から倉敷の水運を利した商いで栄え、
近代化と激動の時代を迎えた明治~昭和期には
財閥を形成して
莫大な富を築くことに成功した、
倉敷きっての大商家

これまでの記事でも分かる通り、
江戸~近代に掛けて
倉敷地域に多大な影響力を保持し、
経済的・文化的に多大な貢献を果たして来た
同家の痕跡は、

「美観地区」を中心とした
倉敷市や周辺域の各所に色濃く
残されています。

旅最終日となる今回からは、
そんな大原家を象徴する文化施設・
大原美術館と、
倉敷に確たる地位を築き上げた大原家の
「本拠」・大原本邸(旧大原家住宅)をご紹介!

「倉敷の顔」・大原家の成り立ちと実像に
迫ります!


前回記事はコチラ
http://ac802tfk.com/blog-entry-442.html


7.21 Wednesday

「転居先探し」を兼ねた倉敷滞在も、
この日(滞在4日目)がついに最終日
大原美術館 1
4日(3泊)間お世話になった
倉敷アイビースクエア」を出て、
大原美術館 2
いつもの倉敷川沿いへ!

「倉敷館」側から少し歩くと見えてくるのが・・・
大原美術館 3
大原美術館!
大原美術館 4
今橋(これも大原家が関与)の後背に聳える
ギリシャ風建築が特徴的な文化施設は、
昭和5(1930)年の開創。

父(大原家6代・孝四郎)より受け継いだ
倉敷紡績所(現・クラボウ)や
倉敷銀行の経営に努める傍ら、
数々の新事業を展開する一方、

病院や研究所を設立するなど
公共事業にも積極的な姿勢を見せていた、
大原家7代当主・孫三郎(まござぶろう)氏。

その孫三郎氏の支援の下国内外で研鑽を積んだ
西洋画家の児島虎次郎(こじま とらじろう)画伯は、
自身の経験と見聞から
西洋優れた美術品の収集と公開の必要性
パトロンである孫三郎氏に提言。

この提案に賛同した孫三郎氏の支援で
二度の渡欧を果たした虎次郎画伯は、
西洋の近代美術古代エジプト
西アジアなどさまざまな地域・時代の
美術品を収集。

そうして集まった美術品や虎次郎画伯の
作品を公開するための場として
設立されたのが、大原美術館

孫三郎氏と虎次郎画伯の熱意の結晶には
世界的名画を含めた数多くの作品が
修造収蔵され、
国内外より訪れた人々皆を惹き付ける、
西日本を代表する美の殿堂としての
地位を確立しています!
大原美術館 5
コロナ禍真っ只中であった訪問時、
「大原美術館」では12時までの
時短営業を実施中。
(現在は15時まで)

開館時間(9時)から閉館時間まで
館内を巡れるチャンスは
たったの3時間

そのため開館時間前から「門前待機」して、
オープンと同時に突入!
大原美術館 6
受付で入館料(1,500円)を支払ってスグに
見えて来る本館は、
美術館創立時、昭和5(1930)年の築。

「古代ギリシアの神殿建築」を思わせる、
三角形の屋根と太い円柱が配された
荘厳にして重厚な造りの建物は、
美の殿堂に相応しい、
堂々たる佇まい!
大原美術館 7
「神殿」の前には、「考える人」で有名な
フランスの彫刻家、
オーギュスト・ロダンの作品・
洗礼者ヨハネ(正面左手)と・・・
大原美術館 8
カレー(地名)の市民
゛狛犬″のごとく鎮座。

細部にまで刻み込まれた「肉体美」と
緻密な服装、「生気」が感じられる
表情の表現が、見事!


数々の美術品が待ち構える建物内ですが、
館内は残念ながら撮影禁止


長~くなりますが、ここからは文章でのご紹介となります。
ご容赦を。



入り口を潜って最初に行き着く、第1展示室
初めに現れるのは、玄関正面に飾られた絵画・
和服を着たベルギーの少女

鮮やかな色合いの和服を身に着け、
あどけなさが残りながらも内包された「美」を
誇るかのような、
澄ました表情の少女像

その゛人形のような″姿を描き出したのは、
美術館設立の「立役者」・
児島虎次郎(こじま とらじろう)画伯。

館内にはこの絵の他にも多数の児島作品
展示されており、
色彩鮮やかながらも゛華美″に走らず、
人の暮らしや表情の「素朴さ」を捉えた
「軽め」なタッチの作品たちが楽しめます。

第5展示室に飾られた、
同じ植物を題材としながらも、
異なる構図・異なる色彩とポーズで
3人の女性を描き出した
朝顔も、秀逸♪

展示室内にはセザンヌ
ゴーギャンなど、
西洋画壇にその名を知られた芸術家たちの
作品がゴロゴロ!

「ゲルニカ」であまりにも有名な゛奇才″、
ピカソの作品まであり、
よくここまでのものを集められたものだと、
素直に感嘆!
(「ゲルニカ」のイメージを抱きながら観てみると、
ここの作品はやや゛大人しめ″な感じ?)

また第1展示室には倉敷市内各所に
影響を残した、
クロード・モネ
睡蓮(すいれん)も展示されています。

2階の展示室で目を引いた作品の一つが、
ギー人画家・
レオン・フレデリックが描いた作品、
万有は死に帰す、されど神の愛は
万有をして蘇らしめん


横幅十数メートルはありそうな
7面のキャンバスにさまざまな人物や場面、
風景が描かれており、
制作期間は実に25年、この絵を収蔵するために
展示室の幅を合わせたという、
主役級」の存在感を放つ大型絵画。

そこに描かれているのは、
古の神話の如く業火に焼かれ
人々が死に絶える地獄絵図
と、
゛聖霊″である白い鳩の飛来が示す
救済の兆し、
そして神(キリスト?)の降臨による
救済の訪れ。

驚異的な数の人物像を精巧なタッチで描き分け、
地獄恩寵救済という場面の変化、
さらに場面に合わせて移り変わる背景・・・
それらが圧倒的ボリュームで描き込まれた、
作者入魂の大作と言えるでしょう。

(その存在感と迫力に、
後に控える「主役」の存在も忘れて
見入ってしまいました 笑)


ここ「大原美術館」でもピカ一と言い得る
知名度を獲得している作品が、
エル・グレコの名で知られる
ギリシアクレタ島出身の画家・
ドミニコス・テオトコプロスが描いた、
受胎告知(じゅたいこくち)

日本国内に2点のみ
(もう一点は東京・上野公園内の
国立西洋美術館に収蔵されている、
「十字架のキリスト」)残されている
グレコ作品のうちの一作。

そこに描かれているのは、
天より゛聖霊″である白ハトを従えた
大天使ガブリエルが降臨し、
聖母マリア
キリストの懐妊を告げるという、

キリスト経典・聖書の中でも
極めて重要な一場面。

「人ならざるモノ」である
大天使ガブリエルの
人間離れした存在感と、
これから「祝福されし聖母」となる
゛聖母マリア″の凛とした佇まいも素敵ですが、

特に目を引くのが、
のコントラスト。

人物以外の画面を暗く
人物(と白ハト)を明るく描き出すことで、
「大天使ガブリエル」と「聖母マリア」が
聖なる存在であることを象徴。

また二人の間に迸る(ほとばしる)雷光は、
マリアが受けたであろう衝撃の大きさと、
その子イエス・キリストが辿ることになる
数奇な運命を暗示しているようにも思えます。
(あるいは「神の祝福」?)



その後も草間彌生(くさま やよい)さん始め
そうそうたる芸術家たちの作品に触れ、
大満足の時間となった本館探訪。
大原美術館 9
お次は本館横の通路を抜けた先に在る・・・
大原美術館 10
工芸・東洋館へ。

広々とした中庭を取り囲むように
配置されている建物群は、
元は大原家の米蔵として
使われていたもの。

改装に当たっては当時を代表する染色家
芹沢 銈介(せりざわ けいすけ)氏に
デザインを依頼。

趣ある土蔵造りはそのまま、
なまこ壁の所々にカラフルな彩色を
施すなど、
伝統と遊び心の同居した
外観となっているのが印象的です。
大原美術館 11
この「工芸・東洋館」の入口近くには・・・
大原美術館 12

大原美術館 13

大原美術館 14
モネの世界観を表す、
睡蓮(スイレン)咲き誇る
広がっています!

(ここの睡蓮は元々モネのアトリエから
株分けされたものだそうで、
のちに「アイビースクエア」にも
株分けがなされています)
大原美術館 15
入り口から、中へ!
(こちらも館内は撮影禁止)

「工芸・東洋館」は、
゛創設者″・孫三郎氏の後を継いで
美術館の運営を担うこととなった
8代当主・總一郎氏によって新設された施設で、

工芸館では大正末年より起こった
「日用品の中に゛用の美」″を見出さんとする
芸術運動・民藝運動(みんげいうんどう)を主導した、

濱田庄司(はまだ しょうじ)や富本憲吉(とみもと けんきち)、
河井寛次郎(かわい かんじろう)、
バーナード・リーチといった
陶芸家たちの作品や、

總一郎氏とも縁故のある版画家・
棟方志功(むなかた しこう)の
木版画などを展示。

「実用性と芸術性の両立」を希求した
作家たちの息吹に触れられます。


またその隣に接する東洋館では、
古代中国の石窟より発見された
石仏石塔類、
隋(ずい)や漢、唐(とう)などの各年代に
製作された壺や樋、人物・動物・建物などの像、

さらに「漢字」の基となった
甲骨文字(こうこつもじ)が刻まれた骨など、
お宝がザックザク!

日本にも輸入されることになる
「文明の礎」と「古代ロマン」に、
思う存分触れることが出来ました♪
大原美術館 16
ぐるっと一回りした「東洋館」から、
久しぶりの屋外へ!
大原美術館 17
美術館を出て左手(倉敷川から見て右手)に在る
ミュージアムショップにも
立ち寄ろうかと思いましたが、

しばらく外に居た(撮った画像(もちろん館内は
撮っていません!)の確認と、
落としてしまった(泣)カメラのチェック)せいか
入り口の検温で引っかかってしまい、
入れず・・・

大原美術館 18
とまあ少々悲しい出来事もありながら
(カメラはレンズを覆うカバーが破損してしまい、
動作不能に・・・泣)、
「ミュージアムショップ」のお隣に建つ、

カフェ エル・グレコにて小休止
大原美術館 19
蔦(ツタ)に覆われたおシャレな外観に、
これまたおシャレな内装のお店で頂くのは、
レアチーズケーキ

爽やかな香りと酸味がにピッタリな、
レモンティーとセットでの注文です。
大原美術館 20
デザートのレアチーズケーキは、
しっとり、とろけるような舌ざわり。

濃厚なチーズの味わいに、
甘さ抑え目のブルーベリーソースがマッチした、
大人のスイーツに仕上がっていました♪



芸術に触れ、一流アーティストたちの感性に
思う存分浸った、2時間半。
(たっぷり滞在しました!^-^)

倉敷から羽ばたいた大原家が、
財と人脈をフル活用して集めた、
世界的コレクションの数々・・・

一生に一度は拝んでおきたい
芸術の世界が、ここにはあります。
大原本邸 1
次回は「大原美術館」の向かいに在る、
大原家の゛本拠″・大原本邸へ!

江戸~明治~大正~昭和と紡がれた
大原家の物語と、
栄華に満ちた彼らの日常に迫ります!

参考:大原美術館
    語らい座 大原本邸 公式ホームページ
    美観地区をお散歩
    Wikipedia



大原美術館

〒710-8575
岡山県倉敷市中央1-1-15

開館時間
9:00~15:00(時短営業中)
(入館は14:30まで)

休館日
毎週月曜日
※祝・祭日および振替休日の場合は開館
7月下旬~8月は無休
冬期休館アリ
臨時休館する場合アリ
(詳細は公式HPをご参照ください)

入館料(本館/分館/工芸・東洋館共通)
個人・・・一般 1,500円
     高校・中学・小学生 500円
団体(20名以上)・・・一般 1,300円
             高校・中学・小学生 300円
身障者割引・リピーター割引(半年以内)アリ

お問い合わせ
公益財団法人 大原美術館
TEL 086-422-0055
FAX 086-427-3677

アクセス

山陽自動車道 倉敷I.Cより 約20分
瀬戸中央自動車道 早島I.Cより 約20分
※敷地内に駐車場はありません
近隣の駐車場をご利用ください。

公共交通機関
JR倉敷駅から 徒歩約15分
路線バス各線
「大原美術館前」バス停下車 徒歩約2分


大原美術館 ミュージアムショップ
営業時間
10:00~17:00

店休日
美術館に準じる
臨時休館の場合アリ


カフェ エル・グレコ

〒710-0046
岡山県倉敷市中央1-1-11(大原美術館隣)

営業時間
10:00~17:00

定休日
月曜日

お問い合わせ
TEL 086-422-0297
FAX 086-422-0801

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プロフィール

詞-Nori-

Author:詞-Nori-
旅行系ブロガー。
趣味は旅行、町歩き、食べ歩き、
鉄道等々。

目下地元・福岡県に戻り、
次なる行動に向けて準備中。