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徳島旅32 ~阿波池田たばこ資料館 その1~

阿波池田うだつの家 23
ストレス社会を生き抜く上で必要な
気分転換のスイッチ
たばこ

16世紀~17世紀初めに
西洋(南蛮)の文化とともに
伝来した「休息の相棒」は、

「風紀の乱れや失火の原因、
耕作の妨げとなる」と考えた幕府の
度重なる禁令にも関わらず
庶民の間で広まりを見せ、

江戸時代のうちには日常に欠かせない
暮らしの「一ピース」として
定着

喫煙習慣や消費の拡大とともに
耕作地製造技術
拡張・改良も順次進められて行きました。
阿波池田たばこ資料館 14
260年に及ぶ幕府の「統制」が
幕を下ろし、
日本が゛近代化″へと向かった明治期には、
気軽さとパッケージデザインが目を惹く
紙巻たばこが登場。

個性豊かな販売会社の台頭
国による専売制の導入といった
流れの中で、紙巻たばこは
従来の「葉たばこ」を上回るまでに成長。

今に至るまで、たばこ商品の主力として
不動の地位を築いています。

そして激動の昭和時代を経て、
現代

健康志向の高まりたばこ規制の動きによって
メディア露出は制限され、
喫煙者も減少

以前とは比べ物にならないほどの
値上げ増税も重なり
業界そのものが厳しい状況に置かれながら、

分煙化喫煙マナー向上の取り組み、
煙を生じさせない電子タバコ
開発・普及などを通して、
生き残りへの試行錯誤が
続いています。

(まあ・・・ここまで解説しておいて、
私自身は吸わないんですけどね! 笑)

今回はそんな「たばこ文化」を支えた地、
阿波池田のかつての中心に建つ
「阿波池田うだつの家」内、
阿波池田たばこ資料館を巡り、

たばこ造りの歴史や仕組み、
彩り豊かなパッケージの数々を、
じっくり見物して参りたいと思います!



季節はもう秋ですが!
ゴールデンウィークの旅模様を
綴らせていただいております、
「徳島旅」編。



前回記事はコチラ
http://ac802tfk.com/blog-entry-518.html




阿波池田うだつの家 8
徳島県は三好市、池田町に在ります、
たばこの商いで栄えた商家を
保存・活用する施設・
阿波池田うだつの家より、
旅最終日の散策模様をお届けしております♪
阿波池田たばこ資料館 2
商いの場も兼ねた「表の空間」・
主屋
その裏側に増築された新座敷
離れ座敷といった「居住空間」を
見て回った後は、

敷地最奥部の展示施設、
阿波池田たばこ資料館へ!
阿波池田たばこ資料館 3
木の香り漂う資料館内は、
かつてのたばこ製造場
再利用したもの。

現在は完全に「展示施設」然に全改造
されちゃっていますが、
まさにこの場所から、
゛真鍋家謹製″真鶴(まなづる)銘の
たばこが、
全国各地へと送り出されていました!
阿波池田たばこ資料館 4
「葉たばこ」の原料となる、
たばこの葉

戦後に「紙たばこ」が普及するまで、
庶民の嗜好品の代表格として
広く親しまれていた、
葉たばこ

江戸時代~明治に掛けて
阿波国(徳島県)内の山間部
盛んに製造された良質な
葉たばこ(刻みたばこ)は
阿波刻(あわきざみ)と称され、

その販路は南は肥前国
(ひぜんのくに。現在の長崎県・佐賀県)から
北は蝦夷地(えぞち。北海道)まで!

阿波のたばこ製造が最盛期を迎えた
大正頃には県内で約2,600haもの
農地を抱える、
一大産業であったそう。
阿波池田たばこ資料館 5
刻まれたたばこの葉

機械を用いる等して刻まれた
たばこの葉は、
数種の葉と合わせる形で
キセルに込められ、
広く愛煙されました。
阿波池田たばこ資料館 7
明治33(1900)年の、
徳島県内における町村別の
たばこ耕作面積
表にしたもの。

いわゆる「阿波葉」は徳島県北西部、
三好群(現三好市)・美馬郡(美馬市)を中心に
製造されていましたが、
特にここ池田町は突出した
耕地面積を誇っており、

その広さはたばこ栽培が盛んだった
同地域でも、
堂々のナンバーワン
輝いていました✨

(さすが「うだつの上がる」町!)
阿波池田たばこ資料館 8
こちらは池田町内のたばこ商たちに対して
発行された、
公文書たち。

下段中央、
この邸宅(と製造場)のかつての主・
真鍋家に対して公布された
商標登録書の書面には・・・
阿波池田たばこ資料館 9
偉人(陸奥宗光(むつ むねみつ)の名が!
阿波池田たばこ資料館 10

阿波池田たばこ資料館 11
「葉たばこ」の時代に使われた、
喫煙具たち。

趣向の凝らされたきせるなどが
並びます。
阿波池田たばこ資料館 12
パネル展示では、
たばこの製造工程
イラスト付きにて詳説。
阿波池田たばこ資料館 13
こちらはタバコのパッケージ類
阿波池田たばこ資料館 14

阿波池田たばこ資料館 15
地域色を前面に押し出した、
「ご当地パッケージ」も!
阿波池田たばこ資料館 16
阿波の「たばこ造り」で
中心的な役割を担った、
池田町。

その池田町で近代化以降
たばこ産業のけん引役となったのが、
日本たばこ産業株式会社(JT)
池田工場

明治37(1904)年、
日露戦争下戦費調達を目的として
公布された政策・
煙草専売法(たばこせんばいほう)

民間でのたばこ製造・販売を禁じ
一切の事業を国の管理下に置く

という政策を受けて、
大蔵省(現在の財務省と金融庁)管轄の
専売局の下、

「池田工場」の前身となる
徳島地方専売局
池田出張所

設立され、

徳島一円のたばこ製造を担って行くことと
なりました。

(この影で「真鍋家」などの
個人事業主が、
閉業・衰退へと追い込まれて
行ったのでしょう・・・)
阿波池田たばこ資料館 17
創業間もない明治~大正頃と思しき、
操業中の情景を写した一枚。

製造ラインは自動化された機械もなく、
見る限りすべて手作業
とっても「アナログ」な雰囲気。

働く女工(女子工員)さんたちの服装も
現在のような「作業服」ではなく、
時代を感じさせる和装となっています。
阿波池田たばこ資料館 27
池田工場から送り出された製品の、
パッケージたち。(の模型)

多様なデザインの商品が並びますが、
そのほとんどは江戸以来の「たばこ造り」の
伝統を受け継ぐ、
刻みたばこのもの。

「みのり」や「ききょう」、
「あやめ」に「なでしこ」等
日本古来の花々の名が付けられ、
小洒落たイラストの添えられた製品が
送り出されていましたが、

戦後に人々の嗜好が変化すると、
生産の主力は紙巻たばこ(右下)へと移行。

昭和53(1978)年には池田工場での
刻みたばこの生産が終了となり、
製品も紙巻たばこ(ハイライト)へと
一本化されることとなりました。
阿波池田たばこ資料館 19
昭和末期頃の池田工場を捉えた、
上空写真。

「煙草専売法」の発布と
民間製造の閉幕以後、
゛たばこ造りの聖地″・池田での
たばこ製造を一手に担っていた
池田工場も、

平成2(1990)年9月末を以て
閉業

その後はJT系列の自動車部品製造会社・
四国JTS電装の生産拠点へと改装されて
運営が続けられていたものの、
平成17(2005)年にこちらも閉業

現在は「阿波池田バスターミナル」を併設した
ショッピングセンター・
フレスポ阿波池田となって、
地域住民のお買い物や移動の
拠点となっています。
阿波池田たばこ資料館 20
ここからは、たばこ造りに用いられた
機械や道具をご紹介。

まずはコチラ、
酒井式裁刻機
(さかいしきさいこくき)

明治中期、東京在住の
酒井太郎吉(さかい たろうきち)氏によって
考案されたもので、

優れた機構から昭和30年代半ば
(1960年前後)まで「刻みたばこ」製造の
主力として用いられる
大ベストセラーとなり、
時代に合わせて動力化などの
改良も進行。

現在刻みたばこ製造に使用される
ドラム形裁刻機にも
その機構と構造が活かされる等、
現代たばこ製造の基礎とも言い得る、
偉大なる発明となっています。
阿波池田たばこ資料館 22
こちらは「酒井式栽刻機」と
対となって使われた、
圧搾機(あっさくき)
という機械。

読んで字のごとく、「栽刻機」によって
細かく刻まれたたばこの葉を重ねて
圧力を加え、固めるための作業に
使用されました。
阿波池田たばこ資料館 23
こちらは締台(しめだい)と
呼ばれる機械。

後述する「煎台(せんだい)」と
対となって使われた機械で、
重ねた葉たばこ圧力を掛けることで
板状に固め、

それを「煎台」上で削ることによって
「刻みたばこ」が生み出されていました。
阿波池田たばこ資料館 24
そして!「たばこの町」・阿波池田で
生み出された発明品がコチラ、
煎台!(せんだい)

先ほどの「締台」で固められた葉たばこ
鉋(かんな)で削るための機械。

江戸時代後期の寛政12(1800)年、
池田町在住・
中村武右衛門(なかむら ぶえもん)さんによって
発明され、

「刻みたばこ」の細さを自在に調節可能な利便性、
量産可能簡易な構造も相まって、
゛発明地″の阿波池田だけに止まらず、
西日本、さらに遠く関東にまで進出!

当時のたばこ製造に
一大改革をもたらした、
実に画期的な発明であったのだそう。
(武右衛門さん、スゴい!)
阿波池田たばこ資料館 25
煎台で葉たばこを削る様子を描いた図。

手元の鉋を引くと同時に
足下のペダルを踏んで
台中に仕込んだ「車」に
エネルギーを伝え、

その「車」が削り出された葉たばこ
上へと押し上げる仕組みと
なっていたようです。
(よく出来てる!)

武右衛門さんは粟島
(あわしま。現 香川県詫間町(たくまちょう)の
北前船問屋から聞いた、

蝦夷地(えぞち。北海道)で使われていた
昆布切り機の構造をヒントに、
この「煎台」を思いついたそう。

彼の発想と試行錯誤が、
より広い販路
生産の効率化・簡略化をもたらしたと言っても
過言ではないでしょう!
阿波池田たばこ資料館 2-
「阿波池田たばこ資料館」探訪、
次回へ続きます!


参考:JT ウェブサイト
    四国新聞社
    徳島新聞 電子版
    館内解説パネル
    Wikipedia

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プロフィール

詞-Nori-

Author:詞-Nori-
旅行系ブロガー。
趣味は旅行、町歩き、食べ歩き、
鉄道等々。

目下地元・福岡県に戻り、
次なる行動に向けて準備中。