
皆さん、
明けましておめでとうございます!2018年、あるいは平成30年、戌年の幕開けでございます!
来年には「平成」の世に区切りが付き、
次なる時代の始まりを
間近に感じる一年となるでしょうが、私「西のノリ」、変わらず旅を求め、こうして
画面をご覧の皆様にお伝えする所存であります。
今年1年、よろしくお願いいたします。

新年1発目は、福岡市の繁華街、中洲界隈。
商店街を抜けて向かったのは・・・

博多っこの崇敬篤い、
櫛田神社(くしだじんじゃ)
創建は奈良時代の天平元(757)年。
大幡主命(おおはたぬしのみこと)・
天照大神(あまてらすおおみかみ)・
素戔嗚尊(すさのおのみこと)の3柱の神を祀っており、
博多の総鎮守として、「お櫛田さん」の愛称で親しまれています。

裏手から境内へ入り、まず目に入ったのは、
力石かつて櫛田神社の境内では、
卯の日に合わせて相撲が行われていたそうで、
そこで相撲を執った力士達によって、大きな石が奉納されたそう。
一般人たる私ではピクリともしなさそうなこれらの石を持ち上げたというのだから、
力士達の大力は、やはり別格!
それぞれの石には奉納した力士の名が刻まれ、江戸の昔に名を馳せた者から、
近年の相撲界を賑わせた
貴乃花関や
朝青龍関(写真右手)、
白鵬関(同中央)と
いった横綱たちに加え、誰も到達し得ぬ不滅の大記録・69連勝を記録した
大横綱・
双葉山関(左手)の名が
見られます。

境内に展示されている、
博多祇園山笠ここ櫛田神社は、博多の夏を熱く染め上げる大祭の舞台。
こうして山笠が置かれているのも、至極当然の成り行きでしょうか。
これは
飾り山笠と言い、
10メートルを優に超えるその形は、祭りの力強さと華やかさを
象徴する存在。
しかし電線が張り巡らされた近代以降の街では実用に即さないため、
今では展示目的に特化しています。
市内にはここを含めて14基の飾り山笠が保存され、祭りの期間中には
各所で披露され、人の目に触れることとなります。

豪華絢爛な装飾は表と裏でそれぞれ異なり、櫛田神社側を向く「表標題」と
その反対側の「見送り標題」という呼称が付いています。こちらは「表標題」。
櫛田神社の祭神の一柱である
素戔嗚尊が八つの頭を持つ怪物・
八岐大蛇(やまたのおろち)を退治し、
天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ、別名草薙剣)を
手にする場面が描かれています。間近で見ると、すごい迫力!

櫛田神社本殿と拝殿。
三が日だけあって、すごい人だかり。
参拝客の列は広い境内だけに止まらず、外の歩道にまで
続いています。
あまりの混雑ぶりに、列に並ぶのは
断念離れたところから拝むことに。なんだかちょっと申し訳ない気分。

境内には出店が設けられ、参拝客をおもてなし。
参道沿いでは景品の当たる福引きが催され、当たりを告げる
ベルの音と、当選と景品の内容を読み上げる声が
明るく響いていました。

門の近くに根を張る大イチョウ。
樹齢千年とも言われる
博多一の古木であり、不老長寿のシンボルとして
博多っこの信仰篤いご神木。
高さ33m、胴回り16mというボリューム感は、圧倒的。
歴史的・文化的価値から、
福岡県天然記念物にも指定されています。

櫛田神社を後にして向かったのは、
承天寺通りその玄関口として聳えるのは
博多千年門(はかたせんねんのもん)
平成26(2014)年に、かつて博多の街と大宰府を結んでいた道に建っていた
辻堂口門(つじどうのぐちもん)をイメージし、寺社が多く建ち並ぶ
地区への入り口として建てられました。

通りは日本庭園風に整備されており、両側を囲む寺院と見事な調和を見せます。

通りに沿って門を構えるこちらのお寺は、
承天寺(じょうてんじ)
創建は仁和3(1242)年。
中国・宋で修業し、帰国後には禅僧として朝廷で講義を行う等、天皇家の信頼篤く、
死後に「聖一国師」の号を贈られた高僧・
円爾弁円(えんじべんえん)
による開山。
実は彼が行った疫病退散の祈祷が、
博多祇園山笠の起源と
されており、様々な事績を残す人物。

聖一国師が宋から持ち帰ったのは、禅の思想だけではありません。
ずらりと並ぶ石碑群は、左から
饂飩・蕎麦発祥の地碑(うどん・そばはっしょうのちひ)、
お饅頭所の碑(おまんじゅうどころのひ)、
満田彌三右衛門の碑(みつたやざえもんのひ)
聖一国師と彼に随伴して唐土へと渡った人々は、麺類やまんじゅう、織物に箔や朱、
じゃこう等、多くの技術を日本に持ち帰りました。
現代日本へと繋がる食文化や伝統工芸・祭りの種を蒔いた国師・・・
なんたる大物!
仏堂正面に広がる石庭。
波打つような石の配置が、耽美な光景を生み出しています。
背後に控える仏殿も立派なものなのですが、
一般開放は無し信徒以外はお断り、だそう。
じゃあ入信しま~す!とはいかないのが残念。

別院・天与庵(てんよあん)の庭園は、一応拝観できます。
石の海に浮かぶ陸地を表したような造形。
しかしやっぱり建物には
上がれません
若干の不完全燃焼感を抱きつつ、博多バスターミナル内の
焼き鳥・もつ鍋店
竹乃屋でお昼ご飯。
パリパリに焼き上がり、香りが食欲をそそる
鶏もも焼き定食博多っこの「心の故郷」、櫛田神社と博多の魂・博多祇園山笠の生みの親・
聖一国師ゆかりの承天寺を巡った三が日の昼下がり。
櫛田神社は私も結構気に入っている場所なので、
次はゆっくりお参りしたいところ。
実は福岡育ちの身でありながら見たことの無い博多祇園山笠も、
いつかは味わってみたいなぁ・・・
そんなこんなで始まった2018年。
今年もまた、旅を探して歩き回りたく思います。
それでは!

夕刻、知人との待ち合わせ前。
博多駅ビルの広場で休んでいたら、間近でラジオの生放送が
始まりました(笑)