日豊本線復旧記念、宮崎の旅~!嘘です、行きたかっただけです。
初っ端からの冗談はさておき、昨年7月の
九州北部豪雨にて
大きな被害を受け不通となっていた日豊本線(にっぽうほんせん)
臼杵~津久見~佐伯間で続けられていた復旧工事が完了し、完全復旧が
果たされたのは、
12月18日のこと。
これにより半年近く寸断されていた福岡都市圏と大分、宮崎、さらに鹿児島へと至る
東九州の大動脈が、再び一つに繋がりました。
それから一月足らず。そんな蘇った鉄路に揺られ、南国・宮崎を目指します。

旅の始まりは、もはやお馴染み
大分駅最寄り駅から普通列車に乗り、途中で乗り換えという手段も有りましたが、
あえてこちらを選択。何故なら
始発駅から乗りたいからです、はい。

宮崎までの移動は、
特急にちりん国鉄時代から東九州の幹線・
日豊本線(にっぽうほんせん)の
看板列車として活躍。
かつては
博多から
西鹿児島(現・鹿児島中央)までを
結ぶ長距離列車でしたが、系統分離や博多~大分間の
ソニック化により
小倉・大分~南宮崎・宮崎空港間に運転区間を短縮しつつも、
急行時代から数えて半世紀もの時を刻んでいます。
にちりんの使用車両は2種類。
今回はこちらの
783系を利用します。
国鉄分割民営化直後の
昭和63(1988)年、新生JRグループの
特急型車両、その一番手として登場しました。
その後の
787系・
883系等の後進車両のデビュー、
および九州新幹線の開通により脇役となってしまいましたが、
大掛かりなリニューアルや一部車両の改造を経つつ、九州の電化区間で活躍を続けています。

愛称は
ハイパーサルーン技術的にはそれまで積み上げられて来た国鉄車両群をベースとしていますが、
それまでの「国鉄特急」のイメージを覆す革新的な試みが多く
盛り込まれました。
大きく傾斜角が付けられた前面窓、上下に拡大された客室窓、
それまでのクリーム色+
赤からガラリと
変わるステンレス地の
シルバーと白の
塗り分け。
そして
JR在来線史上初の最高速度
130km運転に対応可能な性能を備えています(営業運転は
JR東日本の651系が先)。
ハイパーサルーンの特徴は、もう一つ。
なんと全車、
車体の中央に乗降扉を備えているのです!
これにより1両ごとに前半客室:グリーン車・後半客室:指定席といった
運用を可能とし、改造無しでの組み換えが可能となりました(もちろん列車によって
ある程度固定はされていますが)。
通常の特急車両とは構造が異なるため、初見の方は要注意。

私が乗り込んだのは、最後尾・5号車の後部客室(B室)。
ここは自由席でありながら、1号車A室のグリーン車と共に
前面・あるいは後方の眺望が楽しめる
展望室!乗務員室直後の列からは、遮る物の無い景色が味わえます。

展望室の座席。
登場から今年で30年。さすがに「古さ」も感じられる設備ですが、
特急としての格は健在。
床面のかさ上げ(いわゆるハイデッカー)や他の客室より大きな側面窓も、
鉄旅好きとしては嬉しいところ。

もちろん
最後列を確保!(しかし大分を出た段階では
ガラガラだった)
乗務員室越しに後方展望を独り占め!
車掌さんが安全確認や車内放送をする姿を見ることも出来、
わくわくな旅路になりました!

復活したばかりの臼杵~佐伯間。
車窓からは、時折
海がちら見え。
佐伯(さいき)から先、県境を越えて
延岡に至るまで、
にちりんは約1時間
停車駅無し単線ゆえの対向列車行き違いやダイヤの都合上設けられた運転停車
(客扱い無しの停車)を除き、ひたすら走り続けます。

人家もまばらな
山地を
にちりんは踏み越えて行きます。
渓流に並び、視界を遮らんばかりの杉林を潜り抜ける
険しい行程。
延岡から地形は平坦なものとなり、列車もスピードを上げます。
乗客も増え、宮崎県内の都市間移動は旺盛な様子。

日向市付近でのどかな風景に突如として現れる高架橋。
これは公益財団法人
鉄道総合技術研究所(通称・鉄道総研)
が昭和52(1977)年から平成8(1996)年まで「リニアモーターカー」の実験を
行っていた、
宮崎実験線の跡。
その後研究開発の舞台は山梨県へと移りますが、役目を終えた今でも
高架橋が解体されること無く残っています。
赤茶色に錆びてしまった構造物が、なんだかもの悲しい。
なお、敷地の一部にはソーラーパネルが設置され、
太陽光発電の実験場と化しています。

再び左手に
海を眺めます。

大分駅を出て3時間あまり、
宮崎駅に到着!
大胆な色使いと形状が目を引く現在の駅舎は、
平成5(1993)年オープン。
J、フェルナンド・テルヤという方が設計したそう(どこにも詳細が無いのは何故なのか)。
波と太陽を思わせるデザインが、南国チックな駅前の景観とマッチしている
気もします。

これぞ南国!
ヤシの木が出迎えてくれます。
初めて訪れた宮崎県!穏やかな気候、降り注ぐ日差し、
街全体に流れるのんびりした空気に、改めて
南へやって来たのだなぁ、と実感します。
こういう土地柄も、良いかも(寒い季節だから、余計にそう感じます)!
さて、次回は今回の旅の主目的・日南巡りへ!
短い時間に楽しみがたっぷり詰まった、素敵な
観光列車に乗車します。
それでは!

晩御飯は宮崎市街のアーケードに店を構える、
宮崎風土 あっぱれ食堂畜産・漁業が盛んな宮崎県が誇る魚・牛・鶏等の料理が
楽しめるお店。豊かな山河が生み出した
お酒もいっぱい!
宮崎県発のソウルフード、
チキン南蛮!肉厚な鶏肉に、肉汁をたっぷり含んだタルタルソースが絡みつく絶品!
雲海酒造の芋焼酎・日向古秘(ひゅうがこひ、画像左上)と一緒に、頂きます!